穏やかな快星夜に超新星をふたつ観察2018/03/12

昨夜から今朝にかけて、風も無く良い天気に恵まれました。スギ花粉がめっちゃ飛んでるようでしたが、がんばって超新星をふたつ撮影してみました。

下は撮影順に、NGC2146に出現した2018zd、NGC3941に出現した2018pv。2018zdは更に明るくなっており、13等台に達したようです。(撮影履歴:3月4日3月5日3月7日。)いっぽう2018pvは更に暗くなり、元画像では銀河中心から辛うじて分離しているものの、はっきりした星にならなくなってきました。(撮影履歴:2月10日2月13日2月24日3月7日。)この機材ではそろそろ限界です。もうひとつ山形の板垣公一さんが発見したSN2018aazも撮影したのですが、十分なコマ数が揃う前に建物の影になってしまいました。またあらためて早い時間に撮りたいと思います。

明け方にはすっかり細くなった月が登っていました。木星・火星・土星へ順に接近したはずですが、いずれも天気が悪くて見ることは叶いませんでした。夜明けのベガがもう天頂に輝く季節です。

  • 20180312_2018zd in NGC2146

    2018zd in NGC2146
  • 20180312_SN2018pv in NGC3941

    2018pv in NGC3941


今日の太陽と花粉光環2018/03/12

20180312太陽
久々に観察可能な時間帯に晴れてくれました。5日ぶりの太陽観察です。と言っても、静穏そのもの…。

20180312太陽リム
左は9:45頃の撮影です。活動領域はなく、兆候もありません。ごく小さなプロミネンスと、それから大変淡いですが左端やや下と右下に少し大きめのプロミネンスが見えています。

20180312花粉光環
夜のあいだずっと目や鼻がむずむずしていましたが、やはり太陽周囲に花粉光環が出ていました。でも思ったほど濃くはなく、強く強調処理しても右画像程度。時間帯によっても変動がありますから、油断は禁物ですが…。

20180312花粉光環(夕方)
(16時過ぎ追記)
16時ごろ物干し竿に太陽を隠しながら撮ったもの。案の定…とても濃くなっていました。特段強く画像処理しなくてもクッキリと縞が見えます。赤い環の三重目まで分かりますね。

阿蘇山は熱くなっているのかな?2018/03/12


20180311_1200JST気象衛星(赤外B7)
新燃岳の噴火以来、ライブカメラや衛星画像を頻繁に見るようにしています。昨日の画像をチェックしていたところ、おかしなものを見つけました。

左は九州付近を切り取った気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。昨日3月11日12:00JSTのものです。赤外バンド7なのですが、周囲より熱くなっているところを明るい白で表示しています。新燃岳は噴火以来(雲に覆われてなければ)明るく見えていましたが、その上のほう、阿蘇山付近も真っ白になっているではありませんか!

とうとう阿蘇山も噴火したのか!?と焦って気象庁サイトやニュースを一通りチェックしましたが、通常程度の地震回数や小さな噴煙が上がった程度の情報のみでした。まずはよかった、いつも通りだとホッと一息。しかしながら、通常でもこんなに「熱く」見えるものなのかと不安になりました。

九州の地図
右は九州中央の地図。スペースシャトルによる標高データ(SRTMGL3)を使って描きました。ひまわり赤外画像と照らし合わせると、阿蘇山やその外輪山に添って熱くなっている様子が分かりますね。気象衛星の赤外画像は普通「雲や陸地、海の冷たさ」を見るためのものですが、火山活動、大規模火災、爆発などが起こっていれば熱く表示されます。太陽光で暖まる程度ではここまで白くなりません。何らかのノイズなどではなく、明らかに「山が熱い」のだと思います。

時間を前後させて見てみると、11日10時頃から熱い領域が目立つようになって、19時半ごろには収まってきました。前日や本日は一切熱くありません。本当にこれが「通常状態」なのか、疑問が残ります…。

20180311Suomi/VIIRS
念のため地球観測衛星の画像も見てみると左の通りでした(NASA・WorldViewからの引用でSuomi/VIIRSの撮影)。これまたビックリ、新燃岳並みの噴煙が見えるではありませんか。これ、雲の色合いじゃないですよね?少し過去に遡ってみてみましたが、こんなに噴煙が出ていたシーンは見つかりませんでした。

私は関東に住んでいるので、九州の「通常」は分かりませんが、こういった風景を見慣れてしまったり、危機感を持たなくなることは怖いなぁと感じます。大きな災害は小さな兆候から始まるもの。いつも新鮮な目で自然を見守っていきたいですね。

2018年・阿蘇の野焼き
(追記)
詳細をご存じの方から教えていただき、この熱源は「阿蘇の野焼き」だったことが分かりました(左画像・阿蘇市の広報ページから)。天候不順のため延期され、3月11日実施になったとのこと。

野焼きや焼き畑は一般に害虫駆除、草原再生を目的としますが、「阿蘇の野焼き」は伝統行事ともなっているそうで、通行規制が敷かれ大規模に行われるようです。「阿蘇の野焼き」で検索をかけると山が燃えている画像にたくさん出会えますよ。昼間の作業でしょうが、鎮火後もしばらく地面は熱かったでしょうね。とにかく自然災害じゃなくてよかった!情報くださった方、本当にありがとうございました。

気象衛星ひまわり画像では東南アジアやインドの焼き畑・野焼きがはっきり写ることがあります。(→2016年10月26日の記事参照)火災と見まごうような状態で、動植物の疫病を防ぐ反面、煙害が問題視されたり森林火災に発展してしまうというリスクも抱えています。