金星、スピカ、そしてカタリナ彗星2015/12/01

20151201金星・スピカ・カタリナ彗星
夜明け前の空、毎日少しずつ低くなってきた金星が、二日前の11月29日おとめ座のスピカに最接近しました。今朝は横並びで見えています。その下のほうにカタリナ彗星(C/2013US10)がいましたので、ちょっとギリギリですが三天体一緒に撮ってみました。左画像の一番明るい星はもちろん金星。カタリナ彗星は尾まで見えていますね。

今朝のカタリナ彗星は天文薄明開始前から撮影を開始できました。開始時点ではもう高度10°を越していますが、昨日から今朝にかけては気温が高めに推移したので水蒸気がたっぷりの空。低空はこれでもかとばかりに月明かり+光害であふれています。どうにか画像処理で右下の様に出してみましたが、画像左上のかぶり(近所のコンビニ照明)はどうにもなりませんでした…。まぁ尾が見えますので良しとしましょうか。

この画像から測ってみると、少なくとも1.5°のイオンテイルと0.5°のダストテイルが見えます。

20151201カタリナ彗星(C/2013US10)
またイオンテイルは頭部から何本かの筋状になって出ているようですね。11月28日の様な尾の乱れは見えないようです。引き続き追いかけてみることにしましょう。(右画像:上方向が天の北方向、白黒反転、横画角は約4°。)

参考:
カタリナ彗星(C/2013US10)に関係する記事(ブログ内)

今日の太陽2015/12/01

20151201太陽
師走になりました。最初の日は朝から雲ひとつ無い快晴です。少し暖かめなので、太陽撮影時の気流はかなり乱れていました。

左は11時少し前の太陽。活動領域12458周囲に少し活発な様子が見えますね。

20151201太陽リム
右やや上リムには背の低いプロミネンスも見えます。地上の喧噪とは裏腹に、かなり静穏な太陽です。

曇る前に捕らえた彗星たち2015/12/02

昨夕は快晴でしたが時折雲が通過するようになり、日付が今日2日に変わってからは雲量が増えてしまいました。お天気は大きく下り坂で今夜は雨予報です。本日明け方のカタリナ彗星(C/2013US10)は全く見えませんでしたが、月の影響が少ない夜半までに捕らえた4つの彗星を撮影順に載せておきます。(画像は全て上方向が天の北、彗星の移動に合わせた合成処理、拡大像は白黒反転、縦画角は約0.5°、露出は30分です。)

まずパンスターズ彗星(C/2014W2)。北極星から6.5°のところで12等前半です。宵の北天はかなり光害がひどくて真っ白になりましたが、なんとか北西向きの尾の広がりまで分かりました。次もパンスターズ彗星(C/2013X1)。いま一番(?)注目株ですね。アンドロメダ座の一角で10等近く。尾が大きく湾曲しつつ東へ広がっています。来年夏の最盛期に大きな期待が持てそう。

三番目はカタリナ彗星(C/2013V4)。明け方の明るいカタリナ彗星と違い、きりん座で16等近くのはっきりしない輝きです。最後は約1ヶ月前に発見されたジョンソン彗星(C/2015V2)。やまねこ座とおおぐま座の境界近くにいて16等台。再来年の最盛期に向け順調に明るくなってほしいものです。

  • 20151201パンスターズ彗星(C/2014W2)

    パンスターズ彗星
    (C/2014W2)
  • 20151201パンスターズ彗星(C/2013X1)

    パンスターズ彗星
    (C/2013X1)
  • 20151201カタリナ彗星(C/2013V4)

    カタリナ彗星
    (C/2013V4)
  • 20151201ジョンソン彗星(C/2015V2)

    ジョンソン彗星
    (C/2015V2)

参考:
ジョンソン彗星(C/2015V2)に関係する記事(ブログ内)

はやぶさ2スイングバイの補正位置星図・茨城版2015/12/02

はやぶさ2修正位置星図(つくば・水戸)

はやぶさ2スイングバイ星図
(茨城版・北極星付近/18:41-18:48)


はやぶさ2修正位置星図範囲

上星図の表示範囲
(中央の白い四角範囲)
探査機「はやぶさ2」が明日12月3日に地球の引力を使って軌道修正する「スイングバイ」をおこなうことは11月24日の記事でお伝えしました。その後正確なスイングバイを行うため三度の軌道修正を行う予定だったそうですが、「二度の修正で軌道が正確になったため三度目は行わない」とのことです。

これまでの修正により、通過経路や時刻がかなり変わっています。このブログで基点とする茨城県つくば市、および県庁のある水戸市について、北極星近くで再計算したステラナビゲーターによる星図を左に置いておきます。緑線がつくば市、ピンク線が水戸市です。(はやぶさ2はこの時間、北へ行くほど高く見えます。他地域の方は参考程度にご覧くださいね。)以前と比較して1分ほど進行が遅く、また位置も若干変わりました。観測をする方は必ずご自身の観測位置で再計算なさってください。

残念ながらはやぶさ2を肉眼で見ることはできません。そこそこ大きい望遠鏡で撮影することによって確認できる程度です。当地ではあいにく今日午後から明日午前にかけて雨の予報。明日夕方どこまで回復するか全く分かりませんが、もし晴れれば見てみようと思います。


参考(外部サイト)
はやぶさ2プロジェクト(JAXA)
はやぶさ2地球スイングバイ観測キャンペーン
アストロアーツの特設ページ(ステラナビゲーター軌道描画adfファイルの計算&ダウンロードができます)