中村さんの突発天体と火星を観察2022/11/01

20221031_TCP J02194236+3735540
三重県の中村祐二さんが10月30日22時前、今度はアンドロメダ座に15.5等の突発天体を見つけたとのこと。ただし報告時点で既にZTFからAT2022ywhとして報告が上がっていた天体(10月28日04:20:38.4UT/19.89等)と同一のもののようです。そうであれば二日あまりで一気に増光したんですね。

昨夕晴れていたので、月を撮影した後そのまま望遠鏡をチェンジし、目標天体が電線群を抜けた直後から撮影しました(左画像)。モニターでもはっきり分かる明るさでした。

20221031火星
更にその後、登ってきた火星を観察。ちょうど子午線湾が正面に来ていて、得した気分(?)になりました。でもシーイングはかなり悪く、常時風が吹いていて写野からはみ出てしまいそうなほどでした。天気が崩れる予報だったのですが、夜半過ぎまで持ちこたえてくれました。観察できて良かった…。

地球最接近まで残り一ヶ月、視直径は15″まで大きくなりました。これからシーイングは悪くなる一方ですから、直径が15%ほど大きくなることを差し引いても、今見えない地形が急に見えるようになることは無いと思われます。向こう一ヶ月の観察が勝負どころですね。

探査機Lucyの先回りをする・Part3(L4達成)2022/11/02

20221102小惑星Leucus
昨日の当地・茨城は曇り。近隣では雨が降ったところもありました。私のところも小雨に見舞われ、絶好の月面Xディも観察できず。

そのまま今日まで曇りかと思いきや、夜半過ぎ頃から急速に回復したのには驚かされました。明け方の霧が心配ですが、せっかくの晴れ間なので小惑星探査機Lucyの目標天体で、撮り残していた小惑星Leucusに望遠鏡を向けました。

機材の準備中から結露が始まり、ガイドも不安定、おまけにLeucusが露出中に子午線通過するバッドタイミングでした。撮影開始時に遠くの街を覆っていると思しき霧の塊も次第に近づき、やがてすっかり星が見えなくなりました。予定した露出の7割ほどでしたが、仕上げてみるとぎりぎり写っているようです(左画像)。画像はノイジーになったけれど、取りあえずほっと一安心。ちなみに撮影時の予想光度は約18.3等でした。

これで小惑星探査機LucyのL4目標である4天体の撮影は達成しました。L5その他の目標天体はいま見えない位置のため2024年夏以降に再挑戦することになるでしょう。モチベーションを保てるか分かりませんが、またやってみたいと思います。今回撮影した小惑星たちも再挑戦するかも知れません。

参考:
探査機Lucyの先回りをする・Part3(L4達成)(2022/11/02)
探査機Lucyの先回りをする・Part2(2022/10/31)
探査機Lucyの先回りをする(2022/10/30)

今日の太陽2022/11/02

20221102太陽
朝のうち霧が残りましたが程なく晴れ上がり、暑いくらいの陽気となりました。

20221102太陽リム
左は10時過ぎの太陽。赤道近く、左寄りの黒点群は13136と採番されています。北半球のペア黒点13135は中央に近くなりました。今日は南半球のフィラメントがやたら目立ちますね。左上リムにやや大規模なプロミネンスが見え出しました。

昨夜の月2022/11/03

20221102_10525月
昨夜から今朝にかけても雲の多い空。宵のうち少しだけ雲の切れ間があったので月を撮影できました。

左は19:30頃の撮影で、太陽黄経差は約105.25°、撮影高度は約34.15°、月齢7.99。28時間ほど前に上弦を迎えているので欠け際がすっかり膨らみ始め、直線壁まで日が当たり始めていますね。前の晩は曇ってしまい月面X&LOVE地形の出現が全く見えませんでした。この画像ではかなり明るくなってますが、まだ各地形の存在を確認することができます。

秤動のおかげで東リム側のフンボルト海やスミス海などが非常に良く見えます。2022年5月11日記事で取り上げたヒラヤマ・クレーターまであと少し。来週の皆既月食には部分月食の終わり近くに地球影が抜けてゆく少し北側にヒラヤマを含むサテライト・クレーター群が見えている計算ですから、皆既が終わってもすぐ望遠鏡を片づけたりせず、わずかに欠け始まるリム沿いの地形を探してみてください。