霞んだ空で新天体と彗星を観察2019/02/24

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昨日午後から次第に晴れに転じた天気は、そのまま夜も続きました。ただ夜半には気温が氷点下まで下がったため、日中の暖かさで舞い上がった水蒸気が強く光害を反射し、かなり霞んだ空です。22時頃からは月の影響が強くなるため更に酷くなると考え、観察時間を22時頃までに絞ってふたつ天体を観察しました。

ひとつは星仲間の(の)さんから情報を頂いた新天体。静岡県掛川市の金子静夫さんが21日夜に発見したものです。天体はシリウスの北側、いっかくじゅう座にあって10等台。写野を定めるのに試写をしたらすぐ分かったほど明るいものでした(左画像)。矮新星かも知れないとのことです。

20190223岩本彗星(C/2018Y1)
もうひとつは岩本彗星(C/2018Y1)。金子さんの新天体の前に望遠鏡を向けました。移動量が次第に少なくなってきたので、1コマの露出をどこまで増やせるか実験も兼ねました。

今後の岩本彗星は観測可能時間が夜半前にシフトしてくるため、宵空でどう見えるか、どう写るのかも調べる必要がありました。当地は夜半まで街の光害が減らないので、明け方の観察と同じような条件設定だと失敗します。これは気象条件も絡むため、何年経験しても見極めが難しいのです。

今回は右画像のようになりました。コマ直径もかなり小さくなりましたね。明日あたりから3月頭にかけてぎょしゃ座の星団や星雲の中を通過しますから、後半戦最大の見所と言えましょう。

岩本彗星(C/2018Y1)・見かけの移動量
【参考】
岩本彗星が空の上をどれくらい動くか計算したのが左グラフです。1時間当たり移動する角距離(分角:arcmin)で表しています。予めご自身の光学系で「カメラセンサー1ピクセルあたりの角度」を求めておき、観察日に応じてこのグラフを読み取れば、「点像として許容できるピクセル数→許容露出時間」を高校数学程度で計算できるでしょう。

(例)3月1日夜に焦点距離600mm望遠鏡+フルサイズ(ピクセル数6000×4000程度)の一眼レフ直焦点で写す場合。
  • センサー1ピクセルあたり約2秒角四方の空を写しています。[※センサー画角概算=atan(センサーサイズ÷2÷焦点距離)×2です。単位や弧度変換を間違えない様にしましょう。なおこの画角式は短焦点レンズや近距離撮影では使えません。]
  • グラフから彗星の移動量は1時間あたり約4分角。→1秒あたり0.0667秒角。
  • 2÷0.0667=約30秒で彗星は1ピクセル移動することになります。
  • もし原画上で3ピクセル程度の移動を許容するなら、1コマの露出は約90秒まで伸ばすことができます。
  • 星像の揺らぎやピントのシビアさによっても変わりますが、このように予め目安を計算しておくことは観察の効率化や成功率アップ、そして頭の体操として役立つでしょう。


参考:
岩本彗星(C/2018Y1)に関係する記事(ブログ内)

今日の太陽2019/02/24

20190224太陽
朝から晴れていますが、ときどき雲が湧いて太陽にかかることもあります。青空がどことなくスッキリしません。昼頃から風が強まりました。

20190224太陽リム
左は11時少し前の太陽。活動領域はありません。プロミネンスも極小のものばかりです。右上リムに迫ってきたダークフィラメントですが、今日はあるのかないのか分からなくなってきました。細く、短くなったのかも知れません。