今日の太陽2018/10/16

20181016太陽
毎日のように曇りや小雨の日が続いています。ごくたまに薄日が差したり、数十分だけ雲間から星が顔をのぞかせるときもありますが、それでは簡単な観測すらできません。今日も朝からしっかり曇っていましたが、昼前にほんの少し雲が薄くなった隙を突いて撮影することができました。

20181016太陽リム
左は11:15頃の太陽。雲越しの撮影で不鮮明です。何日か前から活動領域12724と12725が続けざまに出てるらしいので気になっていました。今日は中央左やや下寄りにいるはずですが…Hα撮影ではよく分かりませんね。可視光でも小さな黒点がパラパラといった感じです。プロミネンスも不明瞭ですが、右上と左下に薄ら写っています。週末までまったく晴れない予報だったので、観察できただけ良しとしましょう。

アラビア半島にサイクロンLUBAN上陸2018/10/14


20181014LUBANfromTerra
インド洋海域でもサイクロン活動が活発な時期ですが、アラビア半島へ今年2回目のサイクロン上陸があったようです。

1度目は5月27日の記事で取り上げたサイクロン「MEKUNU」。そして今日14日6:00UT前(15:00JST前)上陸したのはサイクロン「LUBAN」。LUBANの上陸時勢力は最大風速30ノット程度とみられ、気象庁で言えば熱帯低気圧相当ですが、この砂漠地域にサイクロンが接近上陸すること自体が大変珍しいので暴風雨への備えは弱いと思われ、MEKUNUと同様に被害拡大が心配です。

2018インド洋サイクロン
左はアメリカの地球観測衛星Terraが本日撮りたてのLUBAN(NASA WorldViewより引用)。サイクロン中心はほぼ海岸線ですね。右図はMEKUNUとLUBANそれぞれの位置と勢力を地図に描いたもの(元データ:Joint Typhoon Warning Centerが公開しているデータ/風速分類はインド気象局方式)。移動方向が違うため到達した位置は違いますが、両者とも大きくカーブすることなく直線状に進行しています。

特筆すべきは両者とも進行速度が遅かったこと。日本の台風は最頻値15km/hから20km/h(十数ノット前後)程度ですが(→参考記事)、MEKUNU・LUBAN共に最大値でも20km/hを越えることはほぼありませんでした(下図)。11日頃のLUBANなんて、徒歩以下ですよ。10日間かかっても日本を縦断できないような速さなのです。勢力が弱いならともかく、強いまま何日もうろつかれるのでは被害が拡大する一方ですね。各地で発生する嵐は、地理条件と共に嵐の特性をよく考えた対処が必要のようです。

  • 2018インド洋サイクロンMEKUNU

    A.サイクロンMEKUNUの移動速度
  • 2018インド洋サイクロンLUBAN

    B.サイクロンLUBANの移動速度


迷走ハリケーンLESLIE、ヨーロッパ到達2018/10/14


20181013Aqua画像
大西洋で発生し、長い間バミューダ海域付近を迷走していたハリケーン「LESLIE」が、なんとポルトガル海岸に近づいています。カテゴリー1もしくはトロピカルストームの勢力を保ったまま、まもなく上陸する予想です。

LESLIEが小さな嵐として発生したのは9月23日のこと。先日北米に上陸したMICHAELよりも前でした。一時的にカテゴリー1のハリケーンになりましたが、どこかに上陸する様子もないし、途中弱まって追跡されない期間もありました。ところがここ数日再度発達し、急速にヨーロッパへ向かったのです。

左は13日(日本時間今朝方)に地球観測衛星Aquaによって撮影されたLESLIE。もうユーラシア最西端のロカ岬近くまで来ていました。日本時間本日午前にも上陸するでしょう。下A図は13日15:00UT(14日0:00JST)までのLESLIE経路図。またB図は最大風速の変化グラフです。かなり複雑なコースを辿ってヨーロッパまで流れ着いた(?)様子がうかがえます。試しに距離を計算したところ、発生から480時間で8445kmも移動していました。

今年はヨーロッパでも様々な気象災害がありましたね。LESLIEは弱まりつつあり、日本で14日朝(ヨーロッパは夜)時点の最新状態は「POST-TROPICAL CYCLONE」でしたが、そのままスペインまで進む予報も出ています。収穫の時期、どうか大きな被害が出ませんように。

  • 20181013-1500UTハリケーンLeslie経路

    A.ハリケーンLESLIE経路
  • 20181013-1500UTハリケーンLeslie最大風速

    B.ハリケーンLESLIE最大風速


標高データで月面図を描いてみました・その22018/10/13

月面X地形周辺
いくつか自分の中で進めているプロジェクトに関して、時々星図や月面図などの素材が必要になる事があります。たいていはどこにもないような絵面なので自作するしかありませんが、それ自体がまた深い分野。追求してゆくと深みにはまって、なかなか面白いです。

左はそんな月面図のひとつ。月面X地形を中心とした10°四方のエリアです。写真ではなく、NASAが公開しているLRO(Lunar Reconnaissance Orbiter)による標高データを使ったCG。どうやったら地形のデコボコがはっきりするだろうかと、地図表現を何十通りも組み合わせて試しましたが、結局思考は一周巡って傾斜量図メインに落ち着きました。ただし段彩図と陰影図も掛け合わせて直感的に高さが分かるよう表現してあります。中緯度なので直交座標地図では歪みが大きいですが、標高や傾斜の表現追求が差し当たっての目標なので、ここでは気にしないでください。

下A図は左上図の中央付近を拡大し、等高線を加えたもの。下B図は同様に描いた月面A地形の周囲です。いささか書き込み過ぎの面はありますが、「こんな事できるよ」というサンプルなのでご容赦ください。赤線は1000mごと、暗青細線は200mごとですが、小さなクレーターなのに深さ6000m以上ある等たちどころに分かっちゃって面白いですね。デコボコがはっきりするとクレーターの重なり順も鮮明に分かるので「全部のクレーターの生成順を調べたら家系図のようになるだろうか?」などと妄想が膨らみます。うまく計算できるなら、グレージング(接食掩蔽)現象で抽出できた山が月面のどの部分かといった特定もできるんじゃないでしょうか。

今回はハワイ大学の高機能ソフト「GMT(Generic Mapping Tool)」を利用しました。地理情報を伴ったデータを扱う研究者にはとりわけ有名ですが、地図描画は元より、科学的なグラフ作図やデータ処理になくてはならないフリーソフトです。当サイトでも地震分布図などを中心に時々登場していますよ。月面データとの親和性も抜群で、GMTで地球地図を描ける方なら何の問題もなく月面図を描けるでしょう。いずれ時間を作って、主だった月面地形図をアーカイブできたらと考えています。

  • 月面X地形周辺

    A.月面X地形周辺
  • 月面A地形周辺

    B.月面A地形周辺


地図表現のうち、標高を色彩・濃淡に置き換える「段彩図」、一定条件の光を当てたとき標高に応じてできる影を色彩・濃淡表現した「陰影図」、および傾斜に応じて色彩・濃淡表現した「傾斜量図」それぞれの方法のみを使って月面X地形を描くと下のようになります。一長一短あるのがお分かりでしょうか。

  • 月面X・段彩図

    段彩図
  • 月面X・陰影図

    陰影図
  • 月面X・傾斜量図

    傾斜量図


参考:
標高データで月面図を描いてみました(2017/05/18)
標高データで火星図を描いてみました(2017/05/26)