今日の太陽と金星2018/08/27

20180827太陽
昨夕の雷雨の後、夜半前から快晴が続き、今日日中もよく晴れています。ただし当地・茨城は昼頃からまたしても雷雲が通過し始めました。

20180827太陽リム
左は13:40頃の太陽。わずかに雲が出始まっていましたが、大気は安定していました。活動領域12719と12720はペアで右リムに近づいています。北半球のダークフィラメントもまだ見えていますね。昨日も出ていた左上のプロミネンスはかなり大規模になっていました。


20180827金星
太陽観察後20分ほど経ってから、南中を迎えた金星を観察しました。もちろん背景は青空なのですがすぐ見つかりました。右画像は背景の青空光を減算し、金星の光だけにしてあります。東方最大離角を10日近く過ぎましたので、半月状よりもわずかにへこんでいるのが分かりますね。

今後視直径は段々大きくなりますが、残念なことに赤緯がどんどん低くなり、日が沈むころにはとても低くなってしまうでしょう。高度の高い昼間のうちに狙える日があれば、また観察したいと思います。

火星の自転と衛星の公転を写す2018/08/24

20180822火星自転と衛星公転
二日前の22日夜に撮影した火星の画像がやっと仕上がったのでお届けします。この日は火星の南中時刻頃に、ちょうど衛星フォボスとダイモスが両方とも火星から離れるというベストタイミング(→8月2日記事参照)。うまい具合に天気が持ってくれたので衛星込みで撮影を試みました。と言っても火星本体と衛星とは光度差がありすぎるため、撮り分ける必要があります。

今までの経験から、手持ちの機材だと火星本体に対して100倍程度の露出差でギリギリ衛星を写せる可能性がありました。強烈に拡大しているため、11等以下の星を0.5秒くらいで写さないと星像がぶれてしまいます。今回は衛星の移動まで確認したかったため、30分のインターバルを置いて2シーン撮影しました。そうして仕上がったのが左上画像です。衛星は暗いので、大気の揺らぎや望遠鏡の振動等の影響でキリッとした点像にはなりません。特に二枚目は薄雲が火星にかかり始めたため衛星像が肥大しています。「100枚程度の動画を平均したもの」と言ったほうが肥大の原因を直感的に理解しやすいでしょうか。参考までに、この画像横幅は約70cm離れて見た0.5mmシャープペンの芯幅程度のごく狭い画角なんですよ。ビックリでしょう。撮影にどれほど神経を使うか、想像してみてください。

20180822火星と衛星の図
衛星は一見動いてないように見えますが、わずかに移動しています。右図はGuideによるシミュレーション。衛星軌道も計算して重ね描きしてみました。上方向が天の北方向で、火星位置を固定して30分おきの2シーンを重ねています。衛星は両方とも西方最大離角を終えて火星裏側へ向かい始めたところですね。また火星は逆行から留に向かう直前なので、遠くの恒星は火星に対して東南東(左やや下向き)へ動きます。

困難を極めたのはやはり衛星撮像に写り込む本体の強烈な光やスパイダー光条の処理。これをいかに取り除くかが、今回のチャレンジで時間を裂いたところでした。何重にも渡る画像処理を丁寧に進めたところ、写らないと思っていた背景の14等台の恒星までわずかに取り出すことができました。

下画像は、左上画像を加工してGIF動画にしたもの。火星位置を固定して、2シーンが2秒ごとに切り替わります。衛星と恒星は暗いので上下に棒マーカーを付けてあります。衛星と恒星の移動はそれぞれ向きや移動量が違うことや、火星本体も自転して模様が変わることなど一目瞭然です。もう一回くらいチャレンジしておきたいテーマですね。

20180822火星自転と衛星公転


参考:
2018年火星の地球接近に関する記事(ブログ内)

嵐の前の晴れ間に月惑星や彗星観察2018/08/22

20180821月と土星の接近
強い台風が立て続けに日本へ接近中ですが、当地・茨城はまだ晴れ間があって暑い日々。昨夜から今朝にかけても星空が見えたので、いくつかの天体を観察しました。

宵空の月のすぐ近くに土星が並んでいたので、後で撮ろうと思いつつ疲れていて爆睡。22時過ぎに改めて起きるとまだ月が残っていてくれました。土星は宵空に見える惑星で一番暗いため、並んでいたことに気付かなかった方も多いことでしょう。離角は2°弱と、なかなか立派な接近でしたよ。

左は望遠レンズで撮影したものですが、多段階露光で月カブリを軽減しています。実は月と土星以外にも有名なM天体が並んでいたため、どこまで画像としてピックアップできるか挑戦しました。

20180821月と土星の接近
何が写っているかは右のマーカー付き画像をご覧ください。(画像下辺の黒い影は隣家の樹木です。)干潟星雲(M8)や散開星団M21は明るいので、何となく写ってくれました。ただ三裂星雲(M20)はさすがに暗く、よく分かりません。他にもNGC天体がたくさんある領域なので、もっと工夫すれば見えてくる可能性があります。

明るい月の側にある淡い天体は撮影が難しいですが、何らかの工夫であぶり出せないか試行錯誤しています。

20180821火星
お次は日付が変わる頃の火星を観察。まだ十分大きくて明るく、大気さえ安定すれば模様や南極冠もぼんやり見えます。

20180821火星図
右図は撮影時刻のGuideによる火星図。マリネリス渓谷や太陽湖、クリュセ、アルギュレあたりですね。中央の一番大きく暗いところがオーロラ湾。そこから左へ渓谷が伸びているはずですが、はっきりしませんでした。

本体の影がだいぶ目立ってきましたが、まだまだ9月いっぱいは楽しめるでしょう。

ラストは明け方にかけての彗星観察。夜半過ぎに月没を迎えた頃はとても良い星空だったので、大喜びでジャコビニ・ツィナー周期彗星(21P)撮影準備をしていましたが、いざ撮影という時になってドバーッと雲がやってきてしまいました。雲の襲来は斑があったので、なんとか20−30分程度の雲間に併せて撮影したのが下左画像。緑色のコマや西(右)に伸びる長い尾が分かりますね。

もうひとつ、かねてより撮影したかったステファン・オテルマ彗星(38P)も明け方の良い位置に登ってきたので挑戦。今年11月に9等台になると予想される期待の彗星です。現在は13等程度ですが、初撮影でもしっかり写ってくれました。雲の飛来が無ければもっと露出したかったけれど…。ふわっとしたコマが確認できます。しばらくはおうし座からオリオン座あたりを移動してゆくので、折に触れ撮影してみようと思います。

  • 20180822ジャコビニ・ツィナー周期彗星(21P)

    ジャコビニ・ツィナー周期彗星(21P)
  • 20180822ステファン・オテルマ彗星(38P)

    ステファン・オテルマ彗星(38P)


参考:
2018年火星の地球接近に関する記事(ブログ内)

月と金星が同じ日に同じ形となるのは?2018/08/19

20180818月と金星
昨夕の日没後、ピンクに染まる雲から次第に色が抜けていくと共に月と金星が仲良く輝き始めました。月はちょうど上弦を迎え、ミカンの一房のような形をしています。実は金星も東方最大離角を迎えたため、望遠鏡で見ると半分光った形を見ることができたでしょう。

実際に撮影して形の一致を画像にしたかったのですが、左画像を撮影する頃から雲がどんどん濃くなり、拡大撮影はできませんでした。仕方がないのでStellariumによる19時のシミュレーションを右下に掲載しました。上方向が天の北で、金星は月に対して約30倍大きくしてあります。どうですか、このシンクロニシティ!

20180818月と金星
月も金星も地球の「お隣さん」で、厳密には相互に微少な重力の影響があるとは言え、月が上弦を迎えることと、金星が東方最大離角を迎えることとはほぼ無関係と言って良いでしょう。だから昨夕の両星が見かけ上同じ形となったことは「偶然の一致」なのです。

そこで気になったのが、「どれくらい稀なのか」ということ。さっそくプログラムを自作して、月と金星の『半月形』が同じ日となるタイミングを探してみました。結果が左下の表です。

【金星の最大離角と半月のタイミングが合う日】
日付金星の
最大離角方向
日付半月の
向き
1954年9月6日東方最大離角1954年9月5日上弦
1964年8月29日西方最大離角1964年8月30日下弦
1971年1月21日西方最大離角1971年1月20日下弦
1999年10月31日西方最大離角1999年10月31日下弦
2004年3月30日東方最大離角2004年3月29日上弦
2014年3月23日西方最大離角2014年3月24日下弦
2018年8月18日東方最大離角2018年8月18日上弦
2020年8月13日西方最大離角2020年8月12日下弦
2033年1月8日東方最大離角2033年1月8日上弦
2035年1月1日西方最大離角2035年1月1日下弦
2039年5月31日東方最大離角2039年5月31日上弦
2049年5月25日西方最大離角2049年5月24日下弦

  • 計算期間は1950年から2049年までの100年間です。
  • 前後一日のずれまで許容しました。
  • ピンク文字はJST(日本時間)の区切りにおいて日付が一致するケースです。
「夕空で上弦の月と東方最大離角の金星」と同様に、「明け方で下弦の月と西方最大離角の金星」も形や向きがほぼ一致しますので、併せて探しました。ただし日付が完全に一致するケースは少ないでしょうから、前後一日のズレまで許容範囲とします。また、日付区切りは時差によって変化するので、ここでは日本時間に統一しました。世界時や他国の時刻制度では日付が前後することがありますからご注意。

左表を見ると、今回の一致は1999年10月以来でした。それどころか夕空ならこの計算範囲で初めてのケースでした。一日違いなら2004年に起こっています。将来2030年台には比較的密に起こるようですね。月朔望も金星会合もはっきりした周期があるため、表の日付に何となく法則性がありそうな気もしますが、はっきりしません。

実際に観察してこその面白さなので、貴重な場面で曇られてしまったのは惜しかった…。今日も雲が厚くてダメそうです。一日違いですが、次回・2020年8月に期待するとしましょう。