今日の月(明け方)2017/07/22

20170722_33765月
昨夜から夜半までは雲が多く、今日明け方までに大部分の雲が取れたものの薄雲が空を流れていました。明け方の細い月を観察したかったので薄明の頃に望遠鏡を設置。東の低空は何とか晴れていたものの前日ほどクリアではありません。登った月は金星からだいぶ離れていました。

航海薄明が終わりに近づいた頃にはだいぶ明るくなりましたが、まだ月高度は10°程度。月ぎりぎりのところに雲があってなかなかどいてくれません。左は4:10頃の撮影で、太陽黄経差337.64°、撮影高度11.5°、月齢27.69です。低空の割には比較的良く写ってくれました。さすがは夏、空気の揺らぎそのものはとても少なかったです。

左画像で月が光っている部分が少し左上にシフトしていると気付けた方はとても素晴らしい感性です。私の月面撮影は基本的に月の自転軸を上下に揃えていますが、そうすると太陽と月の位置関係によって斜め上から照らされたり斜め下からだったりします。間違えてカメラが回転してしまった訳ではありません。これは上弦下弦関係なく、月齢さえも関係なく現れる現象ですが、見た目ではっきり分かるのは月が細いときなのです。アーカイブ:月の形のなかで、細い月を見比べてみてください。

この月は明日23日夕方に新月を迎えます。25日夕方には二日月が夕空低空で水星を隠す掩蔽現象が起こり、また27日夜にはおとめ座のポリマを隠す掩蔽もあります。お見逃しありませんように。

参考:
アーカイブ:月の形(黄経差324度以上、360度未満)

あちこちで嵐のように…午後には台風7号も発生2017/07/22


昨夕の日没前から北海道最北端にかかり始めた直線状の雨雲は、ゆっくり南下しながら朝までかかって北海道全域に雨を降らせました。明け方には青森県にもかかり始め、今日12時現在は秋田県や岩手県に大雨を降らせています。下は気象庁サイトからの引用で、1:00と9:00の高解像度降水ナウキャスト。

この雨で、北海道、青森、秋田で1時間降水量や3時間降水量の日最大値が観測史上最大、あるいは7月観測史上最大となった場所が続出しています。先日17日も秋田・青森・岩手で記録的な大雨があったばかりです。お近くのみなさん、どうかお気を付けて。(※秋田県の豪雨については、雨量変化などをこちらにまとめてあります。)

  • 20170722-0100降水

    2017/7/22 1:00JST
  • 20170722-0900降水

    2017/7/22 9:00JST

昨日発生したダブル台風も気になるところ。こちらは移動が遅いので、昨日今日では大きな変化が見られません。また南シナ海周辺のダブル熱帯低気圧も大きな変化がないまま陸域に近づきつつあるようです。

東太平洋でも台風相当のトロピカルストームや熱帯低気圧が立て続けに発生しています。下に気象衛星ひまわり(画像元:NICTサイエンスクラウド)と気象衛星GOES-16(画像元:NOAA)による画像をほぼ同サイズで引用しました。可視光撮影のため、日が当たる都合で時間差が6時間あります。両方にハワイ諸島とトロピカルストーム「Fernanda」が写っていますから、位置関係が分かるでしょうか。(TSはトロピカルストームの略、Investはストームになる可能性を観察中の低気圧。)北半球の太平洋は嵐のシーズンですね。

  • 20170722-0900JST-himawari

    2017/7/22 9:00JST
  • 20170722-0300JST-goes

    2017/7/22 3:00JST


20170722-1500台風7号
(17時追記)上で取り上げている南シナ海のダブル熱帯低気圧のうち日本に近いほうが、本日15:00に台風7号「ROKE/ロウキー」になったと発表がありました。直前の台風6号発生からわずか24時間後です。これで日本近海は一気に今年初のトリプル台風となりました。トリプルになるのは2016年の台風14・15・16号(9月13日3:00から13日15:00の12時間)以来です。

左画像は15:00の気象衛星画像(画像元:NICTサイエンスクラウド/経緯線などは筆者)。赤点円は台風中心の直径1000km円です。台風7号は事前に「台風になる可能性がある…」云々と言った発表がなく、いきなり台風宣言されました。存在が天気図に載っていただけなのでビックリしました。

7号の南西には熱帯低気圧があって、これまたミニ台風の様相を呈していますね。お近くの方、十分ご注意ください。

今日の太陽と空模様2017/07/22

20170722太陽
今日は明け方まで晴れ間があったものの、午前は少し雲が多くなりました。昼頃は晴れ、また夕方には雲が多くなると言う安定しないお天気です。

20170722太陽リム
左は15時過ぎの太陽。相変わらず活動領域のない光球面ですが、リムは所々に特徴あるプロミネンスが見えました。特に右側やや下の大きなループはすごいですね。

朝から降っている東北地方の大雨は夕方になってもまだ続いており、秋田や青森では観測史上最大の雨となる地域が多数。降り出しからの雨量が200mmを越えてしまった地域もあります。更には日本近海でトリプル台風となり、空のざわつきは収まりそうにありません。

20170722-1940大雨
夜には秋田県由利本荘市北部付近で約100mmという記録的短時間大雨情報が出ました。右は気象庁サイトからの引用で、19:40の降水ナウキャスト。由利本荘市や横手市などが真っ赤です。

横手市のアメダスポイントでは13時の降り始め記録から20時までの降水量が221.5mmに達しました。もちろん観測史上1位の値を更新。7月全体の総降水量平年値176.6mmをわずか8時間で軽く越してしまいました。しかもまだ続きそうです…。


参考:
アーカイブ:記録的短時間大雨情報のリスト