令和元年最後の満月2019/12/13

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昨日12日は令和元年最後の満月日でしたが、満月の瞬間は昼過ぎでしたから日本から見えません。そこで、12日明け方と12日夜との二回に分けて撮影する計画を立てていました。

12日明け方は直前まで小雨の降る雲の多い空でしたが、夜半から一転して快晴。シーイングもまずまずだったのですが湿気が酷く、明け方に向かって霧夜の様に透明度が悪くなりました。一応撮影しましたが、機材の調子が悪かったこともあり満足な仕上がりに至りませんでした。

いっぽう12日夜は夕方から雲が広がり、ようやく晴れてきた夜中近くなると今度は6m/sを越える強風…。仕方なく拡大撮影+モザイク合成方針をあきらめ、全球1枚撮り+多数コンポジットに切り替えました。日付が13日になってもまだ風がおさまらないため、気休めに傘を差して風よけにしながら挑みます。

そんなこんなで苦労して仕上げたのが左画像。13日0:30過ぎの撮影で、撮影時の太陽黄経差は約185.32°、撮影高度は約73.9°、月齢16.02。東側(右側)が欠け始まっています。色彩を強調した、いわゆるミネラルムーン色調にしてみました。やはり満月時は発色が良いですね。実に多様な色合いに満ち溢れており、地上に輝くイルミネーションよりよほど美しいと感じます。当地・茨城で月の撮影高度が70°を越える機会はなかなかありませんので、シーイングの影響や大気による色収差が少ないことも幸いでした。

この満月ですが、2019年11月13日の記事に書いた様に今年の満月では「いちばん標準的な大きさ」でした。前述しましたが撮影時は満月瞬時から半日過ぎていたため、計算上の地心距離は381226km。少しだけ平均より近くなっていますが、視直径はほとんど変わりません。今回の機材ですと画角にピッタリおさまるので好都合でした。(スーパームーンでは画角からはみ出ます。)今後はしばらく「満月瞬時の月距離と平均公転半径との差」が数千km以内におさまる機会がありません。次のチャンスは2026年3月の満月以降でしょう。

【激難クイズ】
この画像で「月面X」の地形はどこでしょう?「月面V」「月面K」なども探し当ててください。「月面グー」は簡単ですね。