マギヌスの魔女あらわる2023/10/23

20231022_09441月
昨日は久しぶりに日没前から月が見えたので暗くなるのを楽しみに待ちました。「マギヌスの魔女」「アンペール山の二つ星」が見えるタイミングだったからです。ちょうど約二朔望月前の8月24日と同じ状況ですね(→2023年8月25日記事参照

ところが暗くなってくると薄雲が飛来し始め、かなり大慌ての観察となってしまいました。後述しますが三重県の中村祐二さんが発見した突発天体の撮影も同時進行だったので、短時間でエネルギーを消耗してしまいました。

以下、順不同で掲載・解説します。ただし雲越し+悪シーイングで撮影したため、かなり画質が悪くなっていますのでご容赦を。まず左画像は22日20:30過ぎの撮影で、太陽黄経差は約94.41°、撮影高度は約18.85°、月齢は7.74。上弦を少し過ぎ、月面X&LOVE地形などすっかり日が当たっています。

20231022マギヌスの魔女
マギヌスを含む月面南部の拡大は下A画像。またマギヌスの魔女は右画像(顔が見やすいよう北を右方向に回転しています)。右画像は約30分の時間差で二回撮った比較ですが、アゴの長さや頬の明るさなど微妙に変わっていますね。この魔女の顔はピークタイムを挟んで前後1時間くらいは見えます。

もうひとつ、アンペール山の二つ星もきれいに光っていました(下B・C画像)。アペニン山脈の起伏が強調され、荒々しいですね。Cはハドレー谷が半分影に隠れてしまったのが惜しい。いっぽうで欠け際のリッジやドームが良く見えています。このあたりはわずか1時間でも変化するので、可能なら何時間でも見ていたい光景です。いかんせん月が低いシーズンのため、建物や樹木の間から1時間の観察時間を確保するだけでも精いっぱいでした。

  • 20231022マギヌスRay

    A.マギヌス
  • 20231022アペニン山脈・ヒギヌス谷・アリアデウス谷

    B.アンペール山の二つ星
  • 20231022アペニン山脈

    C.アンペール山の二つ星


前述しましたが、19日20:30ごろ、三重県の中村祐二さんがへびつかい座に14.0等の突発天体を発見したとのこと。近ごろ宵の天気が不安定なのと、薄明終了と同時に撮影開始しなければあっという間に建物に隠れてしまうため、ようやく撮影機会に恵まれました。といっても月観察の間に放置撮影です(下D画像)。青色が強いようですが矮新星?

そのままの勢いで真夜中近くの木星も観察(下E画像)。もう徹夜ハイ状態です。ちょうどGRSが中央を過ぎていました。雲がなければそれなりに細かく見えたであろうシーイングでしたが、ほとんどのフレームで雲の通過があってヒストグラムが激しく変化していました。前夜の衛星イベントは天気が悪くて見えませんでしたが、今月29日に再度「正三角」配列があるので楽しみです。

  • 20231022_TCP J18433189+1011051

    D.TCP J18433189+1011051
  • 20231022木星

    E.22日23時半ごろの木星


今日の太陽2023/10/23

20231023太陽
一時的な雲があるものの、朝から良く晴れています。乾燥して寒暖差があるとシーイングは全く期待できないけれど、透明感ある空、そして何よりスッキリ晴れ渡ってくれることが気分を爽快にしてくれます。

20231023太陽リム
左は10:50ごろの太陽。太陽面もすっきりしてしまいましたね。中央右下にある活動領域13468の黒点くらいしか見えません。左下リムには奇妙な形のプロミネンス。右上リムにもプロミネンスの一群がありますね。それぞれ明日はどうなるでしょうか?