準惑星ケレスが衝を迎えました2015/07/28

20150727ケレス
昨夜、ケレスという星が衝を迎えました。地球をはさんで太陽と反対方向に位置し、明るく見やすい時期を迎えます。左画像は7月27日0:50頃、衝まで23時間余り前のケレス。※ケレスはセレスとも言います。私はセレスの名のほうが好き。(毛-lessってなんかイヤだ…)

ケレスはこの7月に話題となった冥王星と同じ「準惑星」。かつては「最初に発見された小惑星」「最大の小惑星」として持てはやされました。四大小惑星と言えば「ケレス・パラス・ジュノー・ベスタ」。小惑星の筆頭として存在感がありましたね。火星と木星の間の小惑星帯を回り、地球からは冥王星よりずっと明るく見えます。2006年の再編で冥王星と共に準惑星となりましたが、いまだに小惑星ケレスとしてなじみ深いです。

小天体比較
2007年9月に打ち上げられた探査機ドーンが、今年2015年春からケレスの探索を開始し、数々の素晴らしい画像を得ています。トラブルなどがなければあと1年かけて探査を続ける予定とのことです。

冥王星の時にならって、NASAの探査機と気象衛星ひまわりの画像を使い、ケレスの大きさ比べをしてみました(右画像)。準惑星の定義が「自分の重力で丸い形を保てる」ということですから、小さいながらもケレスはほぼ球形です。だいたい冥王星の1/3ですね。地球のちょっとした台風を下回ってしまう大きさなので、大きいのやら小さいのやら…。

ケレスは現在7.5等星ですから、小型の望遠鏡や大型双眼鏡で見ることができます。ただし難関なのは明るさではなく高さ。今期のケレスはいて座に位置し、たとえば茨城県の私の自宅では南中する深夜でも高度が23度あまり。少しの雲やモヤ、障害物、光害であっという間に見えなくなります。よほど空の条件が良い場所でない限り、探し出す段階のハードルは高いでしょう。できるだけ湿度の少ない快晴夜、南中時間の前後1時間以内の観察をお勧めします。

201210・小惑星とM天体
小惑星は移動を確かめてこそ面白いもの。たった1日でも移動が分かります。晴れが続きそうな夜にチャレンジしてみましょう。(左は2010年10月、メジャーなM天体に接近しながら移動するケレスとベスタを三晩追いかけたものです。)

下に2枚の星図を用意しました。右の星図は縦が約8度、小型双眼鏡の視野程度。いて座には南斗六星という有名な配列がありますが、この一番左下(いて座ζ星)と同じくらいの高さなのです。南斗六星の東(右)のほう、いて座のおしりに小さいダイヤ凧のような4つの星があります。これが見つかればケレスはすぐ近くです。(※この凧の星は1986年3月中旬にハレー彗星を夢中で追っていた世代には懐かしいかも?)カメラでは標準レンズ程度で凧の星と一緒に撮れば写っているでしょう。10月いっぱいまでは右の星図内でうろうろしていますから、この機会にぜひ一度眺めてみてくださいね。

  • 2015年ケレス星図
  • 2015年ケレス星図

今日の太陽2015/07/28

20150728太陽
今日は昨日と比べて気温が2、3度低いようです。たったこれだけでもずいぶん涼しく感じました。

左は15時少し前の太陽。今日もなかなか雲がどいてくれず、遅い撮影でした。でも良く撮れていて、表面の細かな模様やプロミネンスの小さな構造が分かります。特に、西(右)に突出しているプロミネンスの複雑な絡み具合や、東端に5、6ヶ所見える小さなループに目を引かれました。
20150728太陽リム


光球は静穏ですが、昨日は気付かなかった黒点が東に現れましたね(領域番号12391)。少し長めのダークフィラメントも目立ってきました。中央の明るい活動領域は、右が12390、左が12389です。