夜明け前のわずかな晴れ間に月を見る2019/07/27

20190727_28979月
今朝方は時々ぽっかりと雲間が空く時間があり、登ってきた月を眺めることができました。台風が迫るなか雲の移動が忙しなかったのですが、妙にそそられて望遠鏡を組み立ててしまいました。

左は3時過ぎの撮影で、太陽黄経差289.79°、撮影高度34.9°、月齢23.95です。シーイングはヒドイ状態で、撮影枚数もわずかなので画質は悪いですが、これもまぁ気象を含めたひとつの記録。

今朝の秤動は月の北西が地球側に向いており、夕方を迎えた虹の入り江が妙に円形に感じました。その南端からぶら下がるように伸びるハイム尾根(Dorsum Heim)も印象的。この尾根、タイミングが良くないとなかなか見えません。途中の小クレーターはC.Herschelです。尾根南端の明暗境界にポチッと光るのは、多分ラ・イール山(Mons La Hire)と思われます。南西のクレーター群の中にあるビュルギウスA(Byrgius A)クレーターから広がる明るい光条はとても好きな地形のひとつです。

月がもっと高くなるまで待ちたかったのですが、すでに薄明は始まっていたし、撮影の3時間後にはもう土砂降り。そんな貴重な晴れ間でした。東にはすばるやヒアデス、カペラも見えだしており、半月経てばオリオンも確認できるでしょう。時の移ろいは本当にはやいものですね。

土用の丑の日に希少種を食する文化2019/07/27

カワラナデシコ
今日は2019年の「土用の丑の日」。もう少し正確に言うと、年干支が「己亥(つちのとい/きがい)」、月干支が「壬申(みずのえさる/じんしん)」、日干支が「乙丑(きのとうし/いっちゅう)」である夏土用の日です。

今年は二の丑がありませんので、夏土用の19日間で日干支に丑が付く日は1回のみ(下表参照)。一昨年と去年の2年連続で二の丑がありましたから、今年のうなぎ屋さんは(台風も通過してるし)不利でしょうか?もっとも、絶滅危惧種になってるニホンウナギにしたら大助かりかも知れません。

来年は二の丑がありますが、東京オリンピック期間でもあります。海外の方々も大勢来日してる手前、絶滅危惧種をばくばく頂くのはちょっと気が引けるかも…?欧米でクジラやイルカの料理を注文するような後味の悪さが残るでしょうか?

私はクジラ肉が給食に出ていた世代ですし、ウナギも大好きです。食文化は地域独特だから自由で良いと思いますが、自ら進んで「ひとつの種を滅ぼしてまで食べたい」とは思いません。そもそも食料を供給する人たちがそのことを一番分かっていますから「儲けに走って獲り過ぎてはいけない」「自然が生み出すよりも多く獲ったら自滅する」と認識してます。これが頑なに守られていれば、そうそう自然は壊れません。

ニホントカゲ
近年は生物種が滅ぶほど乱獲が危ぶまれています。食糧難でないにもかかわらずこうしたことが起こるのは決して異常気象などのせいではなく、前述の「獲り過ぎたら自滅」の暗黙ルールを知らない/守らない人々が食料を要求するせいでは?と思うことがあります。例えばある年の丑の日に日本中の家庭で一斉に鰻重を食べたら、ウナギは滅びます。

注文すれば出てくるのが当然という社会になってますから、大多数の人間は自分で手を汚して野菜を育てたり生き物を殺す現場を知りません。また人間の寿命は延び続け、人口も増え続けています。だから「食べたい」となれば要求(もはや需要ではない)過剰となり、一次産業に負担を強いる構図ができます。それなのに食品ロスまで発生してしまう矛盾。義務教育期間中の1年間くらい、あるいは大人になってからの数年間くらいは国民全員が農林水産業にどっぷり浸かって、命を食すことの意味を考えても良いんじゃないかと思いますね。

(※挿入画像は最近自然の中で見かけなくなったカワラナデシコとニホントカゲ。10年以上前に近所で撮影。)


【土用の丑の日・2015-2025年】
夏土用の入り土用日数一の丑・日干支二の丑・日干支立秋
2015年7月20日(月) 9:0719日7月24日(金)辛丑8月5日(水)癸丑8月8日(土) 5:02
2016年7月19日(火) 15:0419日7月30日(土)癸丑8月7日(日) 10:54
2017年7月19日(水) 20:5219日7月25日(火)癸丑8月6日(日)乙丑8月7日(月) 16:41
2018年7月20日(金) 2:3418日7月20日(金)癸丑8月1日(水)乙丑8月7日(火) 22:31
2019年7月20日(土) 8:2419日7月27日(土)乙丑8月8日(木) 4:13
2020年7月19日(日) 14:1419日7月21日(火)乙丑8月2日(日)丁丑8月7日(金) 10:08
2021年7月19日(月) 20:0019日7月28日(水)丁丑8月7日(土) 15:55
2022年7月20日(水) 1:4318日7月23日(土)丁丑8月4日(木)己丑8月7日(日) 21:30
2023年7月20日(木) 7:2719日7月30日(日)己丑8月8日(火) 3:24
2024年7月19日(金) 13:1919日7月24日(水)己丑8月5日(月)辛丑8月7日(水) 9:11
2025年7月19日(土) 19:0719日7月19日(土)己丑7月31日(木)辛丑8月7日(木) 14:53
夏土用の入り土用日数一の丑二の丑立秋

  • 夏土用の入りは太陽黄経が117度に達した瞬間、立秋は同じく135度に達した瞬間として天文計算しています。
  • 土用は四立(立春・立夏・立秋・立冬)の前日まで、18日か19日程度の期間(四立との太陽黄経差18度以内)の総称です。
  • 土用は夏だけではありません。


今日の太陽2019/07/27

20190727太陽
台風6号は今朝三重県に上陸後、15時に熱帯低気圧へ変わりました。この過程で昨夜から今日午前にかけて、遠く離れた関東地方でも大雨エリアが通過しました。当地・茨城では朝のうちすごい雨でしたが、昼前には青空が見えてきました。ただ、ひっきりなしに足早な雲が通過します。

20190727太陽リム
左は14:30前の太陽。短時間の撮影なのに度々雲に邪魔され、また7m/s前後の強風に翻弄されました。数日前から西側に見えているダークフィラメントがだいぶ 中まで進んでますね。周囲のプロミネンスは目立つものがありません。活動領域もなく、静穏な太陽です。


今年は二十四節気の「大暑」まで比較的涼しかったのですが、翌日24日から本日まで真夏日地点数が500ポイントを超しており、すっかり盛夏となりました。この土日は本州を横断する熱帯低気圧も心配ですが、熱中症にも十分ご注意くださいね。