月は木星に、カタリナ彗星は麦星に大接近 ― 2016/01/01
昨夜は年の切り替えでしたが、2015年の最後まで良く晴れたものの、2016年になって2時間もすると小雨が降ってきました。幸い一時的なもので、明け方4時には再び快星となりました。
見あげると、南の空高く下弦前の月が輝いています。すぐ近くには木星が明るく見えました。夜から初詣に出かけたみなさんは星月ペアの光景を楽しめたのではないでしょうか。御利益がありそうな空です。なお三日後の4日朝には火星のすぐ側、更に三日後の7日朝には金星の側に月が来ますよ。
左は5:20過ぎに撮ったもの。太陽黄経差は255.09°、撮影時の高度は55°近くです。気流は比較的安定していました。ぼちぼち月面Xが目立ってきましたね。 また右は多段階露光により月の模様から暗い星までを写してみた画像。月の右上の輝星が木星です。木星のすぐ右には衛星も3つ(木星に近い順にエウロパ、ガニメデ、カリストの並び)写っていますよ。
さて、元旦の今朝はカタリナ彗星(C/2013US10)がうしかい座のアルクトゥルスに大接近する朝でした。(※ちなみに明日朝も今日以上に近いです。)月明かりは満月期よりかなり減ったので、思い切って露出とコマ数を2倍に増やして撮ってみました。雨が上がってから薄明開始まで時間がなかったので、機材は180mm+APS-Cで1シーンのみ。下左画像は画角がおよそ7°×5°・上が天の北方向で、下右画像は左の白黒反転画像です。彗星上の輝星がアルクトゥルス。意外にイオンテイルが伸びておらず残念でした。(頭部から2°程度の位置から上向きに曲がって見えるのは気のせい???)逆にダストテイルはしっかりしてきました。これはこれでひとつの結果。何より新年早々良い空に恵まれたことは本当に幸せです。
参考:
アーカイブ:月の形(黄経差252度以上、288度未満)
アーカイブ:天体の接近現象一覧(2016年)
カタリナ彗星(C/2013US10)に関係する記事(ブログ内)
見あげると、南の空高く下弦前の月が輝いています。すぐ近くには木星が明るく見えました。夜から初詣に出かけたみなさんは星月ペアの光景を楽しめたのではないでしょうか。御利益がありそうな空です。なお三日後の4日朝には火星のすぐ側、更に三日後の7日朝には金星の側に月が来ますよ。
左は5:20過ぎに撮ったもの。太陽黄経差は255.09°、撮影時の高度は55°近くです。気流は比較的安定していました。ぼちぼち月面Xが目立ってきましたね。 また右は多段階露光により月の模様から暗い星までを写してみた画像。月の右上の輝星が木星です。木星のすぐ右には衛星も3つ(木星に近い順にエウロパ、ガニメデ、カリストの並び)写っていますよ。
さて、元旦の今朝はカタリナ彗星(C/2013US10)がうしかい座のアルクトゥルスに大接近する朝でした。(※ちなみに明日朝も今日以上に近いです。)月明かりは満月期よりかなり減ったので、思い切って露出とコマ数を2倍に増やして撮ってみました。雨が上がってから薄明開始まで時間がなかったので、機材は180mm+APS-Cで1シーンのみ。下左画像は画角がおよそ7°×5°・上が天の北方向で、下右画像は左の白黒反転画像です。彗星上の輝星がアルクトゥルス。意外にイオンテイルが伸びておらず残念でした。(頭部から2°程度の位置から上向きに曲がって見えるのは気のせい???)逆にダストテイルはしっかりしてきました。これはこれでひとつの結果。何より新年早々良い空に恵まれたことは本当に幸せです。
参考:
アーカイブ:月の形(黄経差252度以上、288度未満)
アーカイブ:天体の接近現象一覧(2016年)
カタリナ彗星(C/2013US10)に関係する記事(ブログ内)
今日の太陽 ― 2016/01/01
2016年初日の入りと富士山 ― 2016/01/01
一日良く晴れて暖かい元日でした。雲ひとつない空の中、「初日の入り」を見届けることができました。日が沈んだ辺り、少し右のところに富士山があります。そう言えば朝からまっ白な富士の頂が見えて、「ラッキー」と感じた日でしたね。
日没直後の富士山シルエットを見ると、右下画像のようになっていました。(望遠レンズを用意する時間がなかったため、手持ちコンデジのズーム画像です。) 枝が密集していて分かり辛いのですが、富士山から右上に向かって富士山の影がうっすらと見えています。茨城から見る富士の影は空のコンディションによって大きく左右され、透明度が良過ぎても悪過ぎても見えません。(例えば2012年12月6日の画像はかなりはっきりしていますが、翌日12月7日の画像はぼんやりしてますね。)反薄明光線として東の空まで伸びて見える日もありますよ。
日没直後の富士山シルエットを見ると、右下画像のようになっていました。(望遠レンズを用意する時間がなかったため、手持ちコンデジのズーム画像です。) 枝が密集していて分かり辛いのですが、富士山から右上に向かって富士山の影がうっすらと見えています。茨城から見る富士の影は空のコンディションによって大きく左右され、透明度が良過ぎても悪過ぎても見えません。(例えば2012年12月6日の画像はかなりはっきりしていますが、翌日12月7日の画像はぼんやりしてますね。)反薄明光線として東の空まで伸びて見える日もありますよ。
たくさんのハロ現象が見えました(午前編) ― 2016/01/02
(午後編はここをクリック。)
昨夜は夜半まで晴れていたものの、日付が2日になってからは完全に曇りました。朝からもずっと雲が多かったのですが、太陽観察できるか確認するため2階の窓から顔を出すとこんなものが空に!一気にテンションが上がりました。
最初に見えたのは太陽左の幻日と、そこから左方向へ長く伸びる幻日環でした。このとき右側には何も見えず、また内暈もあまりハッキリしませんでした。(いちおう120°幻日の位置も確認しましたが見えていません。)雲行きから察すると、もっと前から色々見えていたと思います。我が家からは近所の建物があって南東方向が見えないので、朝の数時間はどうしようもありません。惜しいことをしました。
雲がどんどん流れていたので、少し経つと内暈がはっきりして、右の幻日も見えてきました(画像a)。更には内暈にフタをするように上部タンジェントアーク、そのずっと上の天頂付近には環天頂アークまで見えてきたのです(画像b)。正月初っぱなにハロ現象特異日だなんてラッキー!今日の上部タンジェントアークはMの字を思いっきり横に引き延ばしたような形でした。(太陽高度により多様に変化します。)
画像cは環天頂アークの強拡大。このとき太陽高度は約28°で、アーク直径を計算すると天頂から測って半径約15°弱(赤光側)と、かなり小さな円です。この条件での環天頂アークはとても淡くて幅広く見え、なかなか見られない貴重な形状なのです。今日のようにちゃんと写真に残せるのは、私自身1、2年に一回くらいしかありません。
また幻日も素晴らしいですね。特に左側は色形ともにクリアで見応えがありました。画像dは画像処理で色彩とコントラストをかなり上げていますが、内暈と離れているのが分かります。そして幻日の赤側が内暈に沿うように上下に伸びて見えますね。もう少し異なる気象だとここにローウィッツアークという現象が生まれるのですが、今日ははっきりしませんでした。
画像eのように左右の幻日を比べると、右側幻日のほうは氷粒が足りなかったのか、暗いようでした。幻日環もあまり伸びていません。それに比べて左側は、雲が切れて見えなくなる直前までとても良く見えていました。今日の空模様をHaloSimというソフトでシミュレートすると、画像fのようになります。一連の観察は10:30前後のおよそ20分ほど。このあと全ての現象は消え去り、青空が広がりました。
昨夜は夜半まで晴れていたものの、日付が2日になってからは完全に曇りました。朝からもずっと雲が多かったのですが、太陽観察できるか確認するため2階の窓から顔を出すとこんなものが空に!一気にテンションが上がりました。
最初に見えたのは太陽左の幻日と、そこから左方向へ長く伸びる幻日環でした。このとき右側には何も見えず、また内暈もあまりハッキリしませんでした。(いちおう120°幻日の位置も確認しましたが見えていません。)雲行きから察すると、もっと前から色々見えていたと思います。我が家からは近所の建物があって南東方向が見えないので、朝の数時間はどうしようもありません。惜しいことをしました。
雲がどんどん流れていたので、少し経つと内暈がはっきりして、右の幻日も見えてきました(画像a)。更には内暈にフタをするように上部タンジェントアーク、そのずっと上の天頂付近には環天頂アークまで見えてきたのです(画像b)。正月初っぱなにハロ現象特異日だなんてラッキー!今日の上部タンジェントアークはMの字を思いっきり横に引き延ばしたような形でした。(太陽高度により多様に変化します。)
画像cは環天頂アークの強拡大。このとき太陽高度は約28°で、アーク直径を計算すると天頂から測って半径約15°弱(赤光側)と、かなり小さな円です。この条件での環天頂アークはとても淡くて幅広く見え、なかなか見られない貴重な形状なのです。今日のようにちゃんと写真に残せるのは、私自身1、2年に一回くらいしかありません。
また幻日も素晴らしいですね。特に左側は色形ともにクリアで見応えがありました。画像dは画像処理で色彩とコントラストをかなり上げていますが、内暈と離れているのが分かります。そして幻日の赤側が内暈に沿うように上下に伸びて見えますね。もう少し異なる気象だとここにローウィッツアークという現象が生まれるのですが、今日ははっきりしませんでした。
画像eのように左右の幻日を比べると、右側幻日のほうは氷粒が足りなかったのか、暗いようでした。幻日環もあまり伸びていません。それに比べて左側は、雲が切れて見えなくなる直前までとても良く見えていました。今日の空模様をHaloSimというソフトでシミュレートすると、画像fのようになります。一連の観察は10:30前後のおよそ20分ほど。このあと全ての現象は消え去り、青空が広がりました。