ひと月後に水星掩蔽(水星食)が起こります2017/06/27

20170725水星掩蔽
あと数日で6月もおしまい。今日などは晴れていれば夕空に三日月が見える頃でしょう。でも梅雨真っ盛りなので、当地・茨城では月どころか太陽も満足に見えません。

そんな愚痴はさておき、ちょうど一巡り後の二日月で起こる現象をご紹介しましょう。2017年7月25日夕刻、月による水星の掩蔽現象(水星食)です。全国的に見える惑星の掩蔽としては2014年9月28日の土星掩蔽(土星食)以来、水星掩蔽としては2013年12月2日以来のレアな現象です。

左上図は当日日没頃の西空をStellariumで描いたもの。二日月なので大変細く、また高度も20°未満の低空です。この現象を観察するには「いかに早く月を見つけ出せるか」がカギとなるでしょう。現象は全国的に暗くなる前に終わる(または月が沈む)からです。肉眼ではとても見辛いので、天体の観察に適した双眼鏡か望遠鏡を用意しましょう。

20170725水星掩蔽
首尾良く月が見つかったら、機材で月周囲をじっくり見渡してください。右図のように月のすぐ左側に微かな水星が見つかればOK。周りが明るいため、図のようにハッキリ光って見えませんからご注意!明るさに目が慣れてしまわないよう、頻繁に目を休めることもお忘れなく。望遠鏡の場合「倍率を上げすぎない・下げすぎない」がコツですよ。上のほうにしし座の1等星レグルス(明るさが水星とほぼ同じ)まで見えたらVery Good!!。

このあと月は高度を下げつつ水星に接近し、やがて隠してしまいます。しばらくすると月の右下から水星が現れますが、多くの地域で月高度が5°以下となるため観察はとても難しいでしょう。みなさんの観察地の見晴らし、そして梅雨明けの天候次第。水星単体、二日月単体でもそうそう気軽に見えることはないですから、観察したい方は心して(?)取り組んでください。

20131202水星掩蔽
条件がたいへんシビアなため、都道府県庁所在地などで予報時刻・月高度・方位を計算し、下のGoogleMap上にまとめました。どうそ観察の目安にしてください。(事前に晴れれば、レグルスを使った高度や方角の確認をお勧めします。)地図内のマーカーをクリックするとデータが表示されます。なお月に隠されることを「潜入」、月から再び現れることを「出現」と表現します。必ず潜入時刻より前に月を見つけてくださいね。方位角は北が0°、東が90°、南が180°、西が270°です。どの地方も「概ね西空」でしょう。低空まで晴れると良いですね。(左画像は2013年12月2日早朝に見えた前回の水星掩蔽。撮影高度が2°未満で、月がつぶれています。)

【2017/07/25・水星の掩蔽(水星食)・予報データ】
※下に地図が表示されないときは、記事タイトルをクリックして記事単独表示させてみましょう。
  • 各マーカーをクリックすると、その地点の現象時刻や月高度などが表示されます。地名のみでデータ記述がない場所は現象が見えません。また「潜入」「出現」の片方が記述なしの場合、月が沈んでいて見えないことを意味します。
  • 惑星の場合は面積があるため、掩蔽は「パッと消える」「パッと出る」ようには見えず、数秒から数十秒程度かかります。(観測地によって変化します。)
  • 予報データはOccult(v.4)による計算です。おおよそですが標高も考慮しています。予報値は概算ですので精密観測には向きません。


参考:
アーカイブ:1.5等星以上の掩蔽

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