アーカイブ「昼間に月と金星が近い日」をリニューアル2025/07/20

20250622昼間の月と金星
夜明けの空で日に日に月が高度を下げています。行く手には金星が輝き、明日21日と明後日22日にかけて接近します。もちろん日の出前だけじゃなく昼間も並んでいますから、接近している時は「月を頼りに昼間の金星を見つけやすい日」でもあるのです。青空の中の金星をまだ見たことない方、昔見たけど最近見てないなぁという方、ぜひ探してみてください。左画像は先月6月22日の昼間に撮影したもの。左側にしっかり金星が写ってますね。肉眼でも容易でした。

当サイトでは約10年前に「アーカイブ:昼間に月と金星が近い日」を作り、多くのみなさんにご利用いただいてました。そのとき10年分計算しておいたのですが、あっという間に2025年。いつの間にか残り少なくなってしまいました。そこで、再計算ついでに少し仕様変更し、あらためて2050年ごろまでのアーカイブとして公開しました。どうぞご利用ください。改訂前は明けの明星期が9時、宵の明星期が15時のみでしたが、今回はそれぞれ12時も加えて2種類の時刻に対応しました。

20211108金星食
ところで月の等級はマイナス12等、金星はマイナス4等などと言われますが、実際に観察すると金星のほうが明るく感じます。これは、光度が「全ての光を一ヶ所に集めたとして」という面積度外視の計算なのに対し、私たちの目は「大きさを持つ天体」として認識するからです。光を面積のぶん広げてあげると考えれば、明るさの感じ方が変わるのも当然ですね。単純に光度÷面積だけでなく各種補正もありますが、このような値を表面輝度と言います。表面輝度は私たちが感じる感覚的な明るさに近いものでしょう。

下A・B図は月と金星における光度と表面輝度の比較。2025年全体を描いており、月も金星も形が変わるので位相に応じた変化があります。確かに光度はほとんどの時期で月が勝ってるけれど、表面輝度は月より金星のほうが概ね4等くらい明るいですね。

明けの明星側では、金星が西方最大離角を過ぎて外合に近づくほど、月接近時の位置が太陽に近くなります。そうすると空の明るさに対して月の表面輝度が負けそうになるため「月を見つけて、それを頼りに金星を探す」という方法論が崩れてしまうんです。今月の接近22日、来月の接近8月20日、再来月9月19/20日と、ぐんぐん太陽に近づきます。安全確保しつつ、どこまで探せるか挑戦してみてください。(金星探しよりも月探しがメインになりそう…。)

  • 2025月と金星の光度

    A.月と金星の光度(2025年)
  • 2025月と金星の表面輝度

    B.月と金星の表面輝度(2025年)


今日の太陽とハロ現象2025/07/19

20250719太陽
昨夜から今朝は雲付きの晴れ。今日朝からも同様ですが一日前よりは雲少なめです。透明度が良い青空が見えます。

20250719太陽リム
左は13:10前の太陽。シーイングが安定しており、細かな模様が鮮明です。左リム近く、赤道を挟んで対象の位置にそれぞれ黒点を伴ったプラージュが見えてきました。新たな活動領域ですね。右上の賑やかな領域たちはそろそろ退場です。

20250719内暈
昼頃から少しずつ雲が広がっていましたが、太陽観察の数十分後にはもう太陽にかかり始めました。淡く見えていた内暈が次第に濃くなっていきます。

気象庁アメダス速報値の本日0時から15時までの集計による夏日地点数は888、真夏日地点数は649、猛暑日地点数は59、国内最高気温は山形県東根ポイントの37.5度。本日は今年最後の梅雨明け宣言が東北北部に出されました。ちなみに最高気温の山形県は東北南部に含まれるので、昨日梅雨が明けたばかりですね。

環が明るくなってきた土星2025/07/19

20250719土星
昨夜から今朝は巻雲が残る夜空。でも前夜よりは晴れ間が多くなりました。左は明け方3時過ぎの土星。シーイングがそこそこ良かったけれど、薄明が進むにつれて少し悪化しました。

右上の衛星はタイタン。11時間前(18日16時JSTごろ)から5時間に渡りタイタンの影が土星本体を横切りました。そのころ土星が見えたハワイやアメリカ西海岸で楽しめたことでしょう。Astro-Binなどにも投稿があるようです。

今期最後のタイタンの影通過は10月6日UTですが、日本から見えるチャンスはありません。15年後もありません。30年後の2054年(環の消失期)夏から冬にやっと見えそうです(夜見えるのは7月30日が最初、8月15日、8月31日、9月16日…と続き、翌年2月22日が最終)。長生きしましょう。

20250628土星
見かけの大きさが少し大きくなりましたが、それ以上に環の明るさが急に増したなぁと感じました。試しに、シーイングが良かった6月28日撮影画像と比較したのが右のGIF画像。拡大率は変えず、本体の明るさのみ極力揃えてみました。タイタンのあるほうが今朝。いかがですか、視直径の差、環の明るさの差、わっかりますか?この間、土星の環から見た太陽高度は約0.39°上昇し、それに応じて明るくなったんですね。

下弦を過ぎた月が土星を離れ、金星に近づきつつありました。ペルセウス座が中空に輝き、後を追うぎょしゃ座の五角形も高くなってきました。どんどん季節が過ぎてゆきます。

今日の太陽2025/07/18

20250718太陽
昨夜は曇りのち晴れ。完全な晴れ間は未明の僅かな時間のみで、あとは巻雲が空を覆っていました。薄雲越しの月や金星が美しい。今朝からも薄雲付きの晴れ。関東を含め広範囲が梅雨明けしたようですが、いっぽう西日本では大雨続きのところがあり、心配です。

20250718太陽リム
左は13:50過ぎの太陽。いくら待っても薄雲がとれませんでした。中央に活動領域14142、その右下に広範囲の明るいプラージュ(14148・14140・14145)、また右上にも14143・14136・14146・14139のプラージュや黒点が目立ちます。左にある太いダークフィラメントがカッコいいですね。

気象庁アメダス速報値の本日0時から15時までの集計による夏日地点数は884、真夏日地点数は529、猛暑日地点数は40、国内最高気温は富山県伏木ポイントの37.1度でした。ようやくセミの声が耳に届くようになりました。今年は例年の同時期よりも明らかに少ないです。