四天体の会合は全部揃わず…2021/01/14

20210114天体会合
4日前の1月10日に「木星・土星・水星」の相互接近がありました。今夕はその三惑星に加え、昨日新月を迎えたばかりの初月が加わった「四天体会合」が見える予定でした。木星と土星が太陽にぐんぐん接近してることに加え、昼間の太陽の様子から空の透明度が落ちていることが分かっていたためあまり期待はしなかったけれど、どこまで見えるか確認するため、4日前に撮影した陸橋まで散歩に行くことにしました。

日没後に現場到着すると、案の定150km先の富士山が全く見えません。空に向かって富士山のシルエットが作る反薄明光線が見えたため、位置の再確認はできました。あとは暗くなるのを待つばかり。低空がドロッとして暗く濁っています。今日観測された黄砂の影響も否定できませんが、大部分は日中の暖かさによる水蒸気のせいでしょう。なにしろ桜が咲きそうな気温でしたからね。

20210114天体会合
少し経つと極細の月を双眼鏡で発見、続いて木星と水星を確認。その後肉眼でも見つけることができました。しかしながら土星は最後の最後まで無理でした。もともと暗い上に、ちょうど超低空の濁った大気層にかかる位置だったから仕方ないですね。10日並の透明度だったら見えたかも知れませんが、こればかりは時の運。

条件を変えつつ、十数分の間に50コマほど撮影(左上画像)。名残惜しみつつ帰途に付きました。どこに何があるかは右のマーカー入り画像で確認してください。特殊なアルゴリズムで薄明中の微光天体の光だけを若干強めてあります。実際はほとんど見えないような弱いコントラストでした。

しし座のカルテット銀河2021/01/11

20210111_Galaxy_quartet_in_Leo
しし座の後ろ足付近に集合する3つの系外銀河「M65、M66、NGC3627」、通称“トリプレット”はとても有名ですが、首元付近には“カルテット”…四重銀河もあります。NGC3190を囲むように、北東にNGC3193、北西にNGC3187、南西にNGC3185という個性豊かな銀河が集います。

この銀河群を初めて見たのは随分前ですが、トリプレットの明るさに慣れてしまった目では4つ全部がなかなか見えず、苦労したものでした。カメラではあっさり写るんですけどね。

左は今朝方撮影したものです。前夜と打って変わってシーイングが悪く、星が肥大してしまいました。もう少し露出したかったけれど、夜明けが来てしまいました。夜半過ぎまで雲があったため撮影開始が遅かったのでした。

この写野でトリプレットを撮影するとギリギリですから、密集度はカルテットのほうがかなり高いでしょうか。密集度を言ったら「かみのけ座銀河団」「ヘルクレス座銀河団」などには全く敵いませんけどね…。

20210111アトラス彗星(C/2020 M3)
カルテットが南中を迎えるまでの間、時間調整でアトラス彗星(C/2020 M3)を撮ってみました(右画像)。一週間あまり前の撮影では近くにカペラがあったため、彗星の状態がよく見えなかったのです。

いざ撮影してみると…彗星がいない?コンポジットしてようやく彗星像が分かりました。かなり暗くなってしまったようですね。コマもなんとなく分かる程度。尾がカーブしているのでしょうか、詳しくは分かりませんでした。カペラのせいというのは濡れ衣だったかも知れません。カペラさん、ごめんなさい。

木星・土星・水星・富士山、夢の共演2021/01/10

20210110木星・土星・水星・富士山
我が家の近くにある陸橋から遠くの富士山を拝むことができます。ゴミゴミした街の前景越しではあるけれど、病気のため大幅な移動制限がある私が自力で行ける、大切な“一番高い場所”なのです。

ちょうど今夕に「木星・土星・水星」の相互接近がありました。この陸橋はまさに1月8日&9日がダイヤ富士ポイントに当たり、また今夕は太陽赤緯と水星赤緯がほぼ一緒、つまり沈む場所がだいたい同じになります。これらの偶然が絡み合い、「日没後、富士山シルエットの上空で三惑星が出逢う」という奇跡の光景が生まれました。

実は数日前から狙っていたのですが、ここ一週間ほどずっと夕方に曇ってしまう天気パターンが続いてしまい、結局ぶっつけ本番になってしまいました。でも最後の最後にこれほど見事な快晴で本当に嬉しい。私は日没後に現場到着しましたが、先にいらっしゃった散歩のおじさんから「富士に沈む夕日がきれいだったよ」と教えてもらいました。

大きめの画像を掲載しましたから、惑星たちを探してください。一番明るいのが木星、次が水星、一番暗いのが土星です。先月超接近を果たし終えた木星と土星ですが、まだ2.2°しか離れていません。このまま立て続けに合を迎え、明け方に回ってもしばらく一緒に輝きます。いっぽうの水星もすぐUターンし、2月8日に内合、2月下旬に夜明けの低空で再び今日のトリオが会合します。空の上の密は大歓迎ですね。

2021年初日の出/初日の入りマップ(世界版)2020/12/31

2021年初日の出マップ
近年は様々な情報ソースから初日の出時刻が得られるようになりました。当ブログでも毎年「初日の出マップ」を公開しており、少しずつ改良しながら「他では見ることのないようなもの」を目指しています。2020年は「初日の入りマップ」を加えました。あまり意識して見ることのない初日の入りにも注目してほしかったからです。

2021年はどうしようか悩み、世界地図にしてみようと思い立ちました。冒頭図が「2021年・初日の出マップ世界版」、記事末右下図が「同・初日の入りマップ世界版」です。2021年元日がどのように明けてゆくか(暮れてゆくか)、ひと目で分かりますね。日時表記は世界時ですからお間違えなきように。日本時間にするには+9時間足してください。例えば日本付近の初日の出は(12月)31日22:00のラインが横切っていますね。31日22:00UT=1日7:00JSTです。

気象衛星からの春夏秋冬
気象衛星ひまわり全球画像(右画像/画像元:NICTサイエンスクラウド)を見ると太陽の光が当たっているところと当たってないところの境界が見えます。要はこの「明暗境界」が日出/日没同時曲線なわけで、このラインを地図化すれば良いのです。同じような曲線のコピペに見えますが、東から西へ移るとともに太陽位置は変化しますから同じになりません。(※尤も、この縮尺では違いが分かりませんけど…。)そして仮に幾何学的には単純だとしても、私達はどこかの国に属し、その国の採用する時間制度に則って日付を区切り、1月1日を決め、そのルールのもとで初めて「年間最初の日の出」が決まるわけ。つまり「世界の至るところで1月1日0:00(ローカルタイム)が違う」…これが話をややこしくします。

世界各地の時差(タイムゾーン)は世界時に対してプラスマイナス12時間の幅があり、所によっては更に補正されます。このため世界の初日の出を考えるには、日本周辺だけに比べ桁違いに難しくなります。また極夜(一日中日が昇らない)・白夜(一日中日が沈まない)地域だってあるでしょう。世界全体の日出没計算量も半端じゃありません。今回は日付変更線(経度180°近辺)をまたぐラインの時間幅を大きくして対処しました。極夜や白夜に近いところは計算時間の節約で端点処理を切り捨てているところもあるので不揃いです。ご容赦ください。

2021年初日の入マップ

  • 各地図の同時曲線は自作プログラムによる計算です。
  • 大気補正は考慮していません。
  • 同時曲線は年により若干の差があります。
南太平洋の島国では、距離が近いのに日付変更線で区切られてしまうところがあり、同じ日の出なのに初日の出と前年大晦日の日の出に分かれてしまう地域も!…また南半球でサマータイムを導入している場合、夏である元日はタイムゾーンが1時間ずれる場合もって厄介。世界時表記だと一貫性があり分かりやすいですが、現地時間表記だとどこもかしこも1月1日朝/夕の時刻になってしまうでしょう。経度方向に広いのにタイムソーンがひとつの国もあれば、分けている国もありますから、人それぞれ、国それぞれなんですね。

幾つかの国にスポットを当てて、この国の場合はどうなんだろう?隣国との違いはあるんだろうか?この国とあっちの国の日の出が同じなんて意外…などと想像を膨らませ、日の出入りマップを味わって頂ければ幸いです。

参考:
日出没・暦関連の記事(ブログ内)