一ヶ月ぶりのパンスターズ彗星2022/03/01

20220301_パンスターズ彗星(C/2017 K2)
3月に入ってすぐ一時的に天気が崩れる予報が出ており、昨夕から雲が多くなりました。夜半を過ぎると少し回復。透明度は著しく悪かったですが、一ヶ月ぶりに明け方のパンスターズ彗星(C/2017 K2)を狙ってみました。

現在はへびつかい座北東、ヘルクレス座とわし座との三星座境界近くを真東へ移動しています。計算上は1ヶ月あたり0.5等前後の割合で増光していますが、2月2日の観察と比べてあまり変化がありません。高度が出てきたせいか、写りそのものは良くなっています。北西に向かう尾があるようにも感じましたが、天の川にどっぷり浸かった領域ですから微光星が多く、目の錯覚かもしれません。計算上の尾のPAは約285°です。

春になって天候不順や霞がかった日が増えるでしょうが、今後も時々様子を見るとしましょう。

今日の太陽2022/03/02

20220302太陽
昨日は朝から雲が多くなり、夜も雲量が7割程度あってダメでした。今日明け方近くから少し回復したようで、午前中は晴れが続いてくれました。午後はまた雲が多くなっています。

20220302太陽リム
左は10時頃の太陽。透明度がかなり落ちており、露出を若干長くしなくてはなりませんでした。春特有の空になってきましたね。2月末に左上に見えた黒点群が12958と採番され、現在は12952から12958まで7つの活動領域が見えています。まもなく左上に活発な領域が顔を出すでしょう。

勢いの良いプロミネンスがあちこち見えています。右下の長いダークフィラメントがプロミネンスになりつつありますね。全部光球外に出るまで続いてほしい。

太陽周囲にごく弱い花粉光環が見え始まりました。いよいよオンシーズンです。

今日の太陽2022/03/03

20220303太陽
昨夜から今朝は曇り時々雨、のち曇り。雨量はほんの少しだったけれど、乾ききった空気が少し潤いました。桃の節句を迎えた今日は朝からよく晴れています。花粉が多くなるかと心配でしたが大丈夫でした。

20220303太陽リム
左は10:30前の太陽。活動領域12952・12953が右リムに消え、右上の12954・12955が後を追っています。中央左下の12957は大きな黒点が三ヶ所に増えましたね。全く目立ちませんが赤道をはさんで12957と反対側にある12958で、今日未明の17:39UT(2:39JST)にM2.0クラスのフレアが発生しています。

左端やや下に明るいプラージュ。ここには新たな黒点が現れました。プロミネンスもあちこち見えて楽しい。右下のダークフィラメントもまだ残っていますよ。

オリオン座S星を見てみる2022/03/04

20220303_S Ori
減光中であった脈動変光星(ミラ型)のひとつ、オリオン座S星が今年2月上旬からしばらく「やや増光に転じている」という話を2月下旬に聞き、観察したいとずっと思っていたのですが、こんなときに限って晴れなかったり都合が合わなかったり…。やっと昨夕に望遠鏡を向けることができました。

と言っても、昨夕も度々雲がやってくる天気。しかももう3月ですから、宵時間早めに観察しないと、西側の建物にすぐ隠されてしまいます。私の環境では猶予が1時間程度しかありませんでした。 少し赤緯方向に流れてしまったけれど、撮影してみて周囲の星との比較では10.0等前後。特段明るいほどではなく、予測通りの減光具合。ちなみに左画像の真ん中の赤い星がS星、そのすぐ右下が伴星という二重星みたいです(WDS J05290-0442)。

20220303_S Ori_光度曲線
右はAAVSO観測データによる光度変化グラフ。確かに2月中は約1等程度ばらつきがありますね。2月中に観測できたら良かったのだけど、もはや後の祭り。400日以上の変光周期のなかでこの乱れが何を意味するのか、興味深いです。

撮影後すぐに曇ってしまいました。春は本当に不安定ですなあ…。