月夜でも写る小惑星リュウグウ2020/09/29

20200929小惑星リュウグウ
昨夜から今朝にかけて、晴れと曇りが交互に繰り返す空でした。いったんよく晴れ渡っても何分持つかは分かりません。いつの間にか月齢が11を越え、もう満月期に差し掛かっています。暗い天体が撮れなくなるため、イチかバチか、小惑星リュウグウに望遠鏡を向けました。9月13日以来の撮影です。

時折吹く3/m前後の風や通過する雲を除けば、まずまずの星空。月明かりがあっても、リュウグウは難なく写ってくれました。計算上の等級は17.2等。8月29日の初撮影から比べると1.5等も明るくなり、また移動方向もぐんぐん変化しています。

定期的に望遠鏡を向けると急激に接近して見やすくなってることを実感できるでしょう。なにしろリュウグウは地球近傍小惑星(NEAs = Near Earth Asteroid)であり、かつ、潜在的に危険な小惑星 (PHA = Potentially Hazardous Asteroid)ですからね。

並の夜空で写るようになってきた小惑星リュウグウ2020/09/13

20200913小惑星リュウグウ
昨日は明け方まで雨が降り、日中もほぼ曇っていました。でも夜半前には回復して明け方まで数時間安定した星空が続いてくれました。

折角のチャンスなので火星を観察しようかと思いましたが、シーイングが芳しくありません。明け方の凪に期待して火星は後回しとし、ちょうど天頂を通過した小惑星リュウグウ(162173)を狙うことにしました。

前回8月29日の初撮影では絶好の透明度とシーイングに助けられ、私の機材では限界以下の予報光度18.8等で捉えることができました。今朝方は予報光度18.0等に近くなったので「並の快星」でも写るかどうか確認する意味もありました。急激な気温低下(いつもより5度も低くなった)で撮り始めにピントが安定せず苦労しましたが、いざ撮ってみると街の光害地でもはっきりした星像です(左上画像)。全体の露出もひとコマの露光時間も前回より短くて済みました。

移動の向きがだんだん変わり、これから初冬にかけて緩やかに明るくなります。狙えそうな機材をお持ちの方はぜひチャレンジを。なお、撮影終了頃から急に雲が空を覆ってしまい、火星観察はお預けになりました。

街中から小惑星リュウグウをとらえた!2020/08/29

20200829小惑星リュウグウ
探査機「はやぶさ2」が地球帰還の途についていることは周知のとおりですが、探査対象となった小惑星リュウグウ(162173/1999 JU3)も一緒に地球へ接近しています。(※リュウグウは地球近傍天体=NEO、潜在的に危険な小惑星=PHAのひとつです。)これに伴い、今年晩秋から初冬にかけてアマチュアの望遠鏡でもギリギリ撮影できる16等後半程度の光度になるでしょう。

自分の望遠鏡や撮影環境だと9月中旬頃から写せるかなあ…などと考えていたら、星仲間の(の)さんから「今夜は良い空だから写ったよ」とのお知らせが。空を見ると確かに揺らぎや霞が少なく、この夏一番と言ってもいいほどの星空でした。(月があるのに、街中からはくちょう座やカシオペア座付近の天の川が見えました。)ダメ元でRyuguに望遠鏡を向けてみようと思いたち、月没を待って撮影開始。航海薄明近くまでたっぷり3時間露出しました。

小惑星の予報光度は18.8等から18.9等。一度も挑戦したことのない未知の領域です。口径わずか20cmの光学系ですから単純に露出を伸ばすだけではダメで、様々な工夫が必要でした。その甲斐あって、予報位置ぴったりに暗い小惑星が姿を表したのです(左上画像)。一晩前に撮影した小惑星Gaultは肩慣らしのつもりでしたが、次の日こんなにあっさりRyuguに巡り会えるとは驚き。予定より二週間早くファーストコンタクトを成し遂げました。はやぶさ2を讃えるのはもちろんですが、役に立ってくれた小惑星リュウグウにもぜひ目を向けてくださいね。

かつて尾を伸ばしていた小惑星Gaultは今…2020/08/28

小惑星Gault(6478/1988 JC1)
昨夕は比較的透明度の良い空。日中に酷く疲れていたこともあって月没まで仮眠し、月明かりの影響が少ない時間帯に暗い天体の観察をしようと考えていました。ところが夜半をすぎる頃からビミョーな雲行き…。

ひとまず真夜中から望遠鏡を向けたのは小惑星Gault(6478/1988 JC1)。覚えていらっしゃるでしょうか、2019年始めから春頃にかけて「長い尾を伸ばす小惑星」として話題になりました。この小惑星、ちょうどいま増光しているのです。去年話題になった頃より明るくなっているので、現在の様子を確かめようと思ったのでした。

撮影画像は左上の通り。一般的な小惑星のように点像でした。反転したりコントラストを上げたり、散々画像処理してみても尾らしい光は見当たりません。またそのうち何かがぶつかって尾を伸ばすことを期待しましょう。ま、Gaultに限らず小惑星はたくさんありますからね。

ところで、この撮影中から局所的な雨雲が点在し始めました。予定の半分も撮影できずに雲がやってきて終了。まだ雨は降りそうもなかったので雲を使ってフラット撮影。ところが何枚か撮ったところでポツポツ降り始めてしまいました。こういう浅い雨をやり過ごす用に大きめの自転車カバーを用意してあるので、急いで覆いました。

読み通り雨雲は20分程で去ったのですが…なんと、満天の星空が戻ったのにまだ雨が続いています。大雑把に言うと、小さい雨粒(地面や樹木の葉にあたっても音が聞こえない程度)は毎秒約5mの落下速度ですから、上空500mの雨雲からまっすぐ落ちるなら1分半以上、水平に流れたり巻き上げられたりしてたら数分はかかると考えられます。完全に雨が途切れて望遠鏡のカバーを外すまで10分以上待たされました。どんな落下コースだったのでしょうか?満天の星を見ながら顔が洗えるくらい濡れることになろうとは…。山で星見のおりに風向きの関係で星空に雪が舞った体験はありますが、今回のような雨は初めてでした。

20200828火星
そのあとフラット撮り増しを行いましたが、どうにも達成感がありません。せっかくなので、次の大きな雨雲が来るまでの30分間、火星に望遠鏡を向けました(右画像)。雨が降るまでシーイングが良かったのに、その後大気が揺らめきだしてしまったのは残念ですが、ひとまず小さな極冠のきらめきを眺めることができました。

既に昇っていた金星やオリオンなどもよく見えました。冬ほどではないにしろ、透明度だけは明け方まで良かったようです。