矮小銀河、見えぬけれどもあるんだよ2019/04/25

アンドロメダ銀河と伴銀河
春と秋は遠くの銀河が楽しめるシーズン。ひとくちに銀河と言っても色々な種類があります。形や規模でグループを作ったり、相互距離や位置関係で分けてみたり、成長過程や宇宙構造で考えてみたり…。分類の切り口も様々。

アンドロメダ銀河(M31/左画像)など明るい銀河を撮影し、少し明るめに仕上げると、意外なほど外周部に広がりがあることに気付くでしょう。大規模な銀河は数千億以上と言われる桁数の星で構成されると言われますが、もちろん誰かが数えたわけではないので、本当はもっと多いのかも知れません。

ところで、ひとつの銀河はそれのみで存在しているわけではなく、内部や周囲に幾つもの構造体や他の銀河を伴った大家族であることが知られています。例えばM31を写すと必ず一緒に写ってしまうM32やNGC205などがそうです。主たる銀河に対して「伴銀河」などと呼ばれ、また星数が少なく小規模な伴銀河の場合は「矮小銀河」(dwarf galaxy)にも分類されるでしょう。矮小銀河の他にも、球状星団や暗黒物質など、銀河を取り巻く構造はかなり多様になっているようです。

見栄えの良い銀河は天文ファンにとって格好の観察対象ですが、お供の矮小銀河となるとかなり暗いため、積極的に取り上げている方は少ないようですね。ここでは、春の宵に見える「しし座」にある矮小銀河をふたつご紹介しましょう。その名も「Leo I」と「Leo II」。(※IとIIは1と2のローマ数字表記。)私たちの暮らす銀河系の伴銀河と言われています。

「Leo I」はしし座の1等星レグルスのすぐ北側にあります(下A・B画像)。あまりにもレグルスに近いため、かなり拡大して撮っても同一視野になってしまうでしょう。光学系によってはレグルスの光やレンズなどのゴーストが邪魔をして検出を難しくします。敢えてレグルスとLeo Iの軸線を中央から外すなど、ゴーストやハレーションがLeo Iを覆わないような工夫が必要でしょう。むしろ短焦点のほうが確認しやすいこともありますが、そうすると微光星が分離せず、星雲のように見えてしまいます。また写真に収める場合は感度を上げすぎて背景の粒状が目立つと、微光星とノイズの区別が無くなるのでご注意。様々な条件の両立は難しい…。

  • Leo I

    A.Leo I
  • Leo I

    B.Leo I(マーカー付き)


いっぽう、「Leo II」はしし座の腰の辺り(δLeoの北側)にあります(下C・D画像)。「Leo I」よりも少し暗いですが、レグルスのような邪魔者がいないぶん確認しやすいかも知れません。他にも「Leo III」「Leo IV」…などもありますが、かなり暗くなります。ただ、遠方にある系外銀河の小ささに慣れていると、しし座の矮小銀河たちが「暗いのにかなり大きいなぁ」と感じるのではないでしょうか。

写真映えする豪勢な銀河のみならず、ひっそりして目立たない銀河たちも立派な家族。ぜひ目を向けてみてくださいね。

  • Leo II

    C.Leo II
  • Leo II

    D.Leo II(マーカー付き)


★下図はSKY-MAP.ORGによる各矮小銀河の位置です。右上ズームボタンで拡大(別画面表示)してご覧ください。銀河位置中心に1°矩形を描いてあります。(※fl=1000mm望遠鏡+フルサイズデジカメ直焦点撮影だと、長辺画角が約2°、APS-Cデジカメなら短辺画角が約0.9°。)


  • 「Leo I」星図

  • 「Leo II」星図