アーカイブ:多天体の接近現象一覧(目次)1970/02/10


2015年から2030年まで、月、水星、金星、火星、木星、土星のうち3天体以上が所定の条件を満たしつつ見かけ上接近する日をまとめました。 1年単位(時系列)のリストになっています。どうぞご利用ください。 なお2天体の接近についてはアーカイブ:天体の接近現象一覧をご覧ください。

1年ごとのカレンダー
2015年
2016年    2017年    2018年    2019年    2020年
2021年    2022年    2023年    2024年    2025年
2026年    2027年    2028年    2029年    2030年



《アーカイブ「多天体の接近現象」の概要》

日々少しずつ移動する月や惑星がたまたま一緒に見えること(会合または接近)は年間に何回かあります。中には「3つ以上の多天体が一度に見える状態」も起こります。月や惑星が軌道を離れて勢ぞろいすることはありませんが、似たような平面を回るため、地球から見て直線上に並んでくれればだいたい同じ方向に見えるのです。かつて「惑星直列」という言葉が流行りましたが、現実に一直線になる事はありません。でも複数同時に「概ね一緒の方向」になることはありそうです。それがどれほどの頻度か、幾つの天体がどれくらい近くなるのかという興味からこのリストを作りました。

ここでは月と可視惑星(水星、金星、火星、木星、土星)のうち3天体以上の接近(会合)現象をリスト化しました。別途作ってあるアーカイブ:天体の接近現象一覧の拡張版と言えますが、2天体のみは含みません。実際に計算すると想像以上に接近してくれない事が分かります。どういう基準で接近したと見なすかがポイントで、条件がキツすぎるとリストが空っぽになってしまうのです。試行錯誤の末、天体数に応じて以下のように条件を決めました。

天体数接近条件の目安
3天体該当天体の全ての組み合わせで離角が15°以内となる。
4天体該当天体の全ての組み合わせで離角が30°以内となる。
5天体該当天体の全ての組み合わせで離角が60°以内となる。
6天体該当天体の全ての組み合わせで離角が90°以内となる。
※全てのケースで、黄経が一番太陽に近い天体と太陽との離角を計算し、10°未満のケースは除外しました。太陽に近くて観察困難なので、空を見るための資料として不適合だからです。リストに掲載されていても見づらいものは幾つもありますのでご了承ください。

少なくとも計算した期間内では5天体、6天体が一度に片手で隠せるほど集まることは無いため、「空を左右に分けたとき片側に寄ってる」程度の緩い基準としました。このような離角条件では「とても接近とは言えない」と考える方もいらっしゃるでしょう。そういう意味では「多天体の接近はあり得ない」と言い切ることもできます。ただ、このブログは「まず空を楽しむ」ためのものですから、「へー、○月□日には明るい星が5つも東に見えるんだね」といった緩いご利用をしていただければ幸いです。

リストの表記例を以下に示します。
日付(時間帯)3天体接近
(離角15°以内)
4天体接近
(離角30°以内)
5天体接近
(離角60°以内)
6天体接近
(離角90°以内)
2016年3月29日(朝)土月火 9.9°(W112.2°)   
2016年9月4日(夕)水木金 10.1°(E15.6°)水木金月 19.1°(E15.6°) 水木金月土火 77.8°(E15.6°)
集合している月惑星が明け方寄りなら(朝)、夕方寄りなら(夕)の表記が日付覧にあります。明け方(夕方)しか見えないという意味ではありません。離角によっては夜中に見えたり、昼間でも楽しめる場合もあるでしょう。(朝)は「夕方に見えない」と解釈した方が現実に合います。

各欄には月惑星の配列(黄経が太陽に近い順)が記述され、続いて天体離角と太陽離角がセットで書いてあります。上の3月29日の例では、[ 土月火 9.9°(W112.2°) ]とありますが、9.9°が天体離角、W112.2°が太陽離角。これは「土星、月、火星のどの組み合わせでも互いに離角9.9°を上回ることがない接近である」と読みます。また「黄経が太陽に近い順に土星、月、火星と並び、一番太陽に近い土星は太陽から112.2°西側に離れている」です。ただし離角の値は(朝)のケースで6:00、(夕)のケースで18:00の時刻固定で計算しました。9月4日の例では3天体・4天体・6天体で条件に該当していますが、天体数が増えても欄の読み方は同じです。(多天体接近がふたつのグループに分かれて両端にある場合、このように間に空欄ができることもあります。)いろいろな情報を詰め込んであるので、上手に読み取ってくださいね。

データは自作プログラムによる計算・集計で、無作為にステラナビーゲーターなどによりチェックしましたが、手作業があちこちあるので誤植が潜んでるかも知れません。見つけたらお知らせください。また精度は趣味で楽しめる程度ですから、ご理解の上ご利用ください。

接近現象はリストにある日にしか見えないという性質ではありません。0.1°でもオーバーしたらリストから外されますが、実際は「まだ一緒に見えるね」とご自身の許容で楽しめればよいのです。ぜひリストを手がかりに、すてきな星景を見いだしていただければ嬉しいです。

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