「水金月(地)火木土」の貴重な瞬間をお見逃しなく! ― 2022/06/01
明け方の空に可視惑星が勢揃いしつつあります。2022年5月25日記事にちょっとだけ書きましたが、今月24日から26日の三日間は月も加わり、太陽から近い順に「水金月火木土」の順になるのです。夜空に輝けない地球の代役を月が務めてくれると考えれば、「水金地火木土」という太陽系の惑星配列を、図鑑の中ではなく実物の星空で体験できるまたとないチャンス。
左図はStellariumによる2022年6月25日明け方のシミュレーション。見事としか言いようのない光景ですね。厳密な測心計算(日本経緯度原点)では6月23日も縦並びに見える月と火星とで月のほうが僅かに太陽に近いため、6月23日まで期間に入れても大丈夫。
どういった状況か黄道面を俯瞰してみましょう。右下図はステラナビゲータによる6月25日の太陽系惑星軌道図で、黄道面を北側から見下ろしてます。淡く見える黄色線の目盛りが黄道座標の経緯線。月を除く水星から土星までの惑星位置や軌道、そして太陽が描かれています。
地球と太陽を貫く青線は、いわば昼夜の境界です。もっと簡単に言えば日の出時の地平面(と黄道面が交わる線)とみなすことができます。(※もちろん実際は大きさを持つ3次元空間の天体だからそう簡単でもないんですが、ここまで縮小した図では地心・測心のズレを言っても無意味でしょう。)そして青線を基準に各天体が黄道面に沿ってどれだけ離れているかを角度で表したものが「黄経差」という量。ざっくり言うなら、黄経差を比べることで空の月惑星がどんな配列か分かるわけです。
地球に立ったつもりで、太陽から右回りに見ていってください。この動作は「実際の空で、太陽から黄道に沿って右(西)へ目線を移す」ことに他なりません。最初に出会うのは水星ですね。各惑星を差す黄色矢印は「その惑星方向を見る」ことですから、「黄色矢印と太陽方向とのなす角が黄経差」です(※黄緯のずれは無視)。
6月24日から26日にかけて、ここに描かれていない月も含め、惑星配列順通りに黄経差が大きくなります。後述しますが、こんなことは滅多に起きません。ひと目見ておいて損はない現象と言えましょう。
かなり似た状況が2016年2月5日前後にも起きました。月を含め水星から土星まで夜明けの空を飾ったのですが、惜しむらくは「水金月土火木」だったこと。このときのStellariumシミュレーションとステラナビゲータの惑星軌道図を下A・B図に示しました。前述同様に青線から右回りに見てゆくと、火星より先に土星へ向かう矢印に出会ってしまいますね。これが敗因(?)でした。
どれくらいの頻度で起こることなのか、自作プログラムで1700年から2300年まで計算してみました(記事末表)。測心位置を日本経緯度原点、測心観察時刻を「市民薄明(明け方の場合)」または「市民薄暮(宵の場合)」としたとき、地心黄経差順に「水金月火木土」になる日を算出したもの。測心位置・所定日時に同時に見えるケース(全天体高度がプラス)のみをピックアップしました。各惑星欄の上側は地心太陽黄経差、下側は測心高度。なお黄経は東(左)がプラスのため、プラス数値は太陽の東側に天体が並び(宵に見える)、マイナス数値は西側に天体が並ぶ(明け方に見える)ことを意味します。指定測心位置以外の一部地域では水星が低すぎて見えないといったケースも含まれますからご注意。今回のように複数日にまたがって見えることもあるようで、これは専ら金星と火星の間が広いかどうか(=その隙間に月が何日居続けられるか)にかかっているでしょう。
前回は1966年8月に見えたようですが、ご覧になった方はいらっしゃいますか?私は…やっと歩き出した頃ですねぇwww。次回は2060年10月。私は…もう生きてないでしょう。ということで、多くの方にとって一生に一度きりの貴重な現象。晴れて良い空に巡り会えることを祈りましょう。
左図はStellariumによる2022年6月25日明け方のシミュレーション。見事としか言いようのない光景ですね。厳密な測心計算(日本経緯度原点)では6月23日も縦並びに見える月と火星とで月のほうが僅かに太陽に近いため、6月23日まで期間に入れても大丈夫。
どういった状況か黄道面を俯瞰してみましょう。右下図はステラナビゲータによる6月25日の太陽系惑星軌道図で、黄道面を北側から見下ろしてます。淡く見える黄色線の目盛りが黄道座標の経緯線。月を除く水星から土星までの惑星位置や軌道、そして太陽が描かれています。
地球と太陽を貫く青線は、いわば昼夜の境界です。もっと簡単に言えば日の出時の地平面(と黄道面が交わる線)とみなすことができます。(※もちろん実際は大きさを持つ3次元空間の天体だからそう簡単でもないんですが、ここまで縮小した図では地心・測心のズレを言っても無意味でしょう。)そして青線を基準に各天体が黄道面に沿ってどれだけ離れているかを角度で表したものが「黄経差」という量。ざっくり言うなら、黄経差を比べることで空の月惑星がどんな配列か分かるわけです。
地球に立ったつもりで、太陽から右回りに見ていってください。この動作は「実際の空で、太陽から黄道に沿って右(西)へ目線を移す」ことに他なりません。最初に出会うのは水星ですね。各惑星を差す黄色矢印は「その惑星方向を見る」ことですから、「黄色矢印と太陽方向とのなす角が黄経差」です(※黄緯のずれは無視)。
6月24日から26日にかけて、ここに描かれていない月も含め、惑星配列順通りに黄経差が大きくなります。後述しますが、こんなことは滅多に起きません。ひと目見ておいて損はない現象と言えましょう。
かなり似た状況が2016年2月5日前後にも起きました。月を含め水星から土星まで夜明けの空を飾ったのですが、惜しむらくは「水金月土火木」だったこと。このときのStellariumシミュレーションとステラナビゲータの惑星軌道図を下A・B図に示しました。前述同様に青線から右回りに見てゆくと、火星より先に土星へ向かう矢印に出会ってしまいますね。これが敗因(?)でした。
どれくらいの頻度で起こることなのか、自作プログラムで1700年から2300年まで計算してみました(記事末表)。測心位置を日本経緯度原点、測心観察時刻を「市民薄明(明け方の場合)」または「市民薄暮(宵の場合)」としたとき、地心黄経差順に「水金月火木土」になる日を算出したもの。測心位置・所定日時に同時に見えるケース(全天体高度がプラス)のみをピックアップしました。各惑星欄の上側は地心太陽黄経差、下側は測心高度。なお黄経は東(左)がプラスのため、プラス数値は太陽の東側に天体が並び(宵に見える)、マイナス数値は西側に天体が並ぶ(明け方に見える)ことを意味します。指定測心位置以外の一部地域では水星が低すぎて見えないといったケースも含まれますからご注意。今回のように複数日にまたがって見えることもあるようで、これは専ら金星と火星の間が広いかどうか(=その隙間に月が何日居続けられるか)にかかっているでしょう。
前回は1966年8月に見えたようですが、ご覧になった方はいらっしゃいますか?私は…やっと歩き出した頃ですねぇwww。次回は2060年10月。私は…もう生きてないでしょう。ということで、多くの方にとって一生に一度きりの貴重な現象。晴れて良い空に巡り会えることを祈りましょう。
【月惑星が「水金月火木土」に並ぶ日時/1700-2300年】
市民薄明/市民薄暮 JST | 水星 | 金星 | 月 | 火星 | 木星 | 土星 |
---|---|---|---|---|---|---|
1722-06-15 19:27:05 | 13.15° 5.28° | 17.58° 8.19° | 18.19° 7.53° | 41.74° 26.14° | 154.62° 25.40° | 170.35° 14.37° |
1722-06-16 19:27:28 | 14.14° 6.00° | 17.85° 8.33° | 29.20° 16.43° | 41.39° 25.69° | 153.56° 26.01° | 169.32° 15.10° |
1722-06-17 19:27:49 | 15.10° 6.67° | 18.12° 8.47° | 40.11° 24.90° | 41.04° 25.25° | 152.51° 26.60° | 168.29° 15.81° |
1760-11-10 17:04:23 | 14.59° 1.67° | 22.45° 7.42° | 27.73° 9.85° | 39.67° 17.31° | 90.38° 37.14° | 123.70° 32.57° |
1760-11-11 17:03:41 | 15.06° 1.97° | 22.69° 7.62° | 38.49° 15.51° | 39.42° 17.31° | 89.46° 37.29° | 122.67° 33.11° |
1760-12-10 16:56:09 | 15.76° 5.64° | 29.29° 14.83° | 29.71° 13.12° | 32.34° 17.37° | 63.90° 37.97° | 93.35° 46.63° |
1785-07-01 03:57:51 | -17.90° 7.19° | -36.56° 19.24° | -72.19° 48.41° | -75.98° 44.58° | -86.41° 48.57° | -155.46° 24.26° |
1785-07-02 03:58:19 | -17.14° 6.82° | -37.15° 19.84° | -59.15° 41.12° | -76.23° 45.08° | -87.26° 49.18° | -156.48° 23.64° |
1785-07-03 03:58:49 | -16.33° 6.40° | -37.72° 20.43° | -46.25° 32.21° | -76.50° 45.58° | -88.12° 49.79° | -157.50° 23.01° |
市民薄明/市民薄暮 JST | 水星 | 金星 | 月 | 火星 | 木星 | 土星 |
1801-03-19 18:16:20 | 15.88° 10.18° | 46.05° 39.60° | 56.87° 49.67° | 76.97° 68.29° | 116.09° 67.05° | 139.61° 45.56° |
1801-03-20 18:17:10 | 15.02° 9.36° | 46.03° 39.59° | 68.06° 60.72° | 76.52° 67.88° | 115.09° 67.87° | 138.57° 46.55° |
1823-10-30 05:33:22 | -16.41° 10.24° | -26.69° 18.57° | -50.48° 39.86° | -63.38° 54.65° | -114.51° 65.91° | -164.07° 20.56° |
1823-10-31 05:34:17 | -17.19° 11.02° | -27.75° 19.61° | -37.69° 27.68° | -63.82° 54.96° | -115.51° 65.02° | -165.14° 19.50° |
1839-07-15 19:26:02 | 18.57° 6.82° | 45.17° 22.03° | 54.61° 25.54° | 77.42° 35.47° | 78.82° 37.11° | 131.97° 33.69° |
1839-07-16 19:25:31 | 19.32° 7.15° | 45.24° 21.84° | 65.90° 29.46° | 77.02° 35.06° | 77.97° 36.59° | 130.98° 33.88° |
1864-03-05 05:40:05 | -22.81° 4.71° | -34.44° 12.10° | -46.52° 21.26° | -47.51° 17.75° | -107.09° 33.38° | -147.68° 24.16° |
1881-08-19 04:34:55 | -12.53° 6.24° | -42.24° 33.05° | -66.04° 54.06° | -76.42° 62.29° | -90.87° 69.35° | -103.52° 67.53° |
1881-08-20 04:35:46 | -11.60° 5.41° | -42.08° 33.03° | -55.02° 44.11° | -76.77° 62.75° | -91.75° 69.85° | -104.48° 67.49° |
1881-08-21 04:36:36 | -10.63° 4.54° | -41.92° 32.99° | -44.11° 33.91° | -77.11° 63.22° | -92.64° 70.32° | -105.44° 67.41° |
市民薄明/市民薄暮 JST | 水星 | 金星 | 月 | 火星 | 木星 | 土星 |
1901-09-16 18:13:16 | 15.57° 2.05° | 35.90° 11.93° | 39.04° 11.76° | 47.61° 17.08° | 100.86° 30.81° | 107.00° 31.13° |
1921-11-28 06:00:35 | -15.92° 9.00° | -17.59° 10.39° | -20.72° 12.77° | -52.17° 40.83° | -52.50° 41.02° | -59.67° 47.47° |
1926-05-07 04:16:12 | -25.23° 5.38° | -45.31° 17.18° | -67.92° 23.14° | -73.26° 27.72° | -80.83° 30.62° | -172.15° 12.28° |
1926-05-08 04:15:09 | -24.84° 5.26° | -45.21° 17.18° | -54.60° 17.57° | -73.51° 27.92° | -81.68° 30.96° | -173.19° 11.73° |
1966-08-15 04:31:53 | -18.54° 10.87° | -22.42° 15.11° | -23.58° 16.74° | -28.55° 21.04° | -29.59° 21.72° | -142.81° 39.17° |
市民薄明/市民薄暮 JST | 水星 | 金星 | 月 | 火星 | 木星 | 土星 |
2022-06-24 03:56:09 | -21.51° 8.30° | -31.38° 16.00° | -58.70° 33.01° | -70.43° 39.63° | -85.51° 45.37° | -127.33° 39.45° |
2022-06-25 03:56:26 | -21.07° 8.21° | -31.15° 16.02° | -47.43° 27.17° | -70.67° 40.10° | -86.36° 45.97° | -128.31° 39.27° |
2022-06-26 03:56:46 | -20.57° 8.09° | -30.91° 16.03° | -36.33° 20.52° | -70.91° 40.57° | -87.21° 46.56° | -129.30° 39.07° |
2060-10-21 05:27:09 | -7.95° 1.66° | -34.01° 27.27° | -38.63° 31.47° | -56.68° 48.93° | -112.29° 68.38° | -131.21° 51.78° |
2060-11-18 05:52:41 | -11.81° 5.41° | -27.68° 20.25° | -57.43° 46.79° | -68.85° 56.31° | -141.41° 40.82° | -160.93° 22.80° |
2060-11-19 05:53:37 | -11.24° 4.81° | -27.45° 19.98° | -46.53° 36.52° | -69.32° 56.46° | -142.50° 39.76° | -162.02° 21.75° |
2060-11-20 05:54:33 | -10.66° 4.21° | -27.22° 19.70° | -35.72° 26.17° | -69.78° 56.59° | -143.59° 38.69° | -163.10° 20.71° |
市民薄明/市民薄暮 JST | 水星 | 金星 | 月 | 火星 | 木星 | 土星 |
2123-01-18 06:22:18 | -20.85° 8.39° | -42.75° 24.32° | -108.57° 36.63° | -115.20° 44.00° | -115.40° 42.28° | -178.37° 7.25° |
2123-01-19 06:22:00 | -20.50° 7.97° | -42.59° 24.01° | -97.44° 37.36° | -116.03° 43.50° | -116.42° 41.71° | -179.47° 6.50° |
2136-07-31 19:15:24 | 22.68° 4.19° | 23.61° 8.64° | 28.39° 10.90° | 51.59° 22.40° | 79.60° 33.22° | 149.33° 22.63° |
2136-08-01 19:14:26 | 21.89° 3.51° | 23.87° 8.71° | 40.78° 16.50° | 51.24° 22.09° | 78.76° 32.82° | 148.31° 23.01° |
2199-07-20 04:13:55 | -9.10° 2.23° | -32.24° 18.64° | -36.86° 23.07° | -46.26° 32.99° | -141.35° 37.35° | -147.00° 32.78° |
市民薄明/市民薄暮 JST | 水星 | 金星 | 月 | 火星 | 木星 | 土星 |
2277-05-06 19:04:47 | 7.96° 1.65° | 29.01° 21.03° | 29.02° 17.52° | 79.79° 63.21° | 121.76° 57.22° | 161.99° 23.58° |
2277-05-07 19:05:42 | 9.10° 2.74° | 29.25° 21.19° | 40.31° 27.45° | 79.31° 62.60° | 120.76° 57.69° | 160.95° 24.49° |
2277-05-08 19:06:37 | 10.21° 3.80° | 29.48° 21.34° | 51.77° 37.20° | 78.83° 62.00° | 119.77° 58.13° | 159.91° 25.39° |
2277-05-09 19:07:32 | 11.29° 4.83° | 29.72° 21.50° | 63.44° 46.52° | 78.36° 61.39° | 118.78° 58.54° | 158.87° 26.29° |
2277-05-10 19:08:26 | 12.34° 5.82° | 29.95° 21.64° | 75.35° 54.86° | 77.88° 60.78° | 117.80° 58.90° | 157.83° 27.16° |
2277-06-06 19:29:42 | 19.97° 10.34° | 36.09° 23.89° | 46.57° 27.51° | 66.06° 44.40° | 92.55° 54.40° | 130.37° 44.51° |
2277-06-07 19:30:16 | 19.32° 9.59° | 36.30° 23.91° | 58.67° 36.15° | 65.65° 43.82° | 91.66° 53.83° | 129.38° 44.84° |
市民薄明/市民薄暮 JST | 水星 | 金星 | 月 | 火星 | 木星 | 土星 |
- 自作プログラムによる計算です。
- 「見かけ上、太陽に近い」=「地心太陽黄経差の絶対値が小さい」としました。
- 月や内惑星など黄緯のズレを無視できないケースもありますが、いずれにしても何らかの量で太陽基準の配列順を決めなくてはなりません。この記事では地心黄経差による順ということにしました。
- 参考までに書いておきますと、天王星と海王星まで含めた全惑星+月が配列順に同時刻に見えるというケースは上記の範囲で一回もありませんでした。
鮮やかな内暈が出現 ― 2022/06/01
6月が始まりました。5月はブラックムーン(新月が2回あった)だったにも関わらずそれに肖ることもないような天候不順っぷり。今月はどうなるでしょうね?
昨日から雨のち曇りの空が今日も続き、すかっと晴れ渡ることはありませんでしたが、昼過ぎまでは雲の隙間にモヤッとした青空が広がりました。立地の関係から夏場は西側でしか太陽観察ができないため雲間の太陽を期待したのですが、結局観察できませんでした。
左画像は昼にかけてくっきり見えていた内暈。全国各地で見えたようですね。気象光学現象は雷やゲリラ豪雨と同じくらい極端に地域性・局所性のある現象ですから、言葉が同じでも「全国各地で月食が見えた」「流星群が見えた」という状況とは一線を画します。光学的に気象状況が広範囲で似た傾向になった、ということはよくあることではありません。ですから「各地で内暈が目撃された」と聞いてちょっと驚きました。
今日は新月から2日経っており、左上画像撮影時の月・太陽間離角は約18.1°。内暈の半径は22°ですから、月齢1.6の月がこの内暈内にいるはずです。(空が真っ白で見えません…。)
昨日から雨のち曇りの空が今日も続き、すかっと晴れ渡ることはありませんでしたが、昼過ぎまでは雲の隙間にモヤッとした青空が広がりました。立地の関係から夏場は西側でしか太陽観察ができないため雲間の太陽を期待したのですが、結局観察できませんでした。
左画像は昼にかけてくっきり見えていた内暈。全国各地で見えたようですね。気象光学現象は雷やゲリラ豪雨と同じくらい極端に地域性・局所性のある現象ですから、言葉が同じでも「全国各地で月食が見えた」「流星群が見えた」という状況とは一線を画します。光学的に気象状況が広範囲で似た傾向になった、ということはよくあることではありません。ですから「各地で内暈が目撃された」と聞いてちょっと驚きました。
今日は新月から2日経っており、左上画像撮影時の月・太陽間離角は約18.1°。内暈の半径は22°ですから、月齢1.6の月がこの内暈内にいるはずです。(空が真っ白で見えません…。)
今日の太陽 ― 2022/06/02
昨夜は曇のち夜半から快晴に転じ、街中なのにはくちょう座付近の天の川を視認できるほど良くなりました。夜時間が短いことと、観測機器の一部不調により重器材が使えなくなってるため、やむなく諦め。肉眼での星座巡りを楽しみました。今日はあちこちで雲が湧く不安定さながら、何とか午後まで持ちこたえています。風がやや強いですね。
左は13:10頃の太陽。見えている7つの活動領域はほぼ右半球に移りました。中央下のツインは13027、右寄りやや上のプラージュ付近は13026です。右下の太いダークフィラメントを筆頭にあちこちフィラメントが見えますね。また左端やや下リムには巨大なプロミネンスが姿を表していました。一体何が起こるのか!?
今日も各地の気温が高くなりました。15時時点のアメダス速報値によると、夏日地点は559、真夏日地点は57、猛暑日地点は0でした。熱中症にお気をつけて。
【夕方追記】
夕方の太陽は北西方向に湧いた積乱雲や鉄床雲のなかに消えてゆきました。雲自身の影や薄明光線がとても美しい…(下A画像)。このとき雲の上空に細い月が見えていましたが、約30分後にもう一度見にゆくと鉄床の端は上空に達しており、月はすっかり隠されていました。西から南の低空にくっきりした反薄明光線が伸び、空を分割しています(下B画像)。雲からは尾流雲状の雨の筋が伸び、ときおり稲光も見えました。雲底にろうと雲が現れそうな雰囲気で怖かったです。
気象庁の降水ナウキャストを見ると、当地・茨城県南から見て西北西の群馬県東部や埼玉県北部に大雨エリアがあり、すごい勢いで近づいていました。夕立の季節になったんですね。ひんやりした空気にこだまするホトトギスの声が何とも格好良く聞こえました。※群馬県高崎で直径数センチの雹、宮城県仙台でも雹が降ったとのことです。
左は13:10頃の太陽。見えている7つの活動領域はほぼ右半球に移りました。中央下のツインは13027、右寄りやや上のプラージュ付近は13026です。右下の太いダークフィラメントを筆頭にあちこちフィラメントが見えますね。また左端やや下リムには巨大なプロミネンスが姿を表していました。一体何が起こるのか!?
今日も各地の気温が高くなりました。15時時点のアメダス速報値によると、夏日地点は559、真夏日地点は57、猛暑日地点は0でした。熱中症にお気をつけて。
【夕方追記】
夕方の太陽は北西方向に湧いた積乱雲や鉄床雲のなかに消えてゆきました。雲自身の影や薄明光線がとても美しい…(下A画像)。このとき雲の上空に細い月が見えていましたが、約30分後にもう一度見にゆくと鉄床の端は上空に達しており、月はすっかり隠されていました。西から南の低空にくっきりした反薄明光線が伸び、空を分割しています(下B画像)。雲からは尾流雲状の雨の筋が伸び、ときおり稲光も見えました。雲底にろうと雲が現れそうな雰囲気で怖かったです。
気象庁の降水ナウキャストを見ると、当地・茨城県南から見て西北西の群馬県東部や埼玉県北部に大雨エリアがあり、すごい勢いで近づいていました。夕立の季節になったんですね。ひんやりした空気にこだまするホトトギスの声が何とも格好良く聞こえました。※群馬県高崎で直径数センチの雹、宮城県仙台でも雹が降ったとのことです。