ハリケーンLANEがハワイに迫ってきた2018/08/22


20180822-0300ハリケーンLANE
ハワイに迫るハリケーン「LANE」が気象衛星ひまわりから見えています。

左は本日明け方22日3:00の衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理等は筆者)。朝焼けに煌めく太平洋をバックに、不気味な渦を巻くLANEの姿が浮かんでいますね。「ハリケーンの目」もしっかり見えています。

NATIONAL HURRICANE CENTERなどの情報によると、ハリケーンLANEはこの画像の時点でカテゴリー4の勢力となっており、ゆっくり勢力を弱めながらも西進から北西進へ向きを変えてハワイ諸島へ迫っています。23日から25日にかけてハリケーンの強風域または暴風域が島々にかかるものとみられます。遅い夏休みをハワイで…などとお考えの方はお気を付けください。

なお現時点で越境台風になるかどうかはまだはっきりしません。

今日の太陽2018/08/21

20180821太陽
昨夜から今朝はずっと曇り空でした。今日は日が高くなるとだんだん晴れてきました。昼からは快晴となり、久々の蒸し暑い真夏日。5m/s程度のやや強い風がときおり吹きます。

20180821太陽リム
左は13:30前の太陽。右半球に移った活動領域12718を追いかけるように、左半球にも小さな黒点を伴う活動領域12719ができていました。12719のほうが黒点が少し大きく、また周囲も明るいです。プロミネンスは左上に細く伸びるものが見えていました。

全国的にも気温の高い一日でした。真夏日地点数は昨日まで5日間連続で400地点未満でしたが、今日は18時時点で610地点。観測記録を更新したところもあったようです。

台風連鎖が記録的長時間になっている2018/08/20


20180820-1500気象衛星画像
二つの台風が日本へ接近中で、今週は日本の至るところで荒模様が心配されます。

左は本日20日15:00の気象衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。赤点円は上が19号、下が20号で、各台風中心の直径1000km円を表しています。

19号はすでに「強い台風」クラスとなっており、まもなく大東島付近が強風圏内に入ります。明日は南西諸島に接近しながら「非常に強い」クラスになる見込みです。いっぽう20号も勢力を強め、明日には「強い台風」クラスになる予報です。23日ごろ本土に接近し、近畿から九州にかけて強風域や暴風域に巻き込むようです。

7月下旬から立て続けに台風が発生していますが、この「台風連鎖」とも言うような状態を調べると記録的な長さになっているのです。気象庁が発表している1951年以降の台風ベストトラックを元に調べてみました。『気象庁・台風監視区域のなかに一度も途切れることなく台風が連鎖的に発生・存在する』状態のうち、720時間(30日間)を越えるケースは4回起きています(記事末の表参照)。いずれも2000年より前ですが、1997年のケースは990時間(41日越え)という最長連鎖記録でした。ところが、今年の台風9号発生から今日15:00までの連鎖は既に822時間となっているのです。これには驚きました。下図は1997年と2018年の台風連鎖・タイムチャートで、横に伸びる棒グラフが該当台風の存在期間を表します。隙間無く発生してる状況が分かるでしょう。

  • 1997年台風連鎖

    1997年台風連鎖
  • 2018年台風連鎖

    2018年台風連鎖


ハリケーンHECTORとLANEの比較
台風19号と20号は今週いっぱい続きそうですから、過去1、2を争う長さになるのはもはや明らかでしょう。こういった記録は何だか嫌ですね。

懸念材料がもうひとつあります。ハワイ付近から東経180度線を越境して台風17号となったハリケーンHECTORに似たコースを、新たなハリケーンLANEがやって来てるのです。既に気象衛星ひまわりでも確認できます。右はJoint Typhoon Warning Center(JTWC)からの引用で、図の上側がHECTORの進路予報#28、下がLANEの進路予報#21(本日午後発行)。だいたい似た位置の図を比較しました。

ハリケーンLANEはHECTORよりひとまわり弱いようで、ハワイを過ぎた辺りから北寄りのコースを取るため越境しないかも知れません。ただ、時間が経ってみないと実際にどうなるかは分からないため、万が一越境台風となったら、台風連鎖に荷担してしまう可能性があるでしょう。

いつかは穏やかな日々がやってくると思いますが、それにしても今年はかなり狂った状況ですね。今年起きたことは来年、再来年…再発する可能性を引き上げることになるでしょう。気象は(人間にとって)良いほうにも悪いほうにも転びます。「想定外」と言わないためにも様々なケースを心に刻んでおく必要がありそうですね。


【台風連鎖時間が720時間以上に及んだケース】
連鎖開始日時
(JST)
連鎖終了日時
(JST)
継続時間
(時間)
期間中に存在した台風番号
1967年8月18日
9:00
1967年9月25日
9:00
91217号・18号(上陸)・19号・20号・21号(接近)・22号(接近)・23号・24号・25号・26号・27号・28号(接近)・29号
1992年10月8日
21:00
1992年11月8日
3:00
72622号(接近)・23号・24号・25号(接近)・26号・27号・28号(接近)
1994年8月24日
21:00
1994年9月30日
15:00
88217号(接近)・18号・19号・20号・21号(接近)・22号・23号・24号・25号・26号(上陸)・27号・28号
1997年8月9日
21:00
1997年9月20日
3:00
99013号(接近)・14号・15号・16号(接近)・17号・18号(接近)・19号(上陸)・20号(接近)

  • 気象庁の台風監視区域(東経100-180°、北緯0-60°)に一度も途切れることなく台風が発生・存在した期間で、720時間以上続いたリストです。
  • 気象庁が発表している1951年以降2018年までのベストトラックを解析しました。ただし現時点で確定している最新データは2018年台風5号までです。
  • 1992年24号は一度消滅してから再度台風となった「復活台風」ですが、台風ではなかった時期も別の台風が存在していました。
  • 接近および上陸は気象庁判断によるものです。


参考:
3年ぶりの越境台風・17号「HECTOR」(2018/08/14)
久しぶりに越境するか?ハリケーンHECTOR(2018/08/10)
想定外と言わないために(2018/08/10)

月と金星が同じ日に同じ形となるのは?2018/08/19

20180818月と金星
昨夕の日没後、ピンクに染まる雲から次第に色が抜けていくと共に月と金星が仲良く輝き始めました。月はちょうど上弦を迎え、ミカンの一房のような形をしています。実は金星も東方最大離角を迎えたため、望遠鏡で見ると半分光った形を見ることができたでしょう。

実際に撮影して形の一致を画像にしたかったのですが、左画像を撮影する頃から雲がどんどん濃くなり、拡大撮影はできませんでした。仕方がないのでStellariumによる19時のシミュレーションを右下に掲載しました。上方向が天の北で、金星は月に対して約30倍大きくしてあります。どうですか、このシンクロニシティ!

20180818月と金星
月も金星も地球の「お隣さん」で、厳密には相互に微少な重力の影響があるとは言え、月が上弦を迎えることと、金星が東方最大離角を迎えることとはほぼ無関係と言って良いでしょう。だから昨夕の両星が見かけ上同じ形となったことは「偶然の一致」なのです。

そこで気になったのが、「どれくらい稀なのか」ということ。さっそくプログラムを自作して、月と金星の『半月形』が同じ日となるタイミングを探してみました。結果が左下の表です。

【金星の最大離角と半月のタイミングが合う日】
日付金星の
最大離角方向
日付半月の
向き
1954年9月6日東方最大離角1954年9月5日上弦
1964年8月29日西方最大離角1964年8月30日下弦
1971年1月21日西方最大離角1971年1月20日下弦
1999年10月31日西方最大離角1999年10月31日下弦
2004年3月30日東方最大離角2004年3月29日上弦
2014年3月23日西方最大離角2014年3月24日下弦
2018年8月18日東方最大離角2018年8月18日上弦
2020年8月13日西方最大離角2020年8月12日下弦
2033年1月8日東方最大離角2033年1月8日上弦
2035年1月1日西方最大離角2035年1月1日下弦
2039年5月31日東方最大離角2039年5月31日上弦
2049年5月25日西方最大離角2049年5月24日下弦

  • 計算期間は1950年から2049年までの100年間です。
  • 前後一日のずれまで許容しました。
  • ピンク文字はJST(日本時間)の区切りにおいて日付が一致するケースです。
「夕空で上弦の月と東方最大離角の金星」と同様に、「明け方で下弦の月と西方最大離角の金星」も形や向きがほぼ一致しますので、併せて探しました。ただし日付が完全に一致するケースは少ないでしょうから、前後一日のズレまで許容範囲とします。また、日付区切りは時差によって変化するので、ここでは日本時間に統一しました。世界時や他国の時刻制度では日付が前後することがありますからご注意。

左表を見ると、今回の一致は1999年10月以来でした。それどころか夕空ならこの計算範囲で初めてのケースでした。一日違いなら2004年に起こっています。将来2030年台には比較的密に起こるようですね。月朔望も金星会合もはっきりした周期があるため、表の日付に何となく法則性がありそうな気もしますが、はっきりしません。

実際に観察してこその面白さなので、貴重な場面で曇られてしまったのは惜しかった…。今日も雲が厚くてダメそうです。一日違いですが、次回・2020年8月に期待するとしましょう。