アーカイブ:昼間に月と金星が近い日 ― 1970/05/04
昼間の青空でも探すことができる金星。でも初めての方はいつ、どこを探せば良いか分からないでしょう。そんなとき役に立つのが、金星より大きくて見つけやい月。月が金星に近いとき探せば見つけやすさは格段に上がります。このアーカイブは月と金星が接近する日と、その時の「太陽・月・金星」の位置関係を計算したデータ集です。下記の概要を良く読んでご利用ください。(※このアーカイブは2025.07.20に全面リニューアルしました。)
《アーカイブ「昼間に月と金星が近い日」の概要》
「宵の明星」や「明けの明星」の名で知られる金星は全天の中で太陽、月に次いで明るく見える天体です。ごく稀に金星より明るい流星や人工衛星のフラッシュ現象(太陽の反射による短時間の大増光)が見えるもありますが、「金星より明るい」と表現されることは、誰もが「いつ見ても明るい」「他に比較できる天体がない」と認めている証拠ですね。
金星が太陽から離れている時期は昼間の空でも肉眼で見つけることができます。ただ、何のアシストもなく目印が全く無い青空から見つけ出すことはかなり熟練が必要です。そこで、どうしても見たければ「目印」代わりの観察道具を作るか、または天然の目印を利用することをお勧めします。ここでは天然の目印として「昼間の白い月」を使ってみましょう。実は金星より昼間の月のほうが表面輝度は暗いのですが、大きさがあるから目に留まりやすいのです。
初めての方は「いつ月と金星が近いの?」「月を見つけたあとどうやって金星を探すの?」と、他にも高いハードルがいくつかあります。そこでこのアーカイブでは「昼間に月と金星が近い日」をリストアップし、更に月のどちら側にどれくらい離れて金星が光っているか、という計算結果をまとめてあります。探したい日を見つけ、データを書き写したら、次のようにしてみましょう。
- まず金星の方向角と象限(北東・北西・南東・南西)から、月のどちら側に金星がいるか把握します。ここでの北東・北西・南東・南西は、見た目通りに左上・右上・左下・右下と読み替えても差し支えありません。
- 同時に月−金星離角を調べ、月からの離角(角距離)を把握します。手描きで十分ですからご自身で図を描くことをお勧めします。
- 月および鉛直線(上が天頂)を基準に、把握した通りの方向と距離に目を移動します→金星発見!このとき視野角が分かっている小型双眼鏡を使うと便利です。
慣れないうちは「太陽−月離角」が35°以上、かつ「月−金星離角」が5°以内の見やすい条件(表内の緑文字)から始めると良いでしょう。逆に、表内のダークグレイ文字の行は「太陽月離角または太陽金星離角のどちらかがその日のうちに20°を下回るケース」または「月と金星が10°よりも離れてしまうケース」なので、月が細すぎて見つからない、太陽が眩しくて探せない、金星が月から遠過ぎて見つからない、と言ったトラブルが起きやすいです。無理をしないようにしましょう。
双眼鏡を使う場合、月と金星がいっぺんに見えるよう視野角7°以上のものにしてください。空が明る過ぎるときは厚紙を口径より小さくくりぬいて、レンズ前面に貼り付けて絞りにすると良いでしょう。日なたの観察では常に太陽光に注意してください。観察中に太陽が見えている必要はないので、日陰を利用して肉眼に太陽光が直接当たらないよう工夫してください。また長時間に渡って明るい空(特に霞や淡い雲で白んだ青空)を観察すると目を痛める恐れがあります。観察場所の安全性(交通事故、足元が危なくないか、ハチの巣が近くにあったりクマに襲われないか、熱中症の危険性がないか等)には十分注意してください。
計算は自作プログラムで行いました。計算基点は東京の日本経緯度原点としましたので、離れた地方ほど方位角が若干ずれますからご注意ください。次の通り、時期に応じて2種類の時刻で計算してあります。観察時刻に近いほうのデータを使ってください。
- 内合から外合まで(明けの明星の期間)…… 9:00と12:00(正午より前が観察しやすい)
- 外合から内合まで(宵の明星の期間)…… 12:00と15:00(正午より後が観察しやすい)
その他、計算は以下のルールに従っています。
- 太陽に近い空は目を痛めるので、月・金星共に太陽から20°以上離れ、かつ月と金星の離角が10°以内のみとしました。
- ここでの方向角は鉛直方向(月中心から真上または真下に向かう線)とのなす角です。従って角度は0°以上・90°以下になります。天文用語の方向角とは異なりますからご注意ください。
- 象限とは月から見て金星がある象限という意味です。月中心を原点として、鉛直方向と水平方向の線で四分割しています。
- 計算は自作プログラムによります。使用暦表はJPL-DE440。


