三日月・土星・水星が並ぶ夕空2017/11/21

20171121月・土星・水星が整列
午後の通院が終わる頃にはもう日が暮れて、西が夕焼けに染まっていました。出がけに重たいデジカメをカバンに忍ばせ、三脚も持参しました。そう、帰りに寄り道をして三日月を撮りたかったのです。

どちらを向いても低空まで雲が全くなく、素晴らしい透明感。街並みの上にはもう月が輝いています。今日は月の下に土星と水星が見えるはず。でもタイミングが遅いと惑星は低空にかき消えてしまうでしょう。私は病気のため徒歩移動すらおぼつきません。でも17時を過ぎると水星の高度は5°を下回り、また低空まで見える場所を探すのもなかなか大変。時間との勝負ですね。怪我をしないよう慌てずに歩きながら目で『ロケハン』し、同時に空の暗さや前景とのコントラスト、そして撮影条件を頭で計算してゆきます。

そうして撮ったのが左写真。撮影時の月齢は2.86、土星は中央やや上の輝星。水星は右下の木々のすぐ上にいます。水星は24日に東方最大離角を迎えますから、今が見頃ですね。他にも細かな星がたくさん写っていますよ。当地からこの方向は航空機の航路になっていて、飛び交う飛行機を避けるのに苦労しました。

昨日は三天体がもっとコンパクトに集っていたはずですが、当地では雲が多く見えませんでした。今夕見ることができて本当に良かった…。撮影できたことはもちろんですが、目で見た生の景色の美しさときたら…。まさに至福のひとときでした。撮影を終え、ふと北東を見ると低空に虹星カペラが輝き始めて、惚れ惚れするようなカラフルさ。今夜も素敵な星空になりそうです。

月・金星・木星の接近はなかなか起こらない2017/11/17

20171117・月・金星・木星
今日17日の日の出前のこと。間もなく新月を迎える細い月が東に登り、13日に大接近したばかりの金星や木星と共に空を飾りました。ひと目見たくて待機していたのですが、当地・茨城では雲が多くて全く見えませんでした…。

左はStellariumによるシミュレーション。一番離れている月と金星でも離角約5.5°ですから、三つの天体が小型双眼鏡の視野にすっぽり入るほど接近していたことになります。

太陽の次に明るい天体であるお月さま。そして惑星としてコンスタントに明るい金星と木星。この三つは天然の天体としてトップ3の光度です。このうち二つの接近は割と頻繁に起こりますが、三つがいっぺんに会合するチャンスはなかなかありません。右下図は月・金星・木星で、お互いの離角がどう変化するかを2017年の頭から3年間計算したもの。縦軸は離角(度)で、グラフが下がるほど互いに接近していることを表します。グラフ下部のクリーム色の範囲は離角5°以内で、ここに入れば誰もが「近い」と感じるでしょう。

月・金星・木星の離角(2017-2019年)
月は約1ヶ月で空を一周しますから、「月と金星/緑線」、あるいは「月と木星/青線」のグラフは細かく上下し、接近はほぼ毎月起こります。ところが「金星と木星/赤線」は年に1回あるかないか。そして両惑星接近のタイミングで月が近くにいなければ、三天体接近は起こらないのです。その上、接近したからと言って必ず見えるとは限りません。接近は基本的に金星の(太陽に対する)最大離角の範囲で起こります。真夜中には決して起こらず、当然太陽に近い空であるわけです。月は必ず細くなり、三天体同士の離角だけでなく太陽との離角も考慮しなければなりません。

右グラフの線の所々が薄い色になっていますが、そこは該当天体のどちらかと太陽との離角が15°以内になっていることを表します。月なら新月前後、金星なら内合や外合前後、木星なら合前後の期間です。今日の接近は正にそうですね。太陽離角の他に黄道の地面に対する角度なども関係するでしょう。このあたりの「見え辛さの理屈」は内惑星のそれと全く同じです。今回はたまたま金星と木星の大接近直後に月がやってきましたが、例えば2019年お正月および2月頭の三天体は「だいぶ離れた接近」となるでしょう。次に互いが接近するのは2019年11月28日の夕方になります。ただし超低空ですからかなり見辛いかも知れません。貴重なチャンス、晴れてほしいものですね。

下にこれまで見ることができた月・金星・木星の接近画像を3例掲載しておきます。朝か夕かは月の光っている向きで分かりますね。2005年の画像は九州に上陸した台風14号が日本海へ抜けた晩でした。ものすごい風の中で鮮やかな夕焼け雲がビュンビュン流れ、飛ばされそうになりながら撮影したことを覚えています。また2008年の「ニコちゃんマーク」は世界中で色々な表情が見られ、話題になりました。2012年も日本の南にあった台風7号の影響が出始め、強風で雲や木々が舞う中の撮影でした。

  • 20050907・月・金星・木星

    2005年9月7日
  • 20081201・月・金星・木星

    2008年12月1日
  • 20120716・月・金星・木星

    2012年7月16日


参考:
金星はなかなか火星に接近しない!?(2016/11/23)

金星と木星が最接近2017/11/13

20171113金星と木星の接近
昨夜から今朝は夜半まで雲が多めでしたが、1時過ぎ頃からよく晴れました。1日前より少し透明度は落ちたものの、明け方の金星と木星の接近は何とか見えそう。カメラを担いで見晴らし良いところまで出かけました。

秋の落ち葉が夜明けの静寂に響いて心地よくも、近所迷惑では…と神経を使います。昨日観察した同じ場所に着くと、まだ金星は見えません。でも昨日のデータが頭に残っているので、余裕を持って撮影に臨めました。

左画像は昨日とほぼ同じ撮影時刻です。金星はぐっと低く感じ、木星はだいぶ早くから見えました。わずか数分も違いませんが、1日の変化が宇宙から伝わります。南東から雲が忍び寄っていたため焦りましたが、見ることができて幸運でした。残念ながら明日は天気が悪いらしく、三日連続は無理そうです。

以下は昨夜の試写からメジャー天体2枚。度々雲の通過があってコンディションが悪い画像です。短時間仕上げでカラーバランスもメチャクチャですが、取りあえず掲載。

  • 20171112アンドロメダ銀河

    アンドロメダ銀河
  • 20171113プレアデス星団

    プレアデス星団


月に隠されたレグルス、明け方には金星と木星が接近中2017/11/12

20171112月とレグルス
昨夜から今朝にかけては冬のように透明感溢れる空でした。ただ夜半過ぎまで強風に見舞われ、望遠鏡で何か撮るようなことは望めませんでした。

実は夜半過ぎに登った月がしし座のレグルスを掩蔽する現象が起こったはずですが、日本の大部分では非常に低空過ぎて見えなかったことでしょう。私の自宅アパートも周囲が住宅地なので、現象中は全く見えませんでした。

少し経って隣家の屋根向こうに昇ってきた月を望遠鏡で見ると、近くにレグルスが見えました(左画像)。もうだいぶ離れていますね。これを撮影した0:50頃でもまだ月高度は13°程度。低すぎて月面地形がぼんやりしています。でも低空までよく晴れた上に風もだんだん止んできたころで、見えただけでもラッキーです。こういうことは偶然の巡り合わせですからね。天気の神様ありがとう。

171112金星と木星の接近
明け方にはもうひとつ天文ショーが楽しめました。実は明日13日に金星と木星が満月の直径程度まで大接近するのですが、既に数日前から近づく様子が楽しめています。ただしこれまた超低空で、高くなるのを待っていると日が登ってしまうのです。なかなか見るタイミングが難しい現象ですね。

右画像は今朝5:25頃に撮影したもの。木々の間から顔を出したばかりの金星(上)と木星(下)が並んでいます。朝焼けのなかで大変美しく、これも低空までよく晴れたおかげです。撮影時点の金星高度はわずか4°。両惑星間の離角は1.5°あまり。

2017年11月中旬・金星と木星の接近
左図はStellariumによる茨城県つくば市での接近の様子(時刻設定5:30)。国内なら見える時刻に差が出るだけで、概ね似たような状況でしょう。金星は2018年1月上旬の外合に向けて次第に太陽へ接近するので高度を下げており、また木星は合を過ぎたばかりで太陽から遠ざかるように高度を上げています。

明け方に見る場合は13日と14日の離角が同じ程度ですから、天気と相談しながらぜひトライしてください。40、50分ほど先行しておとめ座のスピカが昇っているので、金星が昇る場所の良い目印になりますよ。