2021年の台風2号が急発達中2021/04/16


20210416-0900台風2号
気象庁によると、一昨日14日3:00に発生した台風2号「スリゲ/SURIGAE」が、本日9:00に「強い」勢力になりました。2号は直前の台風1号発生から54日12時間後、1号消滅から50日18時間後に発生した台風で、今日9:00時点で発生から2日6時間が経過しました。発生以降発達しながらも北緯10°未満という低緯度を西進しており、まだ北上に転じる素振りを見せていません。

左画像は本日9:00の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、薄水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。赤点線円は台風中心の直径1000km円を表しています。画像上側左寄りに沖縄本島があります。

現在はパラオ諸島が台風圏内に入っており、今後は更に発達しながら大きく転進する予報です。先島諸島や小笠原諸島への影響が心配されます。どうか被害が出ませんように。

雲をかきわけ、うねる龍2021/04/04

20210404太いカルマン渦列
西日本を覆う真っ白な雲の中に龍みたいなのがいる!

今日4月4日の衛星画像をチェックしてて驚きました。気象衛星ひまわりでも分かりますが、左のNOAA20の画像が鮮明で迫力があります(NASA-WorldViewから引用)。九州(画像右側)から龍が飛び出したみたい。

こういうウネウネ、何と言って表現したら良いのやら。とぐろ…じゃないし、のたうつ…とも違うし…。一言で言い表すことばが見つかりませんね。

済州島にかかっていることから、これが東へ流れるカルマン渦列の派生だろうと察しが付くのだけれど、かつて見たこと無いような迫力があります。周囲の雲をかきわけているところがエネルギッシュ。ついついモニター前で見入ってしまいました。

今年5月から『平年値』が変更されます2021/03/28

気温・平年値の変化
気温や降水量を「例年に比べ…」などと表現する際に基準となる「平年値」。今年5月19日から全国の平年値が新しくなると気象庁から発表がありました。(→令和3年3月24日報道資料参照。

2020年7月9日の記事で「令和2年7月豪雨」のとんでもない降水量を取り上げた際、この平年値の変更について言及しています。

気象庁は平年値を「西暦年の1の位が1の年から続く30年間の平均値をもって平年値とし、10年ごとに更新」としているため、今年2021年は10年ぶりに更新されるわけです。いわばひとつの土地の「代表値」とも言える数値群ですから、必要な方は今のうちにこれまでの平年値を記録しておくことをお勧めします。全国とは言いませんから、せめてご自身が住む街や、気になる地域だけでも。これは地価などよりよほど生活を左右する数字なのですから。

既に新しい平年値も公開されています。前出報道資料からリンクされています。そこで早速、平年値同士を比較してみました。全国的な特徴は報道資料リンクに書いてありますから、ここでは当ブログ基準としている茨城県つくば市および県庁のある水戸市のピンポイント比較です。

冒頭左上図は「日平均気温・日最高気温・日最低気温」について、1981年-2010年平年値(以下、2010年平年値)と1991年-2020年平年値(以下、2020年平年値)との差分を比べたもの。2020年平年値が高ければプラスの値、低ければマイナス。結果はご覧の通り、年間ほぼ全ての日でプラスになりました。グラフが表示された途端、ゾッとしましたね。30年もの日々を使って均しているのに、差分マイナスになる日がたった1日だけなんですよ。最低気温も“据え置き”じゃないですし、7月の最高気温なんて1.4度も上がってます。

降水量/日照時間・平年値の変化
右図は降水量と日照時間の平年値差分。こっちは良好に分散してる…と思ってはいけません。やはり日照時間はほとんどがプラスになってるし、降水量がプラスマイナスにバラけてるってことは、雨期と乾期が両極化してるということ。グラフ上では10日から20日程度で上下しています。特に春から秋までが極端。

まだ比べていませんが、仮に年間総降水量が同程度としても、雨期・乾期の両極化は農業にとって大きなデメリットとなるでしょう。暑い時期に一週間一滴も雨が降らないのと、一日だけでも適量降るのとでは、作物管理に天と地ほどの差が出ます。平年値通りに機械的に日が照ったり雨が降るわけではありませんが、ここ数年、長期日照りや大雨で生産激減した農家のお話は、私の実家を始め至るところで耳にします。「農業なんてやってられん!」というお年寄りの話を聞くたび、胸が痛くなりました。

数十年の変化を持って地球温暖化などを語ってはいけません。でも当たり前ながら「気候はどんどん変わる」という歴とした事実は私たちの生活を静かに脅かすでしょう。家の中でエアコン生活している人は分からないでしょうが、人間社会全体として気象変化に十分対応できるほどの叡智を持ち合わせていないように感じます。 もっと長期に渡る「平年値の変化変遷」も調べたいところですが、今のところ気象庁から過去の平年値は公開されてないようです。(少なくとも無料では。)国民の基本情報ですから、ぜひ公開していただきたいと強く願います。(どこかで公開している情報をご存じの方はぜひ教えてください。)

通り過ぎる春の嵐2021/03/13

20210313地球観測衛星画像
嵐のような一日でした。

金曜夜から降り始めた雨は当初の予報より少なかったため完全に油断していたのですが、朝になって衛星画像を見てビックリ。左は気象衛星SuomiNPPの画像(NASA-World Viewより引用)。天気図を見る限り「発達した低気圧」には感じられませんでしたが、このフォルムはまるで台風のようですね。

明け方に三重県で今年最初の記録的短時間大雨情報が発令されました。昼間から夕方は関東にも大雨や雷、竜巻注意情報が発表され、当地・茨城でも雨脚・風ともに強く、お隣の千葉では冠水したとか。短時間で程度が軽いものの、ちょっとした気象パニックでした。前線を伴っていたり、風速が規定に達してないなど理由は有るのでしょうが、小型台風並みの状況だったのでしょう。

20210313-1500JST降水
右は気象庁サイトからの引用で、15:00の降水レーダー画像。渦を巻くように降水の強い地域が見て取れます。(動画で見ると面白いですよ。)桜は咲いていませんが、近所の梅の花びらがすっかり吹き飛んで、花散らしの雨になってしまいました。結局雨は20時台まで続きました。その後は急速に回復…。

20210313-2100JST気象衛星画像
1日分の気象衛星画像を追ってみると、昨夜から屋久島付近を起点としたカルマン渦列が綺麗に発生していました。昼間は一時見えづらくなりましたが、土曜夜になって再び良く見えました。右は21:00の気象衛星ひまわり画像・バンド7(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。

通常この渦列は風下に向かって直線状に並ぶことが多いけれど、今回は低気圧に向かう風が大きくカーブしていたせいか、渦列も急カーブしています。一番曲率が大きかったと感じたのはこの画像の12時間前、午前9時前後のようでした。