北極星とラブジョイ彗星2015/06/01

20150601ラブジョイ彗星(C/2014Q2)
雲が多い夜でしたが、日付が6月1日をまわると天頂から北側の星空がわずかに晴れる時間がありました。、午前2時少し前ごろうまくタイミングを合わせ、北極星の近くにあるラブジョイ彗星(C/2014Q2)を捉えることができました。

左画像は500mm+APS-Cのほぼノートリミング画角で、少し雲が横切っています。右下の明るい星が北極星、左上の緑色の淡い光芒がラブジョイ彗星。彗星は最盛期と比べるととても暗くなりましたね。

20150601ラブジョイ彗星
元画像が不鮮明なのですが、あえて白黒反転させて強調処理すると、下やや左(7時の方向)に向かって尾が伸びているのが分かります(右画像)。観測家諸氏によると反時計回りに150度くらいの扇状の尾が広がっているようですが、この画像では分かりません。5月29日頃の北極星との最接近は天気が悪くて全くダメでしたが、とりあえず北極星から離れる前に写せて良かった…。明日以降はこの画角には収まらなくなります。

そういえば2年前の2013年、やはり扇状の長い尾を見せながら北極星に近づいていたパンスターズ彗星(C/2011L4)の姿を思い出しました。2013年を賑わせたふたつの肉眼彗星のうちの片方ですから、覚えている方も多いでしょう。2013年の3月中旬夕方に肉眼彗星→3月末明け方に移り4月上旬アンドロメダ銀河接近、4月下旬には周極星となって5月下旬に北極星の近くにやってきました

20130601パンスターズ彗星(C/2011L4)
偶然にも今日と同じ日付、2013年6月1日に撮った画像が左です。光度こそ違うものの、偶然にしては出来過ぎていて笑っちゃうくらいのシンクロ率ですね。天の北極に近いと尾が扇状に見えるなんていう法則性は無いと思いますが……たぶん。

20130518パンスターズ彗星(C/2011L4)
右は2013年5月18日、ほぼ180度の扇状に広がる尾が立派なパンスターズ彗星です。いやぁ、懐かしいなぁ。

参考:
ラブジョイ彗星(C/2014Q2)に関係する記事(ブログ内)

今日の太陽2015/06/01

20150601太陽
夜明けまで雲が多かったですが、日が高くなると快晴になりました。左は12時過ぎの太陽です。6月にふさわしく、高いところからジリジリ照りつけています。

画像を見ると真っ先に左縁に目が行くでしょうか。昆虫の触角か、はたまたクワガタの大あごか…。そんな雰囲気を醸し出すプロミネンスが一対見えますね。朝方はもっと太くて立派だったようです。

20150601太陽リム
また、右縁も負けていません。例の長いダークフィラメントが転じたプロミネンスと、その下方にあったこれまた長いダークフィラメントが転じたプロミネンスとがたくさん見えています。光球面はおとなしく、この4日間ほどフレアの観測もありません。

美しい夕日と淡い太陽柱2015/06/01

20150601夕方
今夕は久しぶりにきれいな夕焼け空です。ちょっと前の時間にはごく淡い内暈や幻日らしきものが見えましたが、デジカメで写らないレベルのため割愛。彩雲などは全く見えませんでしたので、今日の絹雲は昨日までのものと似て非なるものということが分かります。

20150601太陽柱
18:30頃、この夕暮れの中に弱い太陽柱が見えました。はっきりはしていませんが、太陽から上方に向かって少しだけ光が強くなっているのは右の画像で分かります。

夕空を美しく飾る金星が見ごろ2015/06/01

20150601金星
日が暮れても空の薄雲は取れませんでしたが、さすがに金星は良く輝いています。美しい夕暮れの色合いと金星の神々しいまでの輝きとはとても良くマッチしますね。金星の左横を飛行機雲がぐんぐん伸びていきました。

20150601金星と木星
しばらく見ないうちに上空の木星との距離は縮んでいました。右画像の一番明るいのが金星、二番目が木星です。来月頭の大接近に向けて、たとえ梅雨時期と言えど今月は目が離せません。

ところで、おやおや、金星の近くに明るい星がふたつ見えますね。これは何の星でしょうか。拡大して撮ってみました(左下画像)。

20150601金星とふたご座の一等星
実はふたご座のふたつの一等星でした。金星に近いほうはポルックス、遠いほうがカストル。二、三日の間は金星と並んで楽しめそうです。それにしても今夕の金星は薄雲で大きく写りますね。

20150601金星
金星を拡大して撮ってみました。約一週間後の6月7日に東方最大離角を迎える金星は、太陽が真横から照らすような位置関係になっています。ですからこのように半月状に見えるのです。その後金星は次第に細い三日月状になっていきます。

参考:
2015年5月-7月の金星と木星の接近に関係する記事
アーカイブ:天体の接近現象一覧
2014年-2015年の金星拡大撮影(ブログ内)