空から氷の贈りもの2019/02/10

20190210明け方の雪
昨日関東にもたらされた雪は東側ほど多かったようで、当地・茨城県南部で比較しても東側の街のほうが雪がこんもりしていました。昼過ぎにいったん止みましたが、夜に入ると再び降り始め、夜半過ぎまで続きました。明け方には美しい星空が広がっていたけれど、地面はツルツル。もちろん機材を出して天体観察などとても無理でした。

雪が降るたび可能な範囲で雪粒を観察するのですが、左画像は10日1時頃の撮影。日中の降り始めから粒が小さい雪でしたが、夜の雪もまた小さいものでした。小粒状の氷が雷おこしのように集まったものや針状のものが大部分を占めていましたが、一部に綺麗な雪模様も見られました(左画像中の赤○印など)。夜が明けて正午前まで日陰に残る結晶を確認できました。

20190210上部タンジェントアーク
昼を過ぎると太陽の上側にアークが見えました(右画像)。空全体に巻雲がかかっていましたが、アークは上側だけだったので、内暈ではなく上部タンジェントアーク(または外接ハロ)と判断しました。

空に気象光学現象をもたらすのも氷の結晶です。白い雪とは違い、水分子が六角構造を保ったまま透明な粒に発達したものです。上部タンジェントアークは鉛筆のように「柱状」になった粒が作るアーク。結晶の形や密度が変われば、違うアークが現れたり色が濃くなったりします。空にできる氷は様々な自然の一面を見せてくれるので飽きることがありません。

【追記】
気象衛星から見ると降雪範囲が一発で分かりました。下A画像は今朝9:00JSTのひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、水色の部分はよく冷えている雲や地面に降った雪を表しています。また下B画像は地球観測衛星Terraの本日画像(画像元:NASA-WorldView)。日本上空を通過した11時前後の撮影と思われます。これを見ると、東側が多く降ったというよりも、降雪が南西−北東向きのベルト状になっていたと考えるほうが正しいでしょうか。利根川沿いに雪が多いのは何か深い理由があるんでしょうかね?

  • 20190210-0900JST気象衛星ひまわり画像

    A.気象衛星ひまわり画像
  • 20190210Terra

    B.地球観測衛星Terra画像


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