前夜に続いて土星観察2025/06/29

20250629土星
昨夜から今朝は曇り後晴れ。宵のうち雲間から四日月が見えたのですが、すぐに雲隠れしてしまいました。薄明が始まる頃またしても晴れてくれたので、性懲りも無く土星を眺めました。

撮影開始時の雲量は一晩前より少なかったけれど撮影後半は徐々に増え、何度か減光しました。またシーイングは前夜より落ちて細かい振動が多かったです。強めの画像処理をしなければ縞模様などが見えてきませんが、ノイズが増えたり暗い環のディティールが損なわれるのでほどほどにしなければなりません。

前夜は写野外だったタイタンがぎりぎりセンサーの端に捉えられたので、タイタン込みで衛星も撮影(右下画像)。前夜から1公転の7割を終えたエンケラドゥスも環のすぐ上にいるはずですが、うまく分離しません。

20250629土星の衛星
7月8日朝の「土星の環の傾斜が今年最大」までもうすぐ(→昨日の記事参照)。本来は梅雨の時期なのに2晩続けて晴れるなんて幸運です。今暗く見えているのは土星の環の南面。前回この面を見たことがあるのは1995-2009年の期間に土星を見ていた人だけです。数えてみたら、私はその前の南面の期間:1966-1980年から土星を見始めていました。自分で初めて見つけた土星の環は南面だったのかと、今更ながら驚きました…。記事下表に南北面の入れ替わり時期の一覧を掲載しておきます。

ともあれ、7月8日当日まで何夜観ることができるか分かりませんが、何回でも目に焼き付けたいですね。

【見えている土星の環の面はどちら側か?/1900-2100年の入れ替わり日時】
日時(JST)見えている環の面地心土星黄経
1907年4月13日 1:05北面→南面351.77°
1907年10月4日 18:19南面→北面352.80°
1908年1月7日 19:29北面→南面352.31°
1920年11月8日 6:07南面→北面171.98°
1921年2月23日 0:33北面→南面172.80°
1921年8月4日 4:32南面→北面172.29°
1936年6月25日 19:10北面→南面352.47°
1936年7月2日 10:52南面→北面352.53°
1937年2月21日 2:43北面→南面352.37°
1950年9月14日 14:59南面→北面172.45°
1966年4月2日 18:16北面→南面352.62°
1966年10月29日 7:36南面→北面353.62°
1966年12月18日 6:08北面→南面353.32°
1979年10月27日 10:55南面→北面172.79°
1980年3月13日 1:08北面→南面173.76°
1980年7月23日 11:48南面→北面173.21°
1995年5月22日 5:28北面→南面353.08°
1995年8月11日 15:23南面→北面353.72°
1996年2月12日 3:47北面→南面353.27°
2009年9月4日 17:39南面→北面173.33°
2025年3月23日 22:50北面→南面353.47°
2038年10月15日 22:59南面→北面173.62°
2039年4月2日 8:01北面→南面174.66°
2039年7月9日 21:52南面→北面174.16°
2054年5月6日 7:59北面→南面353.87°
2054年8月31日 21:36南面→北面354.72°
2055年2月1日 14:58北面→南面354.18°
2068年8月25日 10:46南面→北面174.22°
2084年3月14日 13:50北面→南面354.34°
2097年10月5日 11:52南面→北面174.47°
2098年4月27日 1:05北面→南面175.49°
2098年6月18日 19:30南面→北面175.17°
日時(JST)見えている環の面地心土星黄経

  • 自作プログラムによる計算です。時刻は多少の誤差が含まれます。
  • 「北面→南面」と書いてある場合、「その日時まで北面が見えていたけれど、それ以降は南面が見える」と言う意味です。要するにこの日時は地心から見た環の消失日です。
  • 約15年ごとに南北の交代があり、その時期は短期間で数回入れ替わることもあります(必ず奇数回)。
  • 入れ替わる時の地心土星黄経がきっちり2方向に分かれることから、入れ替わり期(環の消失期)はほぼ2種類の同じ星座方向で起こることが分かります。


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