台風になるかも知れない熱帯低気圧が発生2019/07/15


20190715-0900jst気象衛星画像
ルイジアナ州に上陸したTropical Storm「BARRY」はようやくおさまりつつある様ですが、いっぽう日本の遙か南では「台風になるかも知れない熱帯低気圧が発生」と気象庁から発表がありました。

左は発生時の15日9:00、気象衛星ひまわりによる画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。オレンジ点線円は熱帯低気圧中心の直径1000km円を表しています。

現在はほぼ西進しているようで、ルソン島付近へ真っ直ぐ向かっています。今のところ直接日本への影響はなさそうに見えますが、転進したり、あるいは間接的に影響があるかも知れませんね。注意しましょう。




日照不足が深刻なレベル2019/07/15

20190715夕方西空
梅雨が明けた沖縄や奄美とは裏腹に、当地・関東では曇りや雨が続いています。晴れていれば日差しがキツい夕方の西空も、今日は左画像の通り「海の日」であることを忘れるほどの空。毎日こんな日が続くとさすがに気分が滅入りますね。万が一温暖化が進むと私たちの子世代は毎日こんな日の元で暮らさなくてはいけないようですから、心配でなりません。

一週間ほど前に気象庁から「北・東日本太平洋側の日照不足と低温に関する全般気象情報」が発表されました。右下に引用します。
北・東日本太平洋側の日照不足と低温に関する全般気象情報 第1号

令和元年7月8日15時10分 気象庁発表

(見出し)
 北・東日本太平洋側では、6月28日頃から、日照時間が少ない状態が続いています。この状態は、今後2週間程度は続く見込みです。また、北・東日本太平洋側では今後2週間程度は平年に比べ気温の低い状態が続く見込みです。農作物の管理等に十分注意してください。
(本文)
 北・東日本太平洋側では、6月28日頃から、前線や湿った空気の影響を受けやすく、日照時間は平年の50%を下回っている所があります。この状態は、今後2週間程度は続く見込みです。また、オホーツク海高気圧からの冷たく湿った空気の影響を受けやすく、今後2週間程度は気温の低い状態が続き、かなり低くなる所がある見込みです。農作物の管理等に十分注意してください。

 日照時間(6月28日から7月7日まで)(速報値)

         日照時間(h)  平年比(%)
むつ         20.1      45
仙台         20.2      58
福島         15.9      45
宇都宮         3.3      11
東京          3.9      11
 今後の気象情報等に留意してください。
土砂降りや急な真夏日が時々あるものの、概ね本土の四島(北海道・本州・四国・九州)はこの傾向にあるようです。日差しがないぶん気温も低く、真夏日地点数も激減しました。また期間中に九州・四国を代表として大雨に見舞われました。

梅雨の「コアタイム(コアピリオド?)」、つまり「平均的にこの期間は必ず梅雨」という時期はいつでしょう?気象庁が発表する各地方の入梅日・出梅日のうち、沖縄と奄美を除く地方で「入梅日の最遅」から「出梅日の最早」まで、と考えれば良さそうです。結果は「6月14日から7月14日まで」となりました。個人的な感覚とも合っています。

これを踏まえて梅雨のコアタイムを「6月15日から7月14日までの30日間」と定め、いくつか調べてみました。まずは2011年以降の真夏日地点数。各年コアタイムにおける地点数の日平均値は以下のようでした。

【梅雨コアタイムの真夏日地点数・日平均】
平均地点数
2011年328.0
2012年104.3
2013年232.9
2014年115.6
2015年125.5
2016年198.2
2017年261.3
2018年254.1
2019年72.3

  • 本土四島における梅雨コアタイムで日平均値を計算した。ただし奄美・沖縄地方も含む。年ごとに観測地総数は若干異なる。

暑かった去年や一昨年の三分の一。うーむ。去年の暑さは変態的でしたが、今年の寒さや日照不足だって異常…と言って良さそうな値です。涼しければ熱中症リスクが減り、エアコン代もかからず良いこと尽くめに思えますが、それは人間社会に限っての話。5月の異常高温と6月下旬からの異常低温とで、少なくとも農作物を含む植物に被害が出ています。零細農家、高齢農家ではやり直しがきかないほど深刻だと現場の方に聞きました。水不足や不安定供給も起きてます。巡り巡って農業に関係ない皆さんまでツケが回りますよ。異常気象で大変なのは暑さ寒さそのものよりも、「食糧不足・水不足・エネルギー不足」じゃないかなあ。加えて「それに携わる人不足」も。「こんな報われない仕事はもう嫌だ!」ってなりますよ。

日照については気象庁サイト「最新の気象データ」で日々発表されている気候分布地図が分かりやすいです。2017年から今年までの3年間、梅雨コアタイムの日照時間平年比マップを下に引用します。こりゃもう説明が要らないくらい明確な差でしょう。来週には晴れ間が戻るとも言われますが、どうなることやら。一次産業が大ダメージを喰らう前に夏らしい夏がやって来てほしいですね。暑すぎるのは勘弁ですが、「もっと光を!」。

  • 2017年・日照時間平年比

    A.2017年
  • 2018年・日照時間平年比

    B.2018年
  • 2019年・日照時間平年比

    C.2019年


【16日追記】16日15時に、上記と同様の「日照不足と低温に関する気象情報」が東海地方にも出されました。(→気象庁の地方気象情報


参考:
夏至の梅雨空は日本らしさ(2019/06/22)
2017年の秋、気候はどう変化したのかな?(2017/11/04)
10月の日照は足りてますか?(2016/10/19)
日照不足の日々が続きます(2016/09/29)