ネッシーを見た!2024/04/17

20240416プトレマイオスのネッシー
ネス湖に住むネッシーは私が小学校の頃からしばしば話題になりました。“それっぽい写真”が撮られているものの、実際に首長竜がいた証拠は現在までありません。でも身近に隠された謎ってロマンがありますね。湖があるところでは、クッシーだのイッシーだのトッシーだのヒッシーだの、類似の目撃談も登場します。フェイクニュースと一蹴するより、楽しむこともひとつの方向かと。

月面のプトレマイオス・クレーターにネッシーのような影が見えるという話がLPODに載っています。以前から見てみたいと思っていましたが、主に天候や視界的理由でなかなかチャンスがありませんでした。今年2月になって「月世界への招待」サイトの東田さんが見事なネッシー画像を撮影日記に掲載されておりました。

計算上は昨夜(16日夜)にも見える予想でしたが、今回も天気が下り坂。更には昼から吹いていた強風が夜も止まず、薄雲越しに月が見えるものの観察を躊躇する天気でした。でもダメ元で思い切って望遠鏡を向けてみることに。結果、雲越しながらも辛うじてそれらしい様子を捉えることができました(左画像/16日22:15ごろ撮影)。

左画像の黄色丸のところを時計回りに90°回転させると、かま首のような雰囲気の影が見えます。本来はプトレマイオス東側にある山の影が細長い楕円状にのびているのですが、影のところにアンモニウス(アンモニオス)という小さなクレーターがあり、一部に光が当たり始めているのです。これを遠目に見ると、影の一部がくびれて恐竜の上半身に見える、というわけです。

LPODに掲載された“ネッシー画像”はシャープネスの低いぼけた画像でした。ネッシーのように見立てるには、左画像のように大きな望遠鏡で高解像度写真を撮ってはダメなようです。敢えて小さな望遠鏡、ピクセル数の少ないカメラで撮ることこそ本物(?)らしく見えるコツ。この理屈はネス湖のネッシーでも言えることで、「首長竜かどうか分からない」写真が「本物かも知れない」という想像をかき立てます。面白い人間心理ですね。

天文学風に言えばアンダーサンプリングです。そこで、今回撮影した画像をいったん超低解像度にして、再度表示解像度に戻して比べてみました。(※これは結果的にぼけていますが、いわゆるガウスぼかしなどのフィルター操作とは根本的に考え方が異なります。)下画像の上の段はダイレクトなリサイズ、下の段は超低解像度経由のリサイズ。この画像は90°回転済みです。左から右へいくほど時間が経過して、月面における太陽高度が高くなります。(画像に書いてあるのはアンモニウスにおける太陽高度。)左を向いた怪獣のシルエットらしいのは2.3°前後でしょうか。2.4°を過ぎるとアゴの食い込みが深くなり、首が細くなって頭も小さくなります。日本版の古い時代のゴジラなら通じるかな?どちらかと言うとタツノオトシゴっぽい?

とにかく風で像がブレ過ぎ、また雲も多過ぎて満足とは程遠い観察でしたが、恐竜or怪獣のような姿を楽しむことができました。次回は6月14日22時前、8月12日20時前、10月10日19時半前…と続きます。

20240416プトレマイオスのネッシー


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