越境してきた台風12号2015/07/14

20150713正午の気象衛星
昨日9時に台風9号が消滅したため、ダブル台風解消でひと安心…。と思ったのも束の間、同じ時間に台風12号が発生しました。ニュースで紹介されていますが、この台風は「越境台風」です。つまり気象庁管轄外である場所から入り込んで台風として扱われるようになったのです。

左画像は昨日正午に気象庁が発表したひまわり衛星画像を元に加工したものです。台風12号は見慣れた範囲よりかなり東(右)寄りですね。7月10日の記事を書いているとき既に衛星画像に写っていたのですが、よもやこっちまで来るとは…。

【越境台風・1980-2014年調べ】
台風番号発生(JST)寿命
1985年15号8月31日 21:00180時間
1986年11号8月9日 15:00144時間
1986年17号9月19日 15:00270時間
1987年17号9月28日 21:00150時間
1988年17号9月8日 21:00126時間
1989年1号1月18日 9:0042時間
1990年13号8月13日 21:0030時間
1992年2号2月4日 3:0024時間
1992年21号9月27日 9:00240時間
1992年27号10月25日 21:00228時間
1993年10号8月20日 3:00204時間
1994年15号8月13日 9:0036時間
1994年20号8月28日 21:00270時間
1994年33号10月23日 21:0042時間
1997年19号9月4日 9:00309時間
1997年28号12月8日 3:00348時間
1999年11号8月20日 9:0078時間
1999年12号8月20日 15:0066時間
2002年10号7月20日 21:0018時間
2002年17号8月30日 12:00255時間
2002年24号11月3日 21:0084時間
2006年12号8月27日 21:00246時間
2013年13号8月18日 21:00156時間
2013年14号8月19日 15:006時間
2014年13号8月7日 15:00120時間
※越境時に台風かどうかの判断はしてません。
この文字色の台風は上陸したケースです。

ハワイが画像右に見えますが、日本とハワイとの間には例の「日付変更線」、つまり東経180度があります。東経100度・東経180度・赤道に囲まれた範囲のみ「台風」として扱う決まりですので、ハワイ西のミッドウェー島あたりで発生した熱帯低気圧やハリケーンが西へ進み、「台風」扱いになったり、逆に外へ出てしまって台風ではなくなるケースがたまにあるのでした。台風に昇進!というより、個人的には窓際族の左遷みたいな印象ですなんですけど(笑)

越境台風はどれくらいの頻度でしょうか?1980年から2014年まで調べたら右表のようでした。年によって多かったり数年以上来なかったり、かなりの斑っ気です。近年では2006年以降途切れていたのに、2013年から今回まで3年連続となりました。日本に来る前に消えてしまうのもありますが、いっぽう希に日本に接近したり上陸して猛威を振るう場合もあったようです。今年の12号も、いま遠いからといって安心はできませんね。

越境日時と発生日時が異なるケースもあると思います。正確な越境時刻や、越境前の「前身」がどうだったかまでは調べていません。ハリケーン転身組も多そう…。機会があれば調べてみますが、近い将来は地球全体をシームレスに管理して欲しいですね。それにしても、こういう状況がたちどころに分かるのも気象衛星のありがたさ。荒れ狂う嵐がいつどこからやって来るのか分からない昔の人の暮らし、自分にはまるで想像もできません。

参考:
2015年・台風関連の記事(ブログ内)

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