静岡の西村さんが新天体発見2019/12/24

20191224-TCP J02153006+5717542
昨夕から今朝にかけて久しぶりに良い天気。昨日朝まで降っていた雨の影響で湿度が高く透明度が悪いものの、新月期の晴れ間は貴重です。いくつかのテーマで星空観察しようとあれこれやっていたところ、新天体発見の情報が入ってきました。段取りを一部変更し、その天体を撮影することにしました。

23日17時半過ぎに突発天体を発見したのは静岡県の西村栄男さん。ペルセウス座の二重星団すぐ側で、発見光度は12.1等とのこと。左画像は随分拡大してますので二重星団の一部のみ左下に写ってます。撮った範囲は右下画像の緑矩形のところ。「h-χ」のうちh側(西側)の近くですね。

二重星団
この発見報告から少し経って、実は自動捜天システムASAS-SNが一日前にもう発見報告して「AT2019xim」という符号が既に付いていたことが分かりました。1日経ってからの西村さんの発見が独立発見として認められるかどうかは分かりませんが、機械と競り合えるほどの捜索者の鋭眼は本当に素晴らしいのひと言です。

さて、撮影しようと思っていたテーマのうち、彗星をふたつ下に掲載します。ひとつは物凄く立派になっているパンスターズ彗星(C/2017T2)。背景が迷光で赤くカブっているように見えますが、Sh2-205という広い散光星雲のど真ん中(いちばん濃いところ)を横切っているためです。明るめに処理すると長い尾だけでなく緑色のコマまで浮き出てきました。久しぶりに彗星らしい姿です。この画角は縦方向短辺が約0.5°角で、尾の長さはその半分に達しています。光害ある街中+悪い透明度でこれだけ写るのですから、山にでも行けば最高でしょう。

もうひとつは明け方南中する様になったシューメーカー第3彗星(155P)。少しずつ明るくなってはいますが、写り具合が透明度に左右されてしまうのが惜しいところ。西向きの尾は今回ほとんど写りませんでした。

  • 20191224パンスターズ彗星(C/2017T2)

    A.パンスターズ彗星(C/2017T2)
  • 20191224シューメーカー第3彗星(155P)

    B.シューメーカー第3彗星(155P)


今日の太陽と明け方の細い月2019/12/24

20191224太陽
クリスマスイヴの本日は朝から良い天気。低空に薄雲が湧いていますが、気にならない程度です。

20191224太陽リム
左は10:30過ぎの太陽。なんと!光球左下に黒点がありました。今日の時点でまだ採番されていないようですが、もう立派な活動領域です。磁場がはっきり見えないのですが、S極先行のようですので、第25太陽周期に属するようですね。プロミネンスは左下リムにごく淡いものが確認できます。(※あとからSpaceweather.comで確認できましたが、S極先行で間違いなさそうです。また北半球にも小さな黒点ができたようですね。20日に見えたフレアや白斑の場所と同一だと思われます。)

20191224明け方の月
ところで、今朝方細い月が登っていましたのでカメラに収めました(右画像)。多段階露光法で光っている側から地球照まで1枚に合成したのに、盛大に出たモヤモヤ光のおかげであまりうまく行きません。湿気が多く、低空がやや霞んでいたせいかも知れないし、機材の一部が曇っていたのかも知れません。地面や周囲の車両などはビショビショで、一部凍ってました。

26日の日食まで残り二日ですが、天気は芳しくないようです。日食に向けて着々と身を削りつつあるお月様ですが、明日からもう雲が出始める天気予報。うむむ、雲越しでもいいからチラッと見えないでしょうか???

NOAA_shmi_maglc_fd_20191225_013429
(25日午後追記)
上述したふたつの黒点群が採番されました。左画像はNOAA-Solar Monitor.orgよりSDO磁場画像。両方とも25太陽周期です(12753:南半球でS極先行/12754:北半球でN極先行)。

今年最後の活動領域になりそうですが、クリスマス&年末年始に合わせて、とてもおめでたいですね。(本日当地は曇ってて観察できませんでしたが…。)