台風3号は温帯低気圧に変わりましたが…2017/07/05


ご注意:記事内に特別警報の画面キャプチャを掲載していますが、発令初期状態のものであり、既に古い情報です。警報内容は刻々と変わりますから現在の状態と勘違いしないようにしましょう。

20170705-0900衛星画像
今年初めて日本に上陸した台風3号「NANMADOL」は昨日7月4日丸一日かけて日本を横断、本日9時に太平洋上で温帯低気圧になりました。台風としての寿命は3日間、期間中の最低中心気圧は985hPaでした。

左画像は9:00の気象衛星画像(画像元:NICTサイエンスクラウド/経緯線などは筆者)。まだ大きな渦巻きが見えていますね。ご注意頂きたいのは、左下の雲のかたまり。これは昨日午前に発生した新たな熱帯低気圧です。台風になるかどうか分かりませんが、台風3号が辿った経路をそのまま進行しており、動向を見極めなくてはなりませんね。

さてこの画像の時点で、すっかり日本は台風一過の快晴…となっていませんでした。西日本、特に島根県付近に大雨が降っていたのです。画像では発達した積乱雲が帯状になってます。この雨は本日昼までに九州や瀬戸内海、四国、近畿付近まで南下しました。梅雨前線が「修復中」なのですね。

20170705島根県特別警報

5:55、島根県に出された特別警報(気象庁サイトより引用)。紫の表示は滅多に出ません。なおこの特別警報は11:15にいったん解除されました。
あらためて昨日の台風を見てみましょう。台風の移動によって降雨地域がどう変わったか、下に手動アニメーションを作りました。画像下部のボタン操作により、台風上陸の4日8時から太平洋に抜けた5日1時まで1時間おきに切り替えられます。この画像は気象庁サイトの高解像度降水ナウキャストに台風位置を描き込んだもの。緑線は台風経路で、マゼンタ色の丸印が台風中心(いずれも速報値)です。

よく言われることですが、台風中心が雨の中心ではありません。様々なケースがあるけれど、今回のように台風の東側に大雨が来ることが多いですね。繰り返し報道されますが、「台風中心はまだ遠いから雨は心配ない」と勘違いしている方は多いです。人間の耳って、関心が向かないことは聞こえていても頭に入らないんですよね。当地・茨城に最も台風が接近したのは5日0時でしたが、この時既に雨はほとんどやんでいました。強かったのは20時から22時台で、大雨(浸水害)・洪水警報、雷注意報などが出たのもこのタイミングです。

また台風が影響しそうにない北陸や信越、台風が10時間も前に過ぎた島根県や広島県付近でも大雨になっていますね。もともと梅雨前線があり、台風で乱れ、台風が過ぎるとまた前線ができました。油断なりませんねぇ。梅雨明けはまだ先でしょうから、空模様を気にしてお過ごしください。




20170705-1300大雨
【15:30追記】
発達した雨雲の影響で、大雨の地域が午後まで続いています。13:30前後には福岡県朝倉市付近、小郡市付近、大刀洗町付近で、いずれも110mm以上の記録的短時間大雨が観測されました。その後も同地域を中心に大雨情報が続き、15:30現在もまだ最大級の降水が降っています。(左図は気象庁サイトからの引用で13:30の降雨状況。)

20170705-1854福岡県特別警報
これ以外にも1時間降水量・3時間降水量・24時間降水量・48時間降水量の日最大値が観測史上1位を記録した箇所が島根県、広島県に出ています。今後記録的短時間大雨情報や降水記録更新はどんどん追加される可能性があります。

【19:00追記】
結局、福岡、大分、佐賀の三県に渡って記録的短時間大雨情報が出続けました。ここに書き切れませんので、詳しくは記事最下部の参考リンクをどうぞ。これに伴い、18:54に今度は福岡県に特別警報が出ました(右は気象庁サイトより引用)。一日の内に朝夕二県とは驚きです。大雨は19時現在もまだ続いています。どうかみなさんご無事で。

20170705-1955大分特別警報
【21:00追記】
19:55、大分県にも特別警報が出ました(左は気象庁サイトより引用)。福岡県の特別警報はまだ解除されていませんので、21:00現在は二県同時の異常事態です。そしてまだ大雨は“燃料切れ”すること無く続いたままです。遠くの県でデータをまとめている自分ですら相次ぐ警報で麻痺しているのに、現地の方々はなおのことでしょう。

【24:30追記】
7月5日の一番最初に記録的短時間大雨情報が出た福岡県朝倉では、5日24:00までの24時間降水量が516.0mmに達しました。これはいままでの観測記録一位(293.0mm、2012年7月14日)の約1.76倍に相当します。朝倉の年間総降水量平年値は1860.4mmなので、その約28%がわずか24時間で降ったことになります。(※東京の年間降水量の三分の一以上!)しかもまだ降り続いています。

【6日14:30追記】 6日14:10、両県の特別警報は解除され、通常の警報に切り替わりました。


参考:
アーカイブ:記録的短時間大雨情報のリスト

突然の雨と虹2017/07/05

20170705積乱雲
16時を回った頃、突然バラバラと音がして大粒の雨が降ってきました。かなり斑っ気のある降り方でしたが、短時間の体験なら色々な種類の雨粒や降る音を観察できて楽しいです。見上げると北西方向に大きな入道雲。隣町の友人から「スコール!」というメールが入りましたが、私の街ではさほど多く降りませんでした。

西側は晴れ間があり、薄明光線が差しています。ひょっとしたら虹が見えるかもと期待してカメラを用意しました。案の定10分も待たないうちに虹の右端が隣家から伸びているのを発見(下のA画像)。計算上この時間は主虹のてっぺんが14°と低く、かなり伏せっていますね。しばらく観察するうち妙な見え方に気がつきました。虹が二重になっているのです。最初よく見えなかったので過剰虹かと思ったのですが、どうも違うようでした。過剰虹の場合は主虹内側に同心円として接しますが、この虹は「だんだんV字に分離したような」見え方です(下のB画像)。また過剰虹は主虹から離れるほど間隔が狭くなるのに、この虹は同じ幅で2本あるように見えます。なにより過剰虹の色配列と異なりますね。

他にこのような見え方をするのは反射虹双子虹がありますが、当地で反射虹の原因になるような湖などはこの方向にありません(そもそも低い虹での反射虹は考えにくい)から、自信がないけれど消去法で「双子虹」かな、という結論になりました。この虹は雨粒が変形によって起こるとされ、本来あるべき主虹と少し異なる位置に見えます。なおB画像で虹と垂直方向に団扇の骨のような筋が薄く見えますが、これは雨粒による反薄明光線です。

10分ほどで右端の主虹は消えましたが、入れ替わるように左端の主虹と副虹が見えてきました(下のC画像)。こちらはノーマルな感じ。強調したD画像では主虹の内側が明るく感じ、相対的に主虹から副虹までの空間が暗く感じます。これがアレキサンダー暗帯ですね。…という具合に、短時間ながらひと通り楽しめました。

  • 20170705虹

    (A) 虹1
  • 20170705虹(強調)

    (B) 虹1(強調)
  • 20170705虹

    (C) 虹2
  • 20170705虹(強調)

    (D) 虹2(強調)