明け方に月とアルデバランが大接近2017/10/10

20171010月とアルデバランの接近
日付が今日10日に変わる前から東に登った月のすぐ側に、おうし座の1等星アルデバランが輝いていました。数時間後に月がアルデバランを隠すグレージングや掩蔽が起こったのですが、当地・茨城は現象が見えない地域です。それでも接近する様子は楽しめるので、機材を準備して待ちました。

ところが夜半頃に西から覆い始めた雲はあっと言う間に空全体を飲み込みました。かなり分厚く、月がどこなのかも分かりません。諦めきれずに30分おきくらいに天気を確認したところ、3時を過ぎた頃から雲の薄いところを通して月が見えるようになりました。

苦労して雲にタイミングを合わせつつ、何十枚か撮影した中で比較的まともな写りのショットが左画像。月の南北を上下方向にしていますが、南端の下側にアルデバランが見えますね。これは既に最接近から20分ほど経ってしまってますが、それでも月縁とアルデバランとの離角は1′角程度です。すごく近いですねぇ!

20171010月とヒアデス星団
呆れたことに、機材を片付け終わってから急速に快晴になりました(笑)もう薄明が始まってしまいましたが、ヒアデス星団の中の月を撮りたくて、たまたま置いてあった小型機材で撮影(右画像)。これは月のカブリを除去するため、段階露光によるコンポジットをしています。

グレージングや掩蔽観測をした方はいらっしゃるでしょうか?観測情報をぜひお聞かせください。

天気下り坂の満月に暈2017/10/05

20171005夜の月暈
今日の夕空は一面のうろこ雲に覆われていました。外出中でカメラも持ってなかったため、画像に収められず残念な思いです。宵の時点で九州・四国・中国地方が雨模様でした。

21時台には隣家の屋根から姿を現した満月直前の月に暈がかかっていました。もう少し高くなったら撮ろうと待つ間に雲が厚くなってしまったようです。左は22時過ぎの様子。内暈が辛うじて見えていますね。月はぼんやりして、存在が分かるのみでした。茨城は明日金曜午後から明後日にかけて雨の予報。中秋の満月夜は楽しめそうにありません。

2017年の「中秋の名月」です2017/10/04

20171004日没直前
今日は2017年の中秋の名月。10月に名月がずれ込むのは2009年以来のこと。次回、10月に名月となるのは2020年となります。なお今夜は満月ではありません。直近の満月は明後日6日明け方です。

夕方に青空が8割ほど広がっていたので、今夜は名月が見えるかと期待。左のようにベランダから夕日を見送ったあと、すぐに近くの見晴らしよい場所へ徒歩移動することにしました。ところが移動中にもう雲が広がり始めました。家を出てからロケーションを決めてカメラを準備するまでのわずか20分の間に、西にあった雲が東の名月近くまで来ています。

20171004名月
慌てて何枚も撮影。ものの5分と経たないうちにすっかり雲に隠れてしまいました。それでも、わずかな時間に薄暮を照らし出す月を堪能できました。パキッと晴れ渡った夕空の名月も素敵ですが、雲が少しかかった朧気な月もまた素晴らしい。

3月上旬と10月上旬は、日没から真っ暗になるまでのスピードが年間で最も速くなります。(→参考記事・グラフD参照。)これはどなたでも体感できるほどハッキリした差です。遊び足りないこどもたちには悲しい季節でしょうが、名月を待つ人はさぞ嬉しいことでしょう。

(夜中追記)月が高くなったら拡大撮影しようと思っていたのですが、夕方見たっきりずっと雲に覆われてしまいました。

日付が5日になった頃に少しだけ雲が斑になって、隙間から月がチラホラ。まるで文部省唱歌の『つき』のようです。また出た、月がぁ…。ということで、すかさず撮影しました(下左画像)。薄雲が通過していますが、20枚コンポジットして均しています。まだ満月前と言うことで、左側が欠けていますね。月面A付近はすっかり明るくなっていますが、「東の海(オリエンタレ盆地)」に日が差すのはもう少し後のようです。このときの月周囲は下右画像の通り。雲によって光環ができていました。

そう言えば前出『つき』の二番は「隠れた 雲に 黒い黒い まっ黒い 墨のような 雲に」です。今夜見上げた名月を隠す雲が初めて見るような茶色みを帯びた奇妙な色をしていました。習字の墨と言うよりも、セピア、つまりイカ墨に近い色で、不思議な感動を覚えました。

  • 20171005名月
  • 20171005名月


参考:
アーカイブ:伝統的七夕・中秋の名月の一覧


10月10日明け方にアルデバランのグレージングがあります2017/09/28

2015年頃から始まった月とアルデバランの接近や掩蔽。それもいよいよ今年2017年末にはほぼ終盤を迎えます。その集大成とも言える「アルデバラン・グレージング」が、来る10月10日明け方に起こるのでご紹介しましょう。

月が恒星を何十分も隠す「掩蔽」に対し、月の縁が恒星をかすめる様に隠す「グレージング」は、別名「接食」あるいは「接食掩蔽」と呼ばれます。月の縁はお皿のようにツルッとしていませんので、遠くの恒星の光は縁の凸凹に応じて短時間の間に見え隠れすることになります。
20171010アルデバラン・グレージング
長くても数分で終わる現象ですが、何度も明滅をくり返す様子はとても面白いもの。位置をちょっとずつ変えた数人のグループで観測すれば、明滅の時間差から月縁の地形が読み取れるのです。まさに同好会や学校の天文クラブ向けとして最適な現象と言えるでしょう。

しかしながらグレージングが見える範囲は皆既日食並みの狭い範囲。自宅から近い場所・観測しやすい月高度・明るい恒星・晴れ間が期待できる季節…といった条件良いグレージングは滅多に起きません。ハッキリ言って、私は皆既日食並みに貴重だと思っています。少しでも好条件であれば多少遠くても出かけて観測したいところ。

今回起きるのはおうし座の1等星アルデバラン。観察できる場所は下のGoogleMapに掲載したかなりの長距離。月高度は70°近くあって、天候さえ良ければ驚くほどの好条件と言えましょう。月に掩蔽される可能性がある四つの1等星(アンタレス、スピカ、レグルス、アルデバラン)のなかで、最も天の北側に位置するのがアルデバランなのです。

左上はStellariumによる現象直前の様子。ヒアデス星団にドップリ浸かった月が、アルデバランに接近しています。このあと月の南側の縁にアルデバランが接します。現象ラインより南側では全く隠れないけれど極めて近い「大接近」、また北側ではしっかり隠される「掩蔽」を見ることができます。どちらも貴重ですから、現象ラインに行けない方でもぜひ空を仰いでください。(※掩蔽エリアにある各県庁所在地などでの現象時刻も地図上に描いてあります。)

本州を横断するラインに沿って0ラインを中心に-4kmラインから+3kmラインまで1kmごとに描きました。各線は下に示す月縁図の同色線に対応します。ご覧になりたい東経に近い月縁図をお使いください。以下に東経137度の一例を示します。なお月縁はあくまで計算上のものです。予期しない凸凹があるかも知れません。過度に信用しないようにしましょう。

(例)富山市や金沢市の南付近で観測→東経137度の月縁図を使用
  • 月縁図はクリーム色のところが月で、地形の凹凸が強調された図です。横軸は現象時刻に対する恒星位置の相対時間(分)、縦軸は赤ラインに垂直な相対距離(km)です。
  • 恒星は時間と共に左から右へ移動します。例えば赤ライン上で観察すると3つの山を横切りますから、3回の明滅が期待できます。予報中心時刻の10分前には観測を開始しましょう。
  • 赤ラインから北に1km離れたところ(赤ラインに一番近い緑ライン)では、更に複雑な明滅が期待できます。
  • 赤ラインから南に3km離れたところ(赤ラインから一番遠い青ライン)では全く隠れません。
  • 複数人で観察できるなら、南北に500m程度ずつ離して一列に布陣すると良いでしょう。後で結果を持ち寄り、この図の上に明滅を書き込んでみると実際の地形が浮かんできます。
  • 動画撮影がお勧めですが、必ず時刻が特定できる時報やインサートタイマーなどと共に録画しましょう。眼視観測の場合でも「ハイ、潜入」「ハイ、出現」等のかけ声と共に時報を同時録音すると立派な観測になります。
  • 道路上や熊が出そうなところなど安全が確保できない場所での観察は避けましょう。


月とアルデバランの位置関係
来年以降、月はアルデバランから段々遠いところを通過するようになり、2024年頃には近いときでも10°以上北側に離れてしまいます。右図は月がアルデバランと南北並びに接近した瞬時(1ヶ月弱周期)の地心離角を計算したグラフ。南北接近は最接近とは異なりますが、ほぼ最接近と見なせます。南北離角は毎回同じではなく、長いサイクルと短いサイクルの組み合わせになっていますね。再び両天体が近くに見えるのは2033年頃からの3年間。もう当ブログはこの世に無く、観察者はすっかり次の世代に入れ替わっているでしょう。

つまりは、これほどの貴重なチャンスと言うことなのです。でも当日のお天気ばかりはどうしようもありません。今回の現象ラインは山岳地が多いので、天気の変化にご注意ください。観測してみたいという全ての方が星天に恵まれ、良い結果を残せますよう願っています。

2017/10/10グレージング・経度に応じた月縁図

  • 20171010-東経129度月縁profile

    東経129度
  • 20171010-東経133度月縁profile

    東経133度
  • 20171010-東経136度月縁profile

    東経136度
  • 20171010-東経137度月縁profile

    東経137度


  • 20171010-東経138度月縁profile

    東経138度
  • 20171010-東経139度月縁profile

    東経139度
  • 20171010-東経140度月縁profile

    東経140度
  • 20171010-東経141度月縁profile

    東経141度


2017/10/10グレージング予報マップ(恒星:アルデバラン、光度0.9等、月齢:19.5)