明け方に月・金星・土星が接近、ついでにカタリナ彗星も2016/01/07

20160107月・金星・土星の接近
昨夜の茨城県南部はずっと曇っていましたが、今朝明け方4時前から雲が切れ始めました。もし晴れた地方にお住まいで早起きできた方は、夜明けの細い月と金星とが大接近していたことにお気づきになれたでしょう。 そしてもうひとつ、金星のすぐ下には9日に超接近を控えた土星もいたんですよ(左および右下画像/露出が長いので月の暗い側も光って写っています)。

20160107月・金星・土星の接近
今朝の月・金星・土星の接近は、三天体の接近としては昨年10月下旬の金星・木星・火星についで近い現象でした。ここ数年に範囲を広げても三天体接近・第二位の近さ。3つの天体が手のひらでいっぺんに隠せてしまうなんてすごい事です。ぎりぎりまで曇っていたことを考えれば、奇跡的な光景に出会えたのは何にも代え難い宝物です。

右下の月拡大画像は明るくなってきた6時過ぎに撮ったもので、太陽黄経差321.42°、撮影高度は23°足らず。低い上に大気の揺らぎも大きかったですが、細いのに凛とした姿は本当に格別の美しさです。今日は月と金星が近いので「昼間に月を使って金星を探せる日」、更には9日の超接近を事前練習できる日です。晴れていてお時間があれば、ぜひ空を見上げてくださいね。

20160107_32142月
さて、曇り空が回復してすぐ夜明けが始まってしまいましたが、そのわずかの時間になんとかカタリナ彗星(C/2013US10)を撮影できました。4:30の時点で高度はもう60°を越えていて、望遠鏡への導入に首が痛くなります。月明かりもほとんど影響が無くなりました。今朝は透明度の回復が十分ではなかったためすっきりした星空ではありませんでしたが、これで冬の透明な空が戻ってきたら最高だったでしょう。

下画像は1月5日の撮影と同じで、500mm+APS-C、画角は約2.7°×1.8°、上方向が天の北方向です。また下右画像は下左の白黒反転です。カタリナ彗星のイオンテイルはもうほとんど写ってくれません。尾が伸びていることを期待する構図はそろそろ終わりなのかとも考えます。ダストの尾がかなり伸びて写野に収まっていないので、これからは南向きの尾に焦点を当てるべきかも知れませんね。何度かこのブログでお伝えしましたが、今週末から次の上弦の月頃までがカタリナ彗星の見ごろのピークです。まだご覧になってない方はお急ぎくださいね。

  • 20160107カタリナ彗星(C/2013US10)
  • 20160107カタリナ彗星(C/2013US10)

参考:
アーカイブ:多天体の接近現象
アーカイブ:月の形(黄経差288度以上、324度未満)
カタリナ彗星(C/2013US10)に関係する記事(ブログ内)

今日の太陽と昼間の金星探し2016/01/07

20160107太陽
昨日の天気が嘘のように、朝から良く晴れています。少しだけ風も吹いています。

左は10:20前の太陽。まず目に付いたのは左側に見えてきた明るい活動領域。
20160107太陽リム
ここには12480という番号が付けられました。小さな黒点を伴っているようで、今後が楽しみ。それから右側に大きなプロミネンスも見えていますね。昨日はお天気が悪くて観察できませんでしたが、元は一昨日の右縁近くにあったダークフィラメントのようです。

20160107昼間の月と金星
さて今日は月と金星が近い日。(→明け方の様子はこちら。)太陽観察のついでに月と金星も探してみました。今日は透明度がそれなりに良かったので、月はすぐ見つかりました。そしてすぐ下にある金星も発見(右画像)。こんなに探しやすい日はなかなかないです。(※ついでに土星も写してみましたが全く写りませんでした。)

次の金星の外合(6月7日)までに月と金星が近くなるのは3回(太陽に近すぎる時期は除く)。そして3回とも月と金星がかなり離れているか、月が太陽にだいぶ近くて探し難いという悪条件。つまり今期の「月を使った金星探し・初心者向け」は今日で終了。次の好条件は約1年後の2017年1月2日(太陽の東側)となります。

参考:
アーカイブ・昼間に月と金星が近い日