今日の太陽2025/03/18

20250318太陽
昨夜から今朝は一時的な晴れ間が合ったものの、夜半までは雲と風が残り、夜半からは曇り時々小雨。今朝は一時的に回復したものの薄雲が取れず、厳しい太陽観察になりました。午後は雲が厚くなり、今夜から明日は大荒れになる予報。

20250318太陽リム
左は9:50頃の撮影。約1時間ほど粘って何度も撮影し直し、薄雲越しながらようやく得られましたが、雲のせいで細部が潰れ気味です。細かな黒点群たちはゆっくり右へと回ります。やや減り気味だったダークフィラメントが左半球に増えましたね。右下リムおよび右端やや上リムのプロミネンスが目を引きます。

今日の太陽と花粉光環2025/03/17

20250317太陽
昨日は雨。春彼岸の入りである今日は朝から回復し、概ね快晴です。午前中から風が強く、午後は10m/s近くに達しました。

20250317太陽リム
左は9:20過ぎの太陽。細かな黒点群がわんさかあります。活動領域は合計16ヶ所。採番されてないところもあります。プラージュが蝶型図みたいになっているのも面白いですね。右上リムなど繊細なプロミネンスもあちこち見えました。

20250317花粉光環
当然のように花粉光環が見えていました。左画像は物干し竿で太陽を隠しています。三重目の赤リングまで辿れますね。

春霞に負けない水星の尾2025/03/15

20250314水星の尾
昨夕は春霞で低空がくすんでいたけれど、かなり低くなった金星と水星を探しました。狙いは「水星のナトリウムの尾」を捕らえることです。一週間前にもトライしましたが、このときは尾が見易い条件に達してなかったため、確認できませんでした。

日没後すぐ金星を頼りに水星を探すと、貧相な姿が見えてきました。周囲が暗くなるのをゆっくり待てるほど高度はありませんが、尾は薄暮中になかなか見えないため、バランスが大事。頃合いを見て30秒×30コマほど撮影。このときPCモニターでは水星本体以外全く見えませんでした。

部屋に戻ってゴリゴリに画像処理すると、驚くほどの見事な尾が!左画像では約25分角の尾が写っており、周囲の恒星も10等近くまで確認できます。空が縞模様になっているのは電線の隙間から撮っているためです。撮影開始時の水星高度は7°、濃い春霞、標高わずか数十メートルの関東平野からの撮影…と言った悪条件オンパレードを加味するなら、とても明るい尾だったのではないかと想像できます。1000m級の山で見たらNaナローバンドフィルター無しで数度の尾が写ったかも知れませんね。

20250314水星の尾の星図
右図は撮影時におけるナトリウムの尾のシミュレーション(計算は自作プログラム/表示はステラナビゲーター)。尾の長さを0.03AUと仮定しています。白い四角は撮影範囲です。長さこそ足りませんが、尾の向きは完全に一致していますね。

今回はタイミングがとても良かったと思います。撮影時で計算すると、TAA(真近点角/True Anomaly Angle)は58.735°。尾が最も明るいとされる65°付近に極めて近かったのです。東方最大離角が3月8日だったのでまだ一週間しか経っていないことも幸いでした。叶わぬ夢だけれど、いつか高い山の透き通るような空でこの尾を見てみたい…。

20250314_18323満月
東を見ると満月が昇ってました。黄砂のような空のくすみ具合で、一面が真黄色です。日本では半影食でしたが、天リフさんによるチリリモートの皆既月食ライブを見なから観測気分に浸ります。

日付が変わる1時間あまり前に満月を撮影(左画像)。月の周りにはスギ花粉による光環が見えました。満月瞬時は過ぎているため、右リムが僅かに欠け始まっていますよ。フンボルト・クレーターチェーンが見えそうでしたが、期待したほどシーイングは良くありませんでした。

先日着陸成功したブルーゴーストからは「地球による日食」が見えたとのこと(記事末追記参照)。行く行くは地上と月面とで「日食月食同時中継」も夢ではなくなるでしょう。長生きしなくちゃね。

【追記:BLUE GHOSTから見た地球による日食】
各種ニュースやtweetでも流れてますが、BLUE GHOSTから見た地球による日食をGIF動画として掲載しておきます(ソースおよびクレジット:Firefly Aerospace)。搭載カメラが広角なので、日食の詳細までは分かりません。ベイリービーズのように見えるのは何でしょうか?地球は大気層があるので、月による日食のようなベイリービーズはできないはず。そもそも月から見た地球視直径は太陽視直径の3.4倍ほどもありますからね。雲の頭頂部などが光っているのかも知れません。

  • 20250314_BLUE GHOSTから見た地球による日食

    A.全体像
  • 20250314_BLUE GHOSTから見た地球による日食

    B.太陽付近の拡大


ところでこの動画を見て違和感を覚えました。太陽が左側からやってくる地球に隠されているような時系列なのです。月から見ると、太陽は約一ヶ月かけて東から西へ天球を一周しますが、地球は秤動の幅しか動きません。ですので、太陽のほうが速く移動し、今回は地球を北から南へ貫きつつ日没へ向かうと思っていたのです。

20250314_BLUE GHOSTから見た地球による日食
BLUE GHOSTからどんな日食が見えるのか、自作プログラムにより14日2時UTから13時UTまで一時間おきにシミュレートしてみたのが右図。BLUE GHOSTのランディング・ポイントは大雑把ながらNASAのこの資料によります。昨日から今日にかけて経度秤動はマイナスへ変化しており、地球から見た危難の海は東の縁へ追いやられる方向へ回っています。逆に危難の海にいるBLUE GHOSTからは地球が西(右)へ向かうように見えるはずなので、図の時系列は合っていると思われます。前述した「左から地球がやって来て…」というのは確かにその通りになってますね。ただ、地球と太陽の速度差がピンときません。

突貫プログラムなので細部が間違っているかも知れませんし、BLUE GHOSTのカメラが正しく水平を保持しているとも思えませんが、時系列はやはり太陽が上(地球の北側)から下へ貫く感じですね。うーむ、動画の順番が逆再生になってる気がします。どなたか詳細をご存知の方がいらっしゃったら教えていただきたいです。

20250314_BLUE GHOSTから見た地球による日食
【追記2】
上記のシミュレートを30分おきの計算図から動画にしてみました。時間と共に地球の北側に太陽が隠れ、右下側へすり抜けてゆくことが分かりますね。

ちなみにニュースやツイートなどで出回っているBLUEGHOST日食画像(ダイヤモンドリング風のもの)は4:30EDT=8:30UTCに撮影されたとのことで、このシミュレートとも一致してます。


今日の太陽2025/03/14

20250314太陽
昨夜から今朝は薄雲が取れない空。今朝からも巻雲がなかなか取れませんでした。午後は風が出てきて昨日同様に気温が20度近くまで上がっています。

20250314太陽リム
左は10:20ごろの太陽。若干薄雲がかかっていてシーイングも最悪でした。左端やや下リム近くの黒点群は活動領域14028と採番。見えている活動領域は13ヶ所になりました。左上のプロミネンスは高いですね。右端にはジェット状の明るいものもあります。