思いがけず三日月が見えました2021/05/15

20210515宵空
15日は記録的な早さで四国、中国地方以西が梅雨入りし、関東の天気も芳しくありませんでした。朝のうち盛大に内暈が出現。その後は日差しが弱まり、夕方近くまで比較的厚めの雲が空を覆っていました。

「たしか今夜は三日月か…無理かなぁ…」などと思いながら日没後にベランダへ出ると、なんと、かなり雲が引いているではありませんか(左画像)。前日の宵は薄雲越しに二日月が確認できたものの、撮影は全くできない有様。それから比べれば雲泥の差でした。急いで簡単ながら機材を組みました。

まだ明るいうちに何カットか保険撮影。その後、30分ほど経って暗くなってからも雲に十分な隙間があったので、再度撮影。無事、5月の三日月を記録することができました(下A・B画像/B画像は地球照込で仕上げました)。気流が落ち着いていたせいか、カメラファインダー越しでもたくさんのクレーターが観察できました。

三日月の左上、10°弱離れて火星が輝いていました(下C画像)。と言っても火星は四捨五入で2等星まで減光してしまったため、あまり目立ちません。月背後にあるふたご座の星のひとつかな?って思っちゃうほど地味でした。でもC画像内では月に次いで二番目に明るい星ですよ。16日宵には2°余りまで接近しますが、少なくとも関東の天気は雨予報…。冒頭画像のアングル内には他にも水星と金星がいたはずですが、雲が邪魔で全く見えませんでした。

夢中で月を観察していた同じ時間帯に、コアモジュール「天和」と国際宇宙ステーションの通過が立て続けにありました。カメラを向け直すのも面倒なので撮影はしませんでした。天和のほうは雲でよく分かりませんでしたが、さすがにISSは雲越しでも明るく輝いていました。思いがけず、宵空のプレゼントにほっこり。

  • 20210515夕空の月

    A.5月15日宵の月(月齢3.65)
  • 20210515夕空の月

    B.三日月と地球照
  • 20210515_月と火星の接近

    C.月と火星


今季初の宵の明星を確認2021/04/26

20210426日没10分後の西空
今日は一日抜けるような青空でした。夕方もあまり霞んでなかったので、ひよっとしたら宵の明星が見えるかも知れないと準備しました。

日没前にベランダから見ると、ちょうど遠くに見えるマンションに太陽が隠れるのが分かりました。外合を終えた金星は太陽からあまり離れずにいますから、日没位置さえわかればその近辺にいるはず。左画像は日没10分あまり経った空。まだ明るいですが、果たして金星は見つかるかな?


20210426金星と水星
小型双眼鏡で探すこと1分、マンションのすぐ上にきらめく金星を発見!今季最初の宵の明星となりました。左上画像の緑矩形を拡大撮影したのが右画像。撮影時の金星-太陽間離角は約8.0°。おまけになんと、最初から諦めていた水星も一緒に見えました。金星と水星はまさに今日1°あまりまで最接近しており、ラッキーが重なりました。

少し時間を遡ると、太陽観測衛星SOHOのLASCO-C3カメラには昨日まで金星と水星が写っていました(左下画像)。今日の同衛星画像ではもう左側(東側)へ水星も金星も出ていきかけています。今後は太陽から次第に離れ、少しは探しやすくなるでしょう。

20210425SOHO-LASCO-C3
ただし今季の宵の明星は「はずれ」です。というのも、日本ではあまり高くならないまま内合まで過ぎてしまうんです。私のように高い空で明星を楽しみたい方も多いでしょうが、毎回必ず高くなるとは限りません。来年2022年1月9日の内合まで、薄暮終了を待たずに沈んでしまうような高度です。そういう意味ではハズレ年なのですが、低空とは言え腐っても鯛ならぬ、金星。地上の景色に美しい輝きを添えてくれるでしょう。

【追記】
参考までに、前季の宵の明星と今季の宵の明星とで、日没瞬時の位置変化を描くと下A・B図のようになります。こんなに高さが違うんです。(ただし同じ日本でも観察地の緯度によって多少の違いがありますからご注意。)金星の内合・外合には8年周期の5パターンが存在します(→2020年6月5日記事や、国立天文台・暦Wiki「日面経過」の後半を参照)。これに応じて宵の明星の位置変化も8年周期・5パターンが生まれるのです。下C・D図はA・B図の8年前を描いたもの。移動がほとんど同じだと分かるでしょう。

  • 宵の明星位置変化(2019年8月〜2020年6月)

    A.宵の明星位置
    (2019年8月〜2020年6月)
  • 宵の明星位置変化(2021年4月〜2022年1月)

    B.宵の明星位置
    (2021年4月〜2022年1月)
  • 宵の明星位置変化(2011年8月〜2012年6月)

    C.Aの8年前
    (2011年8月〜2012年6月)
  • 宵の明星位置変化(2013年4月〜2014年1月)

    D.Bの8年前
    (2013年4月〜2014年1月)


国際宇宙ステーションが木星に超接近2021/04/24

20210424木星と国際宇宙ステーションの超接近
昨夕に星出彰彦宇宙飛行士が国際宇宙ステーションへ向けて無事飛び立ちました。このナイスタイミングで関東では3日連続して明け方にISSの姿を見ることができることは、少し前から知っていました。ただ詳しく経路を調べていませんでしたので、昨日の明け方に土星と接近することを知り、慌てて撮影したほどの体たらく…。

昨夜になって、「24日朝は確か低かったから、見るのはやめようかな、どうしようかな」などと呑気に予報サイトを開けてみたら、なんと木星に大接近するではありませんか!自作プログラムで最小位置を詳しく計算したら、通常TLEで3:28:25.4に5.135′角、CelesTrakのSupplemental-TLEだと3:28:26.0に6.280′角。なんと前日朝の土星離角の6分の1だって!?昨年暮れの木星土星超接近並じゃないですか。さすがに驚きました。

…で、早速撮影準備に取り掛かるのですが、ひとつ大問題が。せっかくなので木星もISSも大きさが分かるように撮りたいけれど、木星はともかく、低空のISSは暗いのです。しかも高速移動する!画像としてピタッと止めるには1/1000秒以下の高速シャッターにしなければいけません。ですが、これは木星ですら写らないほど短い露出ですね。いくらセンサー感度を上げても光学系が暗いですからすぐ限界が来てしまうのです。うまく考えがまとまらないまま、時間が過ぎてゆきます。

20210424木星と国際宇宙ステーションの超接近
夜半すぎまで雲が多く何度も諦めかけましたが、望遠鏡を組み立て終わるころ低空の土星が見えたので、俄然やる気が出てきました。ひとまず事前に雲間からいくつかの星を撮影してみて感触を掴んでいきました。そうして撮影したのが左上画像。画像上を天の北方向にしてあります。ISSは通常の撮影設定では困難だったため、ビニング2にして後で倍にしました。また木星とガリレオ衛星も単発では見るに耐えないため、前後に少し条件を変えた撮像をコンポジットしてあります。従ってそれぞれの天体光度は比較できません。どこに何が写ってるかは右画像をどうぞ。

20210424国際宇宙ステーション
ISSは一応大きさを持って写ってますが構造が分かるほど鮮明ではありません。やはり暗すぎました。左画像は写っているISS像のみを強調コンポジットしたもの(原寸大)。朧気ながらトンボ型の形状が読み取れます。木星の3分の1くらいですから、もうちょっと南側で観測したら「木星面通過」が見えたことでしょう。(※追記:計算したら、我が家から約12km南側で木星面通過が見えた結果になりました。)ISS像が等間隔でないのは、撮像用PCが古くて転送・取り込み速度が安定しないためです。試しに画像から離角を逆算したところ、約6.055′角と出ました。今回も通常TLEよりSupplemental-TLEのほうが現実に近い値ですね。ともあれツーショットを得られて良かった…。と同時に反省点もたくさん。次回に活かしたいと思います。

明日25日朝は関東圏で天頂通過の予報です。天気が心配だけれど、晴れたら日本人宇宙飛行士が二人搭乗しているISSにエールを送りましょう。

今日の太陽2021/04/23

20210423太陽
昨日は午後から雲が多くなって太陽観察できず。夜も夜半すぎまで足早の雲や風が残りました。今日は朝からよく晴れています。

20210423太陽リム
左は13:10頃の太陽。中央子午線を過ぎた活動領域12816とこれから中央にやってくる12818は小さいながらしっかりした黒点が見えます。右上リムには12817が明るく光っていますね。ここでは4月22日UTの24時間で10回ものCクラスフレアが発生、そのうち20:02UT(23日5:02JST)のものはC8.5クラスという強烈なものでした。

プロミネンスやダークフィラメントも負けていません。左下は相変わらずすごい状態です。息が長いですね。

20210423-0142_lasco-c3
太陽観測衛星SOHOのLASCO-C3画像を右に引用します。太陽はうお座からおひつじ座へ移りました。あと2日でこの写野から出てゆく金星と水星。直ぐ側には天王星も確認できました。3惑星はわずか3°未満という離角内にあり、明日は2°未満まで接近しますよ。C3カメラでは平均的に4等から5等が限界と思っていましたが、部分的には7等クラスの恒星も確認できます。