すさまじく尾を伸ばすカタリナ彗星2015/12/18

20151218カタリナ彗星(C/2013US10)
昨日は一日曇りで、時折小雨も降りました。夜になって雷が鳴ったのにはさすがに驚きました。春雷よりも冬の雷のほうが珍しいですよね。雷が通り過ぎるとぐーんと冷えて、冬らしい透明な星空が戻ってきました。明け方には気温がマイナスになりました。

カタリナ彗星(C/2013US10)ですが、本日から赤緯がプラス…つまり天の北半球へ入り、日本からはますます見やすくなってきました。なのに最近機材の不調が重なり、使いたい組み合わせで写真が撮れません。仕方なくごく普通の一眼デジカメ+180mm望遠で少し広めに撮ったところ(左)、彗星の尾がビックリするほど発達していることが分かりました。まさに災い転じて福となす…。いつも拡大写真ばかり撮っていたので気付きませんでした。白黒反転すると分かりやすいので、右下画像をご覧ください。

20151218カタリナ彗星(C/2013US10)
画角はだいたい横7°×縦5°で上方向が天の北です。(多くの方がこの半分以下の写野で撮っているのでは?)彗星頭部から右やや上に伸びるイオンテイルは画像の縁まで届いていますね。概ね5°程度伸びているということです。頭部自体はそんなに明るくないのにこれほど尾が長いとは…。

空の透明度が良かったのも幸いしていますが、街中でここまで写るのだから、山の上など光害が無いところではもっと写し取れるかも…。可能な方は月明かりの無いこの週末にぜひ狙ってくださいね。くれぐれも道路の凍結には注意してくださいませ。…それにしても人工衛星多すぎです(笑)

参考:
カタリナ彗星(C/2013US10)に関係する記事(ブログ内)

今日の太陽2015/12/18

20151218太陽
朝から良く晴れていますが、明け方氷点下になった気温が一気に暖まってきて、大気の揺れが少し大きいようです。

左は10:20頃の太陽。大きな黒点はしっかり残っています。太陽観察メガネのみで見える肉眼黒点として存在感がありますね。

20151218太陽リム
黒点の左上にあるダークフィラメントは、二日前の16日に左上リムに見えていたプロミネンスです。また左下のダークフィラメントも16日左下に見えたプロミネンスです。このまましばらく光球を飾ってくれると嬉しいですね。

絶好の月面X日和でした2015/12/18

20151218_08700月
一日良いお天気に恵まれました。空気は乾燥していたので、透明度が保たれたまま夕方を迎えました。日没前から空に上弦前の月が輝き始めます。そう、今日は絶好の「月面Xデー」です。

左は18:40過ぎの月。太陽黄経差は87.00°、撮影時の高度は48°弱です。大気はかなり安定して、時々フワッと揺れる程度でした。こんな美しい月はいつ以来でしょうか…。

画像中にはすでに月面Xや月面Vが見えていますね。撮影時点でX地形から見た太陽高度は-0.5°。計算上は日没頃からX地形に日が当たり始めているはずでした。

20151218月面X
ざっくり1時間おきに撮ったX地形周辺を原寸で三枚並べてみました(右)。少しずつクレーターに日が当たり、欠け際が変化していますね。それに応じてX地形も見やすくなっています。三枚目は少し雲が出てしまったので像が甘くなりましたが…いやぁ、月面は見れば見るほど面白いですね。

2015年の月面Xデー条件はかなり悪かったのですが、今日を境に2016年にかけてチャンスが増えるようです。次回は2016年2月15日夕方。また楽しむことにしましょう。

参考:
月面Xに関係する記事(ブログ内)
アーカイブ:月の形(黄経差72度以上、108度未満)