今日の太陽と花粉光環2025/03/17

20250317太陽
昨日は雨。春彼岸の入りである今日は朝から回復し、概ね快晴です。午前中から風が強く、午後は10m/s近くに達しました。

20250317太陽リム
左は9:20過ぎの太陽。細かな黒点群がわんさかあります。活動領域は合計16ヶ所。採番されてないところもあります。プラージュが蝶型図みたいになっているのも面白いですね。右上リムなど繊細なプロミネンスもあちこち見えました。

20250317花粉光環
当然のように花粉光環が見えていました。左画像は物干し竿で太陽を隠しています。三重目の赤リングまで辿れますね。

奇跡的に見えたスノームーン2025/02/13

20250212_18006月
昨日は午後から天気が悪化する予報だったのに、夕方の時点ではほぼ快晴でした。少し風が残り、西から雨雲が近づいているものの、なんとか満月までは持つかも知れない。そう踏んで準備だけしておきました。

満月瞬時は12日22:53:24ごろ。薄雲が流れていたけれど何とか快晴。月も南中を迎えつつあり、とてもありがたいタイミング。晴れが持っている30分前にも保険で撮影しておき、満月瞬時にも本番撮影。12日23:01頃の撮影で、太陽黄経差は約180.06°、撮影高度は約66.16°、月齢は14.06。(※瞬時の少し前から撮影開始してますが、モザイクなので中間時刻を書いています。)像は30分前のほうが良く、明らかに上空が悪化しているようでした。どちらにしてもひと晩前よりかなり酷いので五十歩百歩です。撮影中からたびたび薄雲が横切り、飛行機雲も消えません。撮影の2時間後には雨がぱらつきました。本当に間一髪のスノームーン・ハントでした。

今回の満月は南側が欠けてますね。前夜は素晴らしい眺めだったバイイが全部照らされて、周囲に溶け込んでしまいました。北東リムのフンボルト海が見え出したから、秤動の変化が分かりやすい。縁の海やスミス海はまだ見やすい感じ。反対のオリエンタレ盆地付近はまだ兆しも感じられず…。この辺が楽しめるのは夏前ごろからでしょうか。8月や10月の満月前は盆地の外輪山と日照のタイミングがバッチリなのでお勧めです。

早朝に起きて西空を見ると、煌々と街を照らしていた月が西に低くなっていて、薄明と共に現れたビーナスベルトにちょこんと乗ったまま沈もうとしていました(下A画像)。運良く薄明光線が見えており、集中線のような光線の集合場所が太陽と正反対と分かるので、満月位置との比較ができますね(→2024年9月18日記事参照)。ビーナスベルト上部に接していると言うことは、もう地球影から外れて東に移動してると言うことです。

今年の地球影と満月期の位置関係を下B図に掲載しておきます。これを見ると、A画像の月は地球影の北側(画像右上方向)を経て東側へ抜けたわけですね。また3月と9月の満月は月食になることも分かるでしょう。どちらも皆既月食ですが、3月の満月瞬時は昼間ですから残念ながら日本では月食が見えません。いっぽう9月は全過程が見え、しかも最後は半影食のままビーナスベルト内に沈んでゆくオマケ付き。超低空ですが、ぜひ月没の瞬間までたっぷりお楽しみください。

  • 20250213ビーナスベルトに月没

    A.13日明け方のビーナスベルトと満月
  • 2025年・地球影と満月位置

    B.2025年・地球影と満月期の位置関係


20250212月を横切る飛行機
【おまけ】
撮影中に飛行機が横切りました。画面を見ていてビックリ…。成田や羽田が比較的近いため、こういうことはしょっちゅうです。


火星が地球に最接近2025/01/12

20250112火星
昨夜は宵から穏やかに晴れ、ここ数日間悩みの種だった強風も弱まりました。天気は下っていますが夜半までは大丈夫。ということで金星、土星、火星に望遠鏡を向けました。

まず夜半過ぎの火星からご紹介。左画像は12日になって30分ほどすぎた頃に撮影したもの。実は本日が火星の地球最接近日(瞬時は22:32ごろ)ということで、夜の天気は確実にダメそうなので22時間前に撮った次第。「冬にしては良いシーイング」という言葉で形容しきれないほど良く見えました。撮影高度が78°超えだったことも一役買っていたのでしょう。接近日に合わせて良い空に恵まれるのは本当に嬉しい。視直径わずか14.58秒角ながら、キンメリア人の海やエリシウム山、姿を現しつつある大シルチス、大地を覆う薄い雲などが見えます。

今回の接近は数ある地球接近の中では遠い「小接近」になります。なんか「四天王の中では最弱」みたいな言い方だ…。次回2027年2月20日の接近が近年で最も遠く、地球接近の折り返し点です。約10年後の2035年9月11日が次の「大接近」になります。なお火星の衝は16日。しばらくは明るくて見易い状態を保つでしょう。

    【2025年1月16日・衝付近の火星メモ】
  • 黄経衝の瞬時:16日 11:38:35 JST
  • 赤経衝の瞬時:17日 1:53:23 JST
  • 地球最接近:12日 22:32:16 JST、0.642277 AU
  • 位相角最小の瞬時:16日 11:00:32 JST、2.5918°


下A・B画像は11日宵に撮影した金星と土星。かなり悪シーイングでした。金星は10日の東方最大離角時に撮影したかったけれど、晴れているのに暴風で諦めました。まあ一日違いなので半月状態は保たれていますね。土星撮影開始時はまだシーイングが悪かったものの、どうしたことか急速に改善。時々乱れつつも全体的に良像を結んでくれました。わずかにカッシニの間隙も見えます。撮影時の環の傾斜は約3.84°で、着々と薄くなってますね。

火星撮影を終えて10分もしないうちに月が朧になってきました。南西から薄雲がやって来るのが見えます。1時間も過ぎると明瞭な月暈が見え出しました。下C画像は2:30ごろベランダから見た様子。幻月や環天頂アークを期待したけれど氷粒が揃ってなかったようですね。火星は逆行しているので、冬の超大三角のシリウス・プロキオンのラインよりもかなり内側に入ってしまいました。1月17日にはカストル・ポルックスのライン上に火星が並び、今期二回目のみつご座を迎えます(→2024年11月2日記事参照)。

  • 20250111金星

    A.1月11日宵の金星
  • 20250111土星

    B.1月11日宵の土星
  • 20250112月暈と星々

    C.1月12日未明の月暈


今日の太陽とハロ現象2025/01/05

20250105太陽
二十四節気の「小寒」を迎えました。明後日は五節句の「人日」を迎えます。七草粥の日ですね。近ごろの温暖化で七草の植生もだいぶ変わってしまったのでは無いかと心配です。みなさんの周りではいかがですか?

20250105太陽リム
左は10:50ごろの太陽。活動領域は15ヶ所もあるけれど、相変わらず細かな黒点ばかり。ただ、フレアが活発のようで、3日20:39JSTにX1.21クラス、4日7:41JSTにX1.14クラス、4日21:48JSTにX1.85クラスと、立て続けに強いフレアが起こっています。今日は右上リムのはっきりしたプロミネンスのほか、左上にも淡いけれど大きなプロミネンスが見えています。

昼ごろから薄雲が多くなり、夕方にかけて内暈や幻日、環天頂アークなどがたくさん見えました。

  • 20250105内暈・幻日・タンジェントアーク

    A.内暈・幻日・上部タンジェントアーク
  • 20250105環天頂アーク・上部ラテラルアーク

    B.環天頂アーク・上部ラテラルアーク