明るいクロイツ群のSOHO彗星 ― 2024/07/01
今年の7月は強風と土砂降りで幕を開けました。梅雨後半らしい天気です。
日課の画像チェックをしていると、太陽観測衛星SOHOが明るいクロイツ群彗星をとらえていました。左画像はC3カメラによる今朝7:06JSTの画像。黄色点線円のところに長い尾を伸ばした彗星がありますね。下画像はC2カメラによるもので、右下から太陽に向かって行く彗星の様子がおよそ2時間おきに分かります。最後は頭部が消滅、尾も微かになってしまいました。6-7月のクロイツ群は右下からほぼ真っ直ぐに太陽へ向かうことが分かっています。クロイツ群以外の群もいくつかあって、どこからどこへどんな軌道で向かうかが区別の決め手になっているようです。
SOHO彗星自体は比較的頻繁に現れますが、ひと目見てはっきり分かるほど明るいものは1年から数年にひとつくらい。梅雨空で頭が痛いですが、良いものを見ました。5月6日ごろからC3カメラに写っていた金星も間もなく写野外に出ます。つまり太陽から8°ほど離れたと言うことで、そろそろ日没後の超低空に見え出すでしょう。
日課の画像チェックをしていると、太陽観測衛星SOHOが明るいクロイツ群彗星をとらえていました。左画像はC3カメラによる今朝7:06JSTの画像。黄色点線円のところに長い尾を伸ばした彗星がありますね。下画像はC2カメラによるもので、右下から太陽に向かって行く彗星の様子がおよそ2時間おきに分かります。最後は頭部が消滅、尾も微かになってしまいました。6-7月のクロイツ群は右下からほぼ真っ直ぐに太陽へ向かうことが分かっています。クロイツ群以外の群もいくつかあって、どこからどこへどんな軌道で向かうかが区別の決め手になっているようです。
SOHO彗星自体は比較的頻繁に現れますが、ひと目見てはっきり分かるほど明るいものは1年から数年にひとつくらい。梅雨空で頭が痛いですが、良いものを見ました。5月6日ごろからC3カメラに写っていた金星も間もなく写野外に出ます。つまり太陽から8°ほど離れたと言うことで、そろそろ日没後の超低空に見え出すでしょう。
今日の太陽とハロ現象 ― 2024/07/03
7月に入っても雨や曇り続き。三日目の昼になってようやく青空優勢の空を迎えました。とても蒸し暑いですね。気象庁アメダス速報値の本日0時から15時までの集計による夏日地点数は835、真夏日地点数は536、猛暑日地点数は40、酷暑日地点数は0、国内最高気温は高知県江川崎(エカワサキ)ポイントの37.1度。
左は13:30ごろの太陽。15ヶ所見える活動領域のうち13ヶ所が右半球です。左端やや下から新たな黒点が入ってきました。左下にはとても高いループを描くプロミネンスが二対見えています。南極からのびるプロミネンスも目を引きますね。
太陽観察後にまた薄雲が空を覆い始めました。しばらく観ていると美しい光環が現れました。太陽光が眩しいのでしみじみ観察できないのが惜しい…。
左は13:30ごろの太陽。15ヶ所見える活動領域のうち13ヶ所が右半球です。左端やや下から新たな黒点が入ってきました。左下にはとても高いループを描くプロミネンスが二対見えています。南極からのびるプロミネンスも目を引きますね。
太陽観察後にまた薄雲が空を覆い始めました。しばらく観ていると美しい光環が現れました。太陽光が眩しいのでしみじみ観察できないのが惜しい…。
雲間に見えた火星 ― 2024/07/04
昨夜から今朝は曇り時々晴れ。未明に土星が見えたので望遠鏡をセットしたらすぐ曇ってしまいました。明け方まで粘っても見えず…。
唯一撮影できたのが火星でした(左画像)。と言っても雲と電線の隙間越し、高度も25°前後の悪条件。視直径は5″角程度で、中央に上向き凸型の大シルチス、その南にヘラス平原がどうにか確認できるくらいでした。火星は6月7日ごろ冬至を過ぎ、11月12日ごろが火星の春分になります。
火星はおおよそ半年後に地球最接近を迎えます。今回は「小接近」ですね(→参考:アーカイブ「火星の地球接近」)。遠近に関するメモを記しておきます。
このあと薄明空に木星と月が隣家の屋根から顔を出したので望遠鏡を向けてみましたが、雲が多過ぎ、シーイングもグチャグチャで地形や模様は見えませんでした。
唯一撮影できたのが火星でした(左画像)。と言っても雲と電線の隙間越し、高度も25°前後の悪条件。視直径は5″角程度で、中央に上向き凸型の大シルチス、その南にヘラス平原がどうにか確認できるくらいでした。火星は6月7日ごろ冬至を過ぎ、11月12日ごろが火星の春分になります。
火星はおおよそ半年後に地球最接近を迎えます。今回は「小接近」ですね(→参考:アーカイブ「火星の地球接近」)。遠近に関するメモを記しておきます。
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【2023年-2025年の火星メモ・遠近関係】
- 地球最遠の瞬時:2023年10月18日 18:12:55 JST、2.549780 AU
- 黄経合の瞬時:2023年11月18日 14:41:36 JST
- 地球最接近の瞬時:2025年01月12日 22:32:14 JST、0.642277 AU
- 黄経衝の瞬時:2025年01月16日 11:38:35 JST
このあと薄明空に木星と月が隣家の屋根から顔を出したので望遠鏡を向けてみましたが、雲が多過ぎ、シーイングもグチャグチャで地形や模様は見えませんでした。
今日の太陽 ― 2024/07/04
朝のうち雲が多めでしたが、日が高くなるとかなり減って蒸し暑くなりました。関東平野でこの時期特有の「急発達の積乱雲」も出るようになりました。気象庁アメダス速報値の本日0時から15時までの集計による夏日地点数は844、真夏日地点数は527、猛暑日地点数は61、酷暑日地点数は0、国内最高気温は静岡県静岡ポイントの39.3度。もちろん15時以降に最高気温となる地域もあるでしょう(後述)。
左は11:50ごろの太陽。昨日左下に現れた黒点周囲は活動領域13736と採番されました。右半球の複数プラージュが目立ちます。左下の浮いたプロミネンスは今日もまだ残っていました。よく飛ばされないなあ。
最高気温の話に戻りますが、当地は関東の東部に位置し、関西以西…例えば福岡と比べると、経度で10°、太陽の時角にして40′角(=南中時刻差に等しい)も差があります。このため同じ標準時・気象条件なら、より西側ほど「最高気温のピークが統計的に遅い」ことになるでしょう。関東ではだいたいどの地域でも15時には気温が下がり始めてますが、日本の西ほど15時以降にピーク達するケースが増えることになるわけです。あくまで幾何的に考えてますから、複雑系の筆頭である気象統計で必ずそうなるとは限りませんが、同じ時刻でも西側ほど午後の太陽が高い、日没が遅いことは確かなこと。日本は意外に広いんです。
左は11:50ごろの太陽。昨日左下に現れた黒点周囲は活動領域13736と採番されました。右半球の複数プラージュが目立ちます。左下の浮いたプロミネンスは今日もまだ残っていました。よく飛ばされないなあ。
最高気温の話に戻りますが、当地は関東の東部に位置し、関西以西…例えば福岡と比べると、経度で10°、太陽の時角にして40′角(=南中時刻差に等しい)も差があります。このため同じ標準時・気象条件なら、より西側ほど「最高気温のピークが統計的に遅い」ことになるでしょう。関東ではだいたいどの地域でも15時には気温が下がり始めてますが、日本の西ほど15時以降にピーク達するケースが増えることになるわけです。あくまで幾何的に考えてますから、複雑系の筆頭である気象統計で必ずそうなるとは限りませんが、同じ時刻でも西側ほど午後の太陽が高い、日没が遅いことは確かなこと。日本は意外に広いんです。