オリオン宇宙船・飛行6日目の画像より2022/11/25

20221121オリオン宇宙船画像-art001e000345
飛行6日目を迎えたアルテミス1・オリオン宇宙船の撮影画像が15枚あまりNASA・アルテミスのFlickrに届いていましたので、また場所を特定してみたいと思います。

今度はかなりクローズアップなので強敵です。しかも月面撮影用に調整されたカメラではなく、光学航行システム用の画像なので画質が荒い…。でもまぁ、だいたいどのあたりを飛んでいるか、撮影日の月相や太陽方向がどちらかが分かれば絞り込むことはできますね。ぱっと見て地形の影がほとんど見えないことから、高緯度地域ではなく、太陽光がたっぷり照射している月の赤道付近だと分かるでしょう。

たくさんある中から「art001e000345」(左上画像)と「art001e000341」(右下画像)を選び、どのあたりか示します。下1画像はNASA-MOON TREKからの引用で、豊の海から月面裏側にかけての全体地図、下2画像は下1画像の緑矩形を拡大したもの。下2画像内のAからGまでのクレーター位置がアルテミス画像内に書かれているマーカーに対応します。参考までにABを含むクレーターはPannekoek、CはDellinger、FはChaplygin。残りの画像もこれらの周辺ですから、重複して写っている地形が見つかればすぐ分かりますよ。

20221121オリオン宇宙船画像-art001e000341
一連の画像以外は公開されていませんからはっきり分かりませんが、少なくともオリオン宇宙船の光学航行カメラは月の赤道付近の地形をとらえつつ位置や方向を見定めているのかも知れません。今のところ月周囲にGPSのような測位システムは構築されていませんから、宇宙船が自身の位置をどう把握するかは地球周回衛星より難易度がずっと高いはずです。

MOON TREKの月面図は上方向が月の北極方向で、まっすぐ見下ろした直交座標地図として整っているけれど、アルテミス画像は月近くから月縁に向かって斜めに撮影してる上に視線に対して傾いていますので、頭を柔らかくしないとなかなか特定できませんね。ジグソーパズルよりもたちが悪い(?)。私は特殊なAI認識ソフトなどを使った訳じゃなく、ひたすら月面図とにらめっこして1時間ほどかかりました。みなさんも頭の体操のつもりでやってみてください。

  • 20221125_Moon-Trek-1

    1.MoonTrek月面マップ1
  • 20221125_Moon-Trek-2

    2.MoonTrek月面マップ2


今日の太陽2022/11/25

20221125太陽
昨夕から今朝は雲量3割から9割を行ったり来たり。一時的な小雨もあり、天体観察は無理でした。本州の大部分が晴れていても当地・茨城や千葉の一部で曇りや雨のことが少なからずあります。今年は特に多い気がします。朝からはよく晴れていますが、透明度が若干落ちています。

20221125太陽リム
左は10時頃の太陽。昨日見えていた左上の小黒点周囲は活動領域13152と採番されました。その他の活動領域は昨日同様右半球に固まっています。南半球のダークフィラメントも相変わらず素晴らしい。左端の豪華なプロミネンスは昨日のものと位置が違うんですが、昨日に負けないくらい凄いですね。