北天を飾るふたつのパンスターズ彗星2016/02/16

20160216パンスターズ彗星(C/2014S2)
現在の夜空…日本だけでなく世界中で見渡せる夜空のなかで、カタリナ彗星(C/2013US10)を除くとトップ3を飾っているのが「3つのパンスターズ彗星」です。明るい順に、それぞれC/2013X1、C/2014S2、C/2014W2という符号で区別されます。このうちC/2013Xは夕空低くなってしまい我が家からは狙うことができませんが、残り2つを今朝方まとめて捉えることができました。

20160216パンスターズ彗星(C/2014S2)
昨夕まで雨だったので、車のドアが凍り付いてしまった冷たい明け方でした。3時頃から望遠鏡を準備、まず撮影したのが左のパンスターズ彗星(C/2014S2)です。最近何度か撮っていますが、間もなく月が明け方まで残るようになるため、ここ数日が撮り納めですね。相変わらず尾がすばらしいです。(右の白黒反転だと尾の伸びが分かりやすいでしょう。)暗くなりつつありますが、計算上は先にカタリナ彗星のほうが暗くなってしまうので、我が家から見える一番明るい彗星となります。

20160216パンスターズ彗星(C/2014W2)
続いて、右画像のパンスターズ彗星(C/2014W2)です。位置がC/2014S2にとても近く、角距離は約25°しか離れていません。今朝の時点でどちらのパンスターズ彗星も北天のりゅう座に位置しています。また赤緯が60°以上あって、赤道儀の追尾エラーも少なくて済みます。

こちらのパンスターズ彗星も光度がピークから減光に転じる時期で、現在12等前半と思われます。ふたつの彗星の減光はゆっくりなので、もうしばらく楽しめそうですね。

今日の太陽2016/02/16

20160216太陽
朝から良く晴れています。午前のうちは風がありませんでした。

左は11:40前の太陽。右リムに近づいた活動領域12497は今日も明るく見えていました。相変わらず活発のようで、昨日に続き向こう24時間内にCクラスフレア11回、Mクラス1回を起こしています。

20160216太陽リム
この撮影50分ほど前もC3.5がありました。左下に立派なダークフィラメントが見えてきましたね。また右やや上リムに大きくて平たいプロミネンスも見えます。消えていくサイドなので惜しい!

霜柱の下の世界を見たことありますか2016/02/16

霜柱
昨夕まで雨だったので、気温が約-2度まで下がった今日明け方は至るところが凍り付いていました。アスファルトも濡れたまま凍ったためツルツルです。こういう朝に畑などの柔らかな土を見ると霜柱がたくさんできていますね。霜柱ができるには様々な条件が必要で、水分、気温の下がり方、土粒子の大きさなどうまい具合に重なると5cmくらい浮いてくれます。

背の高い霜柱を見つけると、その下をのぞきたくなります。まるで異世界への入口のようで、こどもの頃から好きでした。

霜柱
でもいまだに入口までしか行けません。いつか内部をじっくり観察してみたいと思っていますが、その方法を思いつきません。氷の柱に覆われた世界はどんな風なのでしょうか…。

今朝はとても寒かったけれど、わずか二日前は初夏のような陽気でした。異常なほどの気温変化でしたので、いつものごとくグラフを描いてみたくなりました。気象庁発表の茨城県つくば市におけるアメダス気温データ(10分値)を使って、12日0:00から今日16日0:00までの丸四日間描いたのが左下グラフです。

20160214気温推移
赤点線は各日の最高気温平年値、青点線は最低気温平年値です。つまりこの時期の気温変動は本来なら赤点線と青点線に収まるはず。ところが12日昼に上がった気温はあまり下がらないまま翌朝を迎え、更に上昇。これが14日午後まで続きました。バレンタインなのに明け方は16度、日中にはなんと23度越えです。チョコ溶けちゃうよ(笑)。その後24時間で20度近く下がりました。体が持ちませんね。この変動は全国規模だったので、みなさんのお住まいでも似た体験をしたことでしょう。

寒い日はもうしばらく続きますが、時々こういった暖かい日もやってきて春が近づくのを感じます。間もなく霜柱は姿を消すことでしょう。

アルデバランの掩蔽がありました2016/02/16

20160216月とアルデバラン
今夕に空を仰いだ方は、月の側に星があったことに気がついたでしょうか。この星はおうし座の一等星「アルデバラン」です。

実は本日、全国的に月がアルデバランを隠すという「掩蔽」現象が見られました。(→アーカイブ:1.5等星以上の掩蔽参照。)ただし現象そのものは空がまだ明るい内に終わってしまったため、望遠鏡で本格的な観測をした人でないと見えなかったでしょう。私自身も外出する用があったので見ることはできませんでした。

多くの方は「月がアルデバランを隠し終わって横並びになっている姿」を夕方になって初めて気がついたという訳です。左は空が暗くなりつつある18:15の様子。上弦過ぎの月が眩しいため、段階露光+マスク合成してアルデバランを目立たせています。目で見たほうが美しいですね。日本でのアルデバランの掩蔽は来年夏まで度々起こります。そのうち、夜に見えるのは今年の11月16日と来年2017年1月10日の2回だけのようです。

20160216_10501月
あらためて20:55頃に月単体で撮影しました。太陽黄経差105.01°、撮影高度55°弱、月齢は7.89です。前回この位相を撮影した2015年1月28日も、この時期にしては驚くほど揺らぎの少ない空でしたが、今夜も素晴らしくて前回以上の画像となりました。冬なのにたまにこういうことがあります。

昨日の月面Xデーから1日経って、もうX地形は全体に日が当たっていますね。パッと見たらどこがX地形か迷うくらい明るくなりました。

参考:
アーカイブ:月の形(黄経差72度以上、108度未満)
アーカイブ:1.5等星以上の掩蔽