ボリソフ彗星の位置がずれていた2019/11/01

20191101ボリソフ彗星(2I・C/2019Q4)
昨夕は雲が出て、雲間から月と木星の接近をチラ見した程度でしたが、夜半からは快晴になりました。前夜より透明度が落ちていたため悩みましたが、思い切ってしばらく見てなかったボリソフ彗星(2I・C/2019Q4)の様子見を行いました。

天候悪化のため三週間ぶりになりましたが、尾の向きが分かるくらい結構明るくなっていました(左画像)。ただ、透明度の悪さが影響し、著しくコントラストの出ない画像になってしまいました。撮影後は霧に包まれてしまったほどですから、これは想定内。

ただ、思ってもみなかったことが起こってしまいました。左画像を見ての通り、予想位置にいなかったことです。(画像中央にいるはずと思って撮影しました。)15等以下の彗星などモニター画面で全く見えない様な天体を長焦点で撮る際、位置や移動の向きを間違わない様に事前のチェックが大事。特に発見直後の彗星は軌道要素が不確かですから、適切なスパンでの更新が欠かせません。

ボリソフ彗星はこれまで5、6回撮影しており、位置も問題ありませんでした。10月10日撮影の際に軌道要素を更新していたので、今回はそのままで問題ないだろうと考えていたら、なんと8′角もずれてしまいました。明るい天体ならレイアウトの段階で微修正できますが、モニターできないときは見えている恒星だけが頼り。500mm程度の短焦点望遠鏡なら気にもならない量ですが、1500mmを越す様な望遠鏡で8′角もずれると致命的。昨夜撮影したパンスターズ彗星(C/2017T2)のようにシフトさせたレイアウトだったり、移動方向によっては画面からはみ出てしまったでしょう。

どうやらボリソフ彗星の地球接近に応じて常識が通じなくなってきたようで、「月一回の軌道要素更新」程度では済まなかったということ。観測の都度、星図ソフトのデータを最新に更新するか、オンラインで最新位置を計算してくれるJPL-HORIZONSなどを利用するしかありません。迂闊でしたが、良い勉強になりました。ボリソフ彗星を観察できるのも残り1ヶ月ほど。貴重なチャンスにミスしない様、注意しなくては。

今日の太陽2019/11/01

20191101太陽
朝のうち霧が出ていましたが、二日前の濃霧ほどではなく、すぐ晴れてきました。昼にはうららかな秋晴れとなっています。関東の朝は快晴が長続きして放射冷却が進行する様になるまで、しばらくは湿度が上下しながら結露と蒸発が繰り返されます。星を見る人にとってはちょっぴり辛いコンディションですね。

20191101太陽リム
左は10時頃の太陽。昼時点でまだ採番されていませんでしたが、光球左下の明るくなっているところに小さな黒点ができていました。新たな活動領域になるかも知れません。南半球で先行S型なので、第25太陽周期のものと思われます(→2019年10月6日記事参照)。プロミネンスは目立ったものがありませんが、右やや上リムに出てますね。

今日から11月。穏やかな晩秋になってほしいものです。

(追記)今日は福岡・熊本・下関・大分・松江・鳥取で黄砂観測。

ボリソフ彗星や赤い星々の撮り直し2019/11/02

20191102ボリソフ彗星(2I・C/2019Q4)
昨夕から今朝にかけて、とても良い星空となりました。前夜と違って湿度が20%も落ち、結露はあまり目立ちませんでした。せっかく透明度が良いため、前夜に位置を失敗したボリソフ彗星(2I・C/2019Q4)を撮り直しました。

さすがに今回は予報通りの位置でど真ん中に写ってくれました(左画像)。光害地からの撮影、しかも、あまり高い空ではく、おまけに16等台の暗い彗星…。コントラストは低いけれど、これだけ写ってくれれば申し分ありません。

彗星が昇るのを待つ間、先日天気が崩れて観察できなかった赤星リレーのうち、クリムゾン・スター(うさぎ座R星)を撮影(下A画像・中央の赤い星)。似た色の比較星が近くになくて測りづらいけれど、6.5等より若干暗い程度でしょうか。427日ほどの周期ですから、ちょうどピークを迎えているはず(日本変光星観測者連盟による予報は10月16日)。

20191102_R Lep Obs by AAVSO
右図はアメリカ変光星観測者協会(AAVSO)による観測データを元に描いた過去1000日間のクリムゾン・スター光度変化グラフ。ピークを過ぎてる様な、過ぎてない様な…。

色の比較として、同じうさぎ座の「青い星」であるλ星(下B画像)、およびルビー・スターの異名を持つおうし座CE星(下C画像)も撮ってみました。色フリンジが出やすい光学系なので収差ぶんを差し引いて見なくてはいけませんが、色の違いは眼視観察でもよく分かります。

参考までにB-V色指数を比べると、プレアデス星団の星々が-0.1未満、うさぎ座λ星は-0.25(数字が小さいほど青味が濃い)。またくじら座ミラは0.98、ケフェウス座ガーネット・スターは2.24、今回のクリムゾン・スターは2.71(数字が大きいほど赤味が濃い)。今回はソフトウェアで色滲みを付加しましたが、うまく色合いを出す撮り方がないものか、あれこれ悩んでいます。

  • 20191102_R Lep(クリムゾン・スター)

    A.うさぎ座R星(クリムゾン・スター)
  • 20191102_λ Lep

    B.うさぎ座λ星
  • 20191102_CE Tau(ルビー・スター)

    C.おうし座CE星(ルビー・スター)


今日の太陽2019/11/02

20191102太陽
明け方まで晴れていましたが、午前中は雲が出ました。日差しは穏やかながら、ときおり冷たい風が吹きます。暖かくなったせいか、昼以降はやや霞が強くなりました。

20191102太陽リム
左は10:30頃の太陽。中央左下の活動領域は12750と採番されました。久しぶりの領域、しかも来期の領域です。じわじわと太陽周期が交代していますね。プロミネンスは右下のものが目立っていました。

撮影中に光球を横切るトンボがとても目に付きました。

(追記)今日は福岡・下関・大分で黄砂観測。