またしても雲越しに月面観察2023/10/27

20231026アリスタルコス、マリウス、メラン
昨夜は薄い雲が空全体を覆い、夜半には皆曇になってしまいました。南中前の月面を観察したのですが、この雲に翻弄され落ち着いて見ることができませんでした。シーイングがとても悪く、明暗も激しく変化したなかでの撮影ですが、とりあえず一枚掲載しておきます。

左画像はおなじみアリスタルコス・クレーター。雲がかかっても明るく見えていました。クレーター北西側に広がるアリスタルコス台地付近にはシュレーター谷をはじめ、アリスタルコス谷、トスカネリ断崖、またお隣のプリンツ・クレーターにもプリンツ谷といった毛細血管のような地形が集まっています。台地のなかで星のように光るヘロドトス山がとても目を引いていました。西側には台地を囲むようにアグリコラ山脈が明暗境界から姿を見せ始めていました。

北側に目をやると、リュンカー山の東側の法面が光り始めていますね。リュンカーからニールセンに向かうリンクルリッジのうち、リュンカーに近い側はまだ闇の中。

またアリスタルコスの南を見ると、マリウス周囲にある多数のドームが見えました。こういう例えはイメージダウンかも知れませんが「鳥肌」とか「じん麻疹」という表現が似合ってしまう地形です。マリウス谷も確認できます。

月の赤道から欠け際に沿って2シーン(下A・B画像)。Aのガッサンディ北側にはひと晩前に見えたルトロンヌの三つ星がまだ見えました。周囲が明るくなると共に目立たなくなるけれど、どこまで確認できるかは分かりません。追いかけてみようと思います。メルセニウス谷やデ・ガスパリス谷も目立ちますね。ガッサンディ北東のヘリゴニウス谷は周囲の明るさに埋もれつつありました。欠け際、シルサリスEから北に延びるリッジ(?)もなかなか立派です。

Bは右下のシラーまで収めています。ひと晩前に見えたハインツェルHの二重クレーターが見づらくなりました。シッカルトは3/4ほど光が当たり、内部のクレーターが良く見えます。その南側、ナスミスとフォキュリデスは拮抗するかのように直線状の壁で隔てられている珍しい境界を有します。その一部に光が当たり始めていますね。シラーもそうですが、シッカルト北にあるレーマンEなど、内部に直線状の仕切りを持つクレーターは少なくありません。考えてみるとどうやって作られたのか俄には思い付かない不思議な構造です。A画像、フラムスチードPとシルサリスEの間にあるフラムスチードEの中心に直線状の山が見えるのも、同類かも知れません。

  • 20231026ガッサンディ、ルトロンヌ、フラムスチード

    A.フラムスチード、ルトロンヌ、ガッサンディ
  • 20231026ガッサンディ、シッカルト、シラー

    B.ガッサンディ、シッカルト、シラー


今日の太陽2023/10/27

20231027太陽
朝のうちは良く晴れていたので太陽観察できましたが、昼過ぎから怪しくなってきました。一昨日にも増して不安定なようです。夜には解消してほしい…。

20231027太陽リム
左は9:50ごろの太陽。約1.5時間前の8:24ごろ、久しぶりにM1.4クラスフレアが発生していました。場所は左上リム近くです(下画像参照/SDOおよびSOHOサイトから引用)。左上には新しい活動領域13472・13473ができており、フレア位置は13473のようです。南半球のダークフィラメントや右下リムのプロミネンスが目立ちますね。

※下B画像、太陽の左に写っている輝星は太陽に近いほうが水星、遠いほうが火星です。またこの画像の右やや下寄りにエンケ彗星(2P)も写っているはずですが、かなり暗いので特定が困難です。

  • 20231026SDO-AIA131

    A.SDO-AIA131
  • 20231027SOHO-LASCO-C3

    B.SOHO-LASCO-C3