またしても板垣さんが超新星候補発見2019/12/01

20191201_AT2019vsq in NGC2308
昨夜も晴れていましたので、12月1日になったばかりの夜半すぎから新天体の撮影を行いました。

29日22時半過ぎ、やまねこ座のNGC2308に17.9等の超新星候補を発見したのは、またしても山形県の板垣公一さん。11月24日明け方のコップ座NGC3514の超新星に続く発見です。2時頃に子午線を通過するので、その前にするか後にするか悩みましたが、今日から天気が下り坂と聞いていたので、早めに行動しました。前夜ほどシーイングは悪くありませんでしたが、それでも星が肥大してガイドエラーも目立ちますね。

新天体は少し青みがかって見えます。周囲の似た色の星と比較して17等後半と見積もりました。銀河内のすぐ南側に16等台の星があり、シーイングがちょっとでも悪いと分離しなくなってしまうでしょう。よく見つけたものですねぇ…。すばらしい!画像右側の輝星はやまねこ座16番星(4.9等)。スペクトルA型でBV色指数がゼロに近く、とても青白いですね。ぎょしゃ座との境界付近にあり、ぎょしゃ座ψ10星とも呼ばれるようです。この写野は小銀河が多く、はっきり見えるものだけでも20個を越えます。

このあと彗星でもと思っていたら2時前に雲が一気に押し寄せ、その後回復することはありませんでした。早めに撮影スタートして良かった良かった。

今日の太陽とハロ現象2019/12/01

20191201太陽
朝から雲が多く、正午前までは日差しが少ない12月初日となりました。その後突然青空が広がったので、なんとか太陽観察できました。

20191201太陽リム
左は12時の太陽。活動領域はありません。リムに何ヶ所か小さな規模のプロミネンスが見えます。ど派手なものは出ていないようです。画像処理していると、太陽の見かけが随分大きくなっていることに気がつきます。

14時頃になると空模様が怪しくなってきました(下A画像)。気象光学現象が何か見えないか一応観察。ごく淡い幻日の様なものが一瞬見えた気がしましたがノーカウントですね。内暈すら出ていません。天頂近くを凝視していると、ごく淡い環天頂アークが見えました。念のためカメラに収め、強調してみたのが下B画像の上側。強調してもこの程度です。更に強調の上塗りをしたら(下B画像の下側)、どうにか虹色が目立ってきました。このレベルになると、出現場所が分かっていても視認できる方は少ないと思われます。



  • 20191201天気下降

  • 20191201環天頂アーク



天気が崩れる前に月を眺める2019/12/02

20191201_05737月
昨日午後遅くから天気が崩れ始めたけれど、なぜか宵のうちは雲が途切れていました。薄暮がおさまると共に美しい月が見えていたので、思わず望遠鏡を向けてしまいました。

左は17:10前の撮影で、太陽黄経差は約57.37°、撮影高度は約28.8°、月齢4.71です。思っていたほど大気の揺らぎはひどいものではなく、この月相にしてはかなり解像度の良い画像に仕上がりました。

位相が逆ですが、ちょうど月面Kやオニール橋付近にたっぷり光が当たり始めており、地形の様子を確かめることができます。右上付近が中央に寄る秤動だったため、フンボルト海が丸ごと見えていました。明暗境界に山が多く、デコボコがいっそう際立っています。

このあと再び空模様が怪しくなって、夜半前にはすっかり曇ってしまいました。

参考:
アーカイブ:月の形(黄経差36度以上、72度未満)

今日の太陽2019/12/03

20191203太陽
昨日関東にちょっとした嵐の様な雨をもたらした低気圧は東へ去りましたが、その雲は今日明け方まで残っていたため昨夜は星が見えませんでした。今朝からはよく晴れています。まっ白な富士山が遠くに見えました。

20191203太陽リム
左は10:10前の太陽。活動領域はありません。目立つプロミネンスもゼロ。極めて静穏な太陽です。

観察中、近くの樹木から「カタカタ…カタカタ…」という音が聞こえました。しばらく様子をうかがっていたら、ジョウビタキが姿を現してくれました。毎年冬になると近所を飛び回っています。嬉しいお客さまですね。