北極星に迫ったラブジョイ彗星2015/05/25

20150525ラブジョイ彗星
明け方まで淡い雲がなかなか途切れない夜でした。それでもわずかなチャンスをうかがい、2時半過ぎにラブジョイ彗星(C/2014Q2)を撮影しました。今週末、いよいよ北極星に大接近するからです。

ラブジョイ彗星は北極星から2度角くらいのところにいました。左画像は180mm+APS-Cのほぼノートリミングで、5月22日の画像と同じ画角です。
20150525ラブジョイ彗星
比べると北極星に近づいたことがよく分かります。もう500mm程度の望遠鏡でも北極星と一緒に撮れます。一晩中撮影のチャンスはありますが、おおよそ1時半を過ぎると彗星が北極星より高くなるので、明け方のほうが撮影は有利ですね。どこに何の星があるか分からない方は右画像をどうぞ。

参考:
ラブジョイ彗星(C/2014Q2)に関係する記事(ブログ内)

今日の太陽2015/05/25

20150525太陽
昨夜から薄雲が取れませんが、日が昇っても同じ傾向です。ときおり大きな雲も流れて空を覆います。

左は9時過ぎの太陽。昨日から大きな変化は無いようです。左端に見えている木のようなプロミネンスもまだ残っていますが、昨日よりは小降りになりました。
20150525太陽リム
右縁やや上のダークフィラメントが光球の外に出て、プロミネンスとして見えています。

土星の衝効果を色別に比較してみる2015/05/25

20150525土星
昨夜は少し雲があったのですが、衝になって間もない土星が気になっていたので、撮影を試みました。目で見えないくらいの薄雲の通過があったものの、そこそこ落ち着いた土星を見ることができました。

左は2時直前の土星です。衝の時刻を23日11時とすると39時間ほど過ぎましたね。それでもまだ衝効果が感じられると思いますがいかがでしょうか。少なくとも衝の日プラスマイナス1日程度は衝効果が持続するようです。何日くらいで薄れるのか気になります。(→後述の追記参照。)

土星の衝効果・色別比較
さて、実は光の色別(波長別)に衝効果を比べたらどうなるんだろうと気になっていました。最近の私の惑星撮影はRGBフィルターで撮り分け、後で3色カラー合成しています。そこで、土星画像を元々のRGB別々に比較してみることにしました。5月23日の衝10時間前に撮った画像はボケがひどいため、今日5月25日の画像を使いました。比較対象は1ヶ月余り前の4月19日に撮った画像です。

RGBそれぞれ並べてみたのが右画像です。各色チャンネルごとモノクロのまま、土星本体の明るさが極力揃うようにしています。撮影条件や気象条件が違うため、厳密な比較ではなく趣味レベルでご覧ください。

自分の目には赤より緑、緑より青という具合に波長が短くなるほど環が明るくなっている感じがします。どんな理由があるのか興味がそそられますね。赤外線リモコンが多少の物体に遮られても作動するように、長い波長(赤側)ほど障害物での散乱が起き難く通過してしまう性質があります。逆に言うと光源側(=衝の時は地球方向)に跳ね返ってくるのは短い波長(青側)ほど顕著、という解釈になるのでしょうか。普段は黄色や黄土色に感じる環が衝効果で白っぽく変化するのも、青系の色成分がプラスされるからという理由であれば理屈に合いそうで納得できます。

衝効果の単発の観測例は時々拝見しますが、前後1ヶ月くらい網羅している長期的な観測実例を見たことがありません。論文などあれば読んでみたいので、ご存じの方はぜひご一報ください。

2015土星位相角
(追記)こちらの記事によれば、位相角が1度内になると衝効果が顕著になるらしいです。もちろんデジタル的に切り替わるのではなく滑らかに推移すると思いますが、この1度というのは観察のひとつの目安になりそうですね。ということで、今年の衝について土星の位相角を計算しました。衝前後40日、合計81日の位相角(日本時間0時)をグラフにしたのが左図です。今回は衝からの日差が約10日未満であれば1度より小さいようです。また衝の当日でも0.2度余りの位相がありました。(注:ここでの位相角とは地球中心−土星中心−太陽中心のなす角度です。)

参考:
記事:衝を迎える土星と衝効果のおはなし(2015/5/19)
記事:土星の衝タイム(2015/5/23・衝当日の観察)
アーカイブ:惑星カレンダー(1980-2039年の各惑星の衝や合などを掲載)

夕空の雲間に幻日や彩雲2015/05/25

20150525夕空
昼前から曇りがちな天気でした。時々思い出したように青空が広がることもありましたが、全般的に日の差さない曇り空。それでも夕方が近づくとまた少し太陽が顔を出し始めました。

20150525幻日
左は17時半前の西空です。こんなに雲があるのですが、たまたま眺めたときに小さな幻日を見つけました。左画像にも写っていますが小さすぎて見えません。中央辺りを拡大撮影したのが右画像です。画像の中央、明るく光る小さな部分が太陽右側の幻日です。結構明るかったのですが、なんと1分足らずで手前の雲に隠され、消えてしまいました。

20150525彩雲
この幻日を見つける1時間ほど前から、時々彩雲が雲間に見えるのを見ていました。左は上の幻日から約20分後、急に広がった青空の中で見た彩雲です。雲の中に緑とピンクの不規則な縞があちこちにありますね。これは直接雲を見ても眩しくて見えませんが、サングラスなどで減光すると良く見えます。

(メモ)本日14:43頃、埼玉県北部震源の大きな地震がありました。速報によれば震源の深さ約50km、マグニチュードは5.6です。自宅のある茨城県南でも小物が落ちるほどの大きな揺れを感じ、自宅から十数キロ北の地点では震度5弱を観測しました。大きな被害は出ていないようです。もちろん、幻日や彩雲、昨日までの環水平アークなどは地震の前兆ではありませんよ(笑)