赤道をはさむ二つの嵐と春の兆し2019/02/19


20190219-0600JST気象衛星
本日2月19日3:00、台風になるかも知れない熱帯低気圧が発生したと気象庁から発表がありました。Joint Typhoon Warning Center(JTWC)では昨日から注意を呼びかけていたものです。つい先日「一年間でもっとも台風が少ない日」を過ぎたばかりなのに…。また、赤道を挟んで南半球のほぼ同経度にTropical Cyclone「OMA」が発生しており、ニューカレドニア島西部海域を南下中です。

左は熱帯低気圧発生から3時間経過した本日6:00の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。日本の一部が左上に写っています。赤およびオレンジの点線円は各嵐中心の直径1000km円。熱帯低気圧のほうは渦を巻き始めており、ゆっくり西進しています。渦の巻き方が南半球のサイクロンと逆になっていることが良く分かるでしょう。双方ともしばらくは動向に注意する必要がありますね。2月初旬にかけて100年に一度と言われる大規模洪水があったオーストラリア・クイーンズランドへの影響も心配です。

本日は二十四節気の「雨水」。去年の春分(黄経0°)をスタートした地球が330°公転したということです。折しも全国的に雨模様で、雪シーズンから雨シーズンへ変化していることを感じさせます。左上画像のなかにも春が近い証拠を、少なくともふたつ見出せるでしょう。ひとつは「明暗境界が立ってきた」つまり昼と夜との境界線が経線の並びに揃ってきたということ。これは太陽が地球公転面に近いところから照らしている春と秋にしか見られません(→アーカイブ「地図で見る日出没の季節変化」参照)。

もうひとつの証拠は「サングリント(太陽の照り返し)が赤道に近い」こと。熱帯低気圧とサイクロンOMAの中間緯度・右寄りを見ると海面が明るく光ってますね。これがサングリント。赤道上空に静止している衛星から見ると、夏季のサングリントは北半球、冬季は南半球にあって、日周に応じて東から西へ横断します。赤道からの離れ具合が季節を表しており、夏至には最も北寄り、冬至には最も南寄り、春分と秋分近くは赤道付近を横断するのです。この他にも春の兆しが見つかるかも知れません。ぜひ探してみてください。

参考:
秋分の太陽位置は春分と何が違うの?(2017/09/23)
日出没・暦関連の記事(ブログ内)