今日の太陽2015/05/21

20150521太陽
昨夜日付が変わる前から雨が降り出し、今日の明け方は激しい雷雨でした。夜明けと共に雨雲は去り、少し雲が多いものの青空が見える午前となりました。

左は9時過ぎの太陽。さすがに大気の状態はかなり乱れていました。太陽面は昨日とさほど変わらず落ち着いています。

20150521太陽リム
左縁にあった大きな二対のプロミネンスは光球内に入り込み、昨日ほど派手には見えません。右縁は細かなものが多数見えて、品評会みたいで楽しいですね。

天候がひと波乱ありましたが、おだやかな小満(二十四節気のひとつ)を迎えることができました。地球は春分から測って全体の1/6を回り終えます。

すばらしく美しい夕暮れの空2015/05/21

20150521夕方の西空
風が強い午後でしたが、午前中残っていた雲もなくなり、気持ちよい快晴でした。日が沈むとなんとも美しい夕焼け空。三日月と金星が美を競うように輝き始めました。両星は少し離れ気味ですがバランス良く並んでいて、ため息が出ます。こんな空、何十日ぶりでしょうか。

20150521月と金星
アップすると(右)、月のすぐ下に恒星が見えました。調べるとふたご座のγ星。ポルックスの足先にあたる1.9等星の恒星です。空が暗くなる前はなかなか星座が結べないので、薄明中の撮影では驚かされることもしばしば。

20150521月・金星・木星
少し頭上に目を向けると、西空高く木星が見えました。5月4日に観察した夕方の空と比べると、背景の星座がかなり動いているのが分かります。また、金星と木星の距離もたいぶ近くなりました。7月1日の大接近が楽しみですね。

20150521月・金星・木星
両方とも明るい惑星なので、晴れたら今年一番の接近風景となること間違いなしでしょう。左画像でどこに何が見えるかは右画像に示してあります。

20150521三日月
19時半をまわり暗くなってくると、三日月が煌々と輝きを増してきました。高度が20度以上ありましたので、これくらいの細い月でも結構明るく感じます。ただ残念なことに気流は乱れまくっていて、写真を撮るにはいまいちな空でした。

20150521三日月
ところで、望遠鏡で見るとこれまた月の右隣に星がひとつ。地球照(影の部分がうっすら明るい)が写るくらい露出をかけると写りました(右)。調べるとふたご座の26番星。5.2等の恒星です。この位置ですと20分前には間違いなく月に隠れていたことになります。出てきてすぐ「見つかっちゃった」のですね。かわいらしい。美しく、楽しい夕暮れの空にたっぷり癒されました。

参考:
2015年5月-7月の金星と木星の接近に関係する記事
アーカイブ:天体の接近現象一覧

うみへび座を撮ってみました・part22015/05/21

20150521うみへび座
5月13日に全天一大きな星座「うみへび座」を撮りました。そろそろシーズンオフなのですが、今夜もよく晴れていますので、別の実験がてらもう一度チャレンジしました。

実験というのは、いわゆる「にじみ星座写真」でうみへび座を撮ること。魚眼や広角の星の写真では高精度に撮れば撮るほどシャープになってしまい、星が見えないくらい小さくなってしまいます。これを避けるためディフュージョン系のフィルターを使って意図的に星をにじませ、少し大きな像にすることで、星座の形をはっきりさせるのです。ただこのフィルターは街明かりなど光害のない場所で使うのが前提で、特に直接光がある場所では霧の中でヘッドライトを点けたように画像全体が明るくなってしまいます。今は遠出ができない身体なので、今回はそれを承知で光害あふれる近所での撮影でした。

20150521うみへび座
左上画像はこれでもマスク処理などで街灯光を押さえているのですが、極端にすると星も消えてしまいフィルターを使った意味が無くなるので、この程度が落としどころでした。1等星以上の明るい星なら確実に大きくふくらんでいますし、暗めの星も少しだけ面積が大きくなって視認性がアップしていますね。

光害のないところなら3、4等星程度まで確実に大きくすることができるでしょう。うみへび座のように目立つ星がない星座を広角で撮るときは有効な手段ですね。ただしレンズによっては特に周辺の星像が丸ではなく歪に広がるため、注意が必要です。

はからずも今夜は「月、金星、木星、土星」を一緒の画面に入れることができました。ひとまず今期の「うみへび座撮影」はおしまいです。街中では制限や限界も多いですが、色々な手段で写し取ってみたいと思います。

(追記)夜中の晴れ間に天頂へ昇っていたこと座を使って、ディフューズフィルター(今回はLEEのNo.4)の効果を撮ってみましたので提示しておきます。星座の形がよく分かるだけでなく、星の色もはっきりしますね。使ったことがある方はもうお分かりと思いますが、焦点距離や絞りなどによって同じフィルターでも効果が変わります。また加算平均して画像を平滑化する場合、フィルターの向きをを毎回変えながら撮ったほうが画質は滑らかになります。(注:背景の色むらは主に薄雲の通過によるものです。)

  • 20150522こと座
  • 20150522こと座(ディフューズフィルター付き)