夕空で金星と水星が最接近しました2018/03/04

20180304金星と水星の接近
金星と水星が夕空での最接近を迎えました。午後遅くから西空に薄雲がかかり始めたので、天気が持つか心配でしたが、何とか雲に隠される前に観察できました。

左は二日前とほぼ同じ場所から同じ機材で撮影したショット。たった二日でもこんなに違うんですね。水星が金星と同高度になったので、10分から20分遅く撮影できます。このため背景が少し暗くなり、暗い水星もコントラストが付いて良く写るようになりました。

20180304金星と水星の接近
右は帰りがけに別ポイントから撮影したもの。よく晴れていても数十分間しか見えない夕方低空のスペシャル・ショーですが、この絶景を何人の方がご覧になったでしょうか?

金星と水星は共に地球より内側を回る「内惑星」。公転周期が早いため、地球から見た両惑星の会合自体は割と頻繁に起こります。ただし毎回条件が良いとは限りません。なぜなら「共に太陽に近いから」です。両惑星が接近するとき、両方とも太陽から離れているタイミングと重なるのは、平均したら年に一度程度です。

金星・水星の離角(2015-2021年)
左図は具体的に離角を計算してみたグラフ。ふたつの天体が「近いなあ」と感じるのは概ね離角5°以内(小型双眼鏡で一緒の視野に入る)だと思いますが、左グラフでは下部の薄水色の範囲です。グラフがこの範囲に入り、かつ濃いオレンジ色(両惑星が太陽から12°以上離れてる)のケースが「金星と水星の接近が見やすい」場合となるでしょう。近年では2015年に1回(→参考アーカイブ)、2016年に2回ありました。

次に見えそうなのは2019年の2回(4月中旬明け方・10月下旬夕方)です。低空まで良く見える場所を探しておき、ぜひ楽しんでくださいね。あっ、もちろん今回の接近もまだ二週間ほど楽しめますからご覧ください。

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