トモエゴゼンが超新星候補発見、静岡の西村さんも突発天体発見2019/04/10

20190409_AT2019cxx
星仲間の(の)さんからの情報で、今月初めに突発天体を発見した静岡県の西村栄男さんが9日明け方にまたしても天体を発見したとのこと。更には、東京大学木曽観測所の「Tomo-e Gozen」が5日夜に超新星候補「AT2019cxx」を見つけたらしいとの情報も舞い込んできました。(※数日経ってからの報告だったようです。)

西村さんの天体はへびつかい座にあって13等台ですから明け方に撮影可能ですが、昨夕からもう薄雲が広がりだし、天気が持ちそうにありません。いっぽう「AT2019cxx」のほうは発見光度18.69等。メチャメチャ暗いです。私の機材では最良の夜空でも最微光星が18.5等くらいですから限界以下なのですが、場所はしし座銀河トリプレットのすぐ近くでした。宵のうちまだ星が見えていたので、ダメ元で2時間ほど露出をしてみました(左上画像)。該当の星は増光しているようで、簡単な測定では16.5等と出ました。ただし3分×40枚コンポジットの9割は雲越しだったため、十分な精度ではありません。(※一応18等台前半の恒星は確認できます。)なおこの写野を赤経方向の東(左)にわずか2分角あまり動かすだけで、トリプレットのひとつであるNGC3628が見えます。35mmフルサイズカメラなら余裕で一緒に撮れるでしょう。

「Tomo-e Gozen」とは木曽観測所にある105cmシュミット望遠鏡+広視野CMOSカメラによる広域&高頻度可視光サーベイのことで、私たちに手が届く35mmフルサイズCMOSを84枚も組み合わせた巨大センサーを有しています。このセンサー組み込みが4分の3しか完了してない状態で、3月16日に直径約8mの地球接近小惑星「2019 FA」を発見したばかりでした(→参考ニュース)。今回は超新星候補の発見と言うことで、立て続けの快挙になります。

AIまで組み込まれ、めざましい進化を遂げつつあるプロの新天体捜索ハード&ソフトですが、そんな時代でも日本のアマチュア観測家の努力による発見がいまだに続いているのは、世界に誇れる素晴らしいこと。結局夜半過ぎには完全に曇ってしまったので、西村さんの天体はまた後日撮影したいと思います。