稲光の中で月を観察2023/10/26

20231025ルトロンヌ、 ガッサンディ、ブリアルドゥス
昨夕は関東の一部で天気予報通り荒れ模様になりました。当地・茨城もご多分に漏れず…ではあったのですが、私の街は雷雲に囲まれながらも奇跡的に雨が降らず、月が見えていました。昨夜の月面は9月11日記事に記した通り「ルトロンヌの三つ星」が上弦側で見える予報を立てていたので、できるなら確認したい。そこで、雨が降ってきたらすぐ避難できるようにしつつ、一か八か玄関先での観察を試みました。

何度も押し寄せる雲と空を照らす稲光に悩まされつつも、どうにか何シーンかの月面拡大撮影を完了することができました。最後は月が完全に雷雲にのまれてしまったけれど雨は降りませんでした。夜半前には天気が回復、シーイングが酷かったけれど明け方まで快星でした。

左上画像、ガッサンディの北にルトロンヌが写っており、中心に三つの光が数学記号の「ゆえに(∴)」または「なぜならば(∵)」みたいに並んでいます。おそらく17時ごろから見えはじめていたと思われますが、撮影できたのは20時ごろでした。ですが予報通り周囲の光に埋もれない三つ星が確認できてひと安心。なおクレーター南部の四つ星と三角形は一部が影に隠れて見えないようです。

前日は不完全だった虹の入り江もきれいに見えました(下A画像)。入り江の南西、グルイテュイゼン・ガンマとデルタが異様に浮いて見えました。雷雲と隣り合わせの空ですからシーイングはかなり酷かったのですが、ガンマ上の小さなクレーターも分離していますね。南部はシラーあたりまで日が届いていました(下B画像)。CONCENTRIC CRATERのひとつ、ハインツェルHが見えています。ティコの光条はひと晩前には海のところしか見えなかったけれど、昨夜は山岳部でも感じられるようになりました。画像右上、ミラー・クレーターのセンターピークがX字状に輝いています。これ、見慣れると結構目立ちますね。

  • 20231025虹の入り江、プラトー、雨の海

    A.虹の入り江、プラトー
  • 20231025シラー、ティコ、クラヴィウス

    B.シラー、ティコ、クラヴィウス


今日の太陽2023/10/26

20231026太陽
薄い雲があるものの、朝から良く晴れています。ただ向こう二日間は不安定なようですから、昨夜の雷雨接近のように急変するかも知れませんね。

20231026太陽リム
左は9:40ごろの太陽。目立つ黒点が無くなってしまい、寂しい表面ですね。活動領域13471のプラージュが幾らか明るいのが「わずかな希望」みたいな感じ。細長いダークフィラメントもありますね。プロミネンスは全方向に小さなものが見える他、11時方向に淡いながらとても高いものが出ていました。