平成最後の満月です2019/04/20

20190419_18181月
昨日は夕方から宵にかけて雷鳴が轟き、少し雨が降りました。まさかそんなに崩れるとは思っていなかったのでビックリしましたが、夜に見えるはずの「平成時代最後の満月」に諦めもつきました。

夜中近くになって静かになったので外へ出てみると北天以外は雲が去っており、煌々と満月が姿を見せています。昼とは打って変わって時折冷たい北風が吹きつけますが、こんなに嬉しいことはありません。満月の瞬間から3時間余り経っていましたが、日付が変わらないうちに楽しむことができました。

左は19日23時半前の月。太陽黄経差は181.81°、撮影高度は約46.5°、月齢14.23です。昨日より大気の揺らぎがやや大きいですが、空の霞や薄雲はほとんど無かったので気持ちよく撮影できました。たいした意味はありませんが、平成最後と言うことでいつもの倍以上コマ数を取得し、手作業で仕上げました。(※月全体像ではスタックソフトに頼らず、初心を忘れないよういつも手作業でコンポジットしています。)

太陽黄経差が180°を過ぎたので、月の南側(画像下側)から東側(同右側)にかけて影が移動してきましたね。約22時間前に撮影した画像と比べるとよく分かるでしょう。スミス海付近が良く見えています。2019年1月20日記事で紹介した、月面座標中央に近い目印「メスティングA・クレーター」も白く光って見つけやすいですよ。南極付近も解像良く撮れています。

これで今年は1月から4月まで4ヶ月連続で満月近くの月を拝めました。来月はいよいよ令和時代最初の満月。しかも、今年は春分から夏至までの春季に4回満月があるので、3回目となる5月19日朝の満月はいきなり「ブルームーン」なのです。ぜひとも晴れて欲しいですね。

参考:
アーカイブ:満月とブルームーンの一覧

今日の太陽2019/04/20

20190420太陽
二十四節気の穀雨を迎えました。昨夜から今朝は夜半前後に一時的な晴れ間があったものの、ほとんど雲に支配されていました。今朝からは次第に晴れ間が広がり、昼には青空になりました。

20190420太陽リム
左は11:20過ぎの太陽。右寄りに活動領域12739の小さな黒点が確認できます。12738の大きな黒点はリムに到達したようで、もう見えません。ここまでに撮影できた12738の移動を一枚にまとめたのが下A画像です。本日12738が到達したと考えられる右端一帯に複雑なプロミネンス活動が観察でき、高さは無いもののとても明るく見えました。

GONGで過去画像を調べるとこの撮影の1時間ほど前までもっと高くて大きなプロミネンスが見えていたようです。またSOHOサイトを見ると、LASCO C2カメラ画像に大きなコロナ質量放出(CME/Coronal Mass Ejection)が確認できました。0:00UT(=9:00JST)から4:00UTの画像を引用してアニメーションにしましたので、下B画像のサムネイルをクリックしてご覧ください。9:40から10:10頃までX線フラックスが最大B8.1クラスまで増加したので、このタイミングと思われます。

右下および左上にもやや高いプロミネンスが見えました。極小期ながら、なかなか元気な今日の太陽です。

  • 20190419活動領域12738の移動

  • 20190420SOHO-LASCO C2



今月も地球と月のツーショット2019/04/20

20190417地球と月
気象衛星ひまわりの全球画像には時々お月様が写っているということを、これまでも度々お伝えしました。2019年3月26日記事では、「満月近くの月が地球とツーショットになるのは春と秋が多い」ことも解説しました。ではこの4月はどうだったでしょうか?

月齢10から20までに限って計算すると、今月は17日から本日20日まで機会がありました。撮影画像を調べるとほとんどのチャンスに月が写っていましたが、完全な状態(月全体がひまわりの写野に入り、かつスキャンラインで分割されてない)でのツーショットは左画像の17日9:10のみでした(画像元:NICT/画像処理は筆者)。残念ながらほとんどの画像で月がぶつ切れになっています…。

本日は今月最後のチャンスで、ひまわりから見るとお昼頃に地球の南極側すれすれを横切る計算です。右下画像は一番左側の月(20日11:50撮影)から10分おきの4コマを合成したもの。地球はひまわりと共に東へ向かって自転していますので、背景の宇宙は向かって右方向へ流れてゆくのです。月の下が途切れてしまったのがもったいないですが、気象衛星なので月が写るよう画角が設定されてはいませんから仕方ないですね。

20190420地球と月
来月以降しばらくは満月近くの月がツーショットを起こす機会はぐっと減るでしょう。もちろん満月期にこだわらなければチャンスはたくさんあります。

蛇足ですが、この画像では正午付近の地球の南極側にわずかながら影ができていることが分かります。春分から約1ヶ月が過ぎて南半球が冬に向かい始め、次第に南極圏に日が当たらなくなってきた(一日の大半が夜になる/極夜地域が広がる)ことを物語っています。

参考:
アーカイブ:気象衛星が観た地球