長い名前の彗星をふたつもブログに載せるなんて面倒なんだからねっ!(笑)2017/02/04

20170204タットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)
昨夜は風が収まり、少し透明度が落ちたものの良い天気。明け方の本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)はデフォルトで観察するとして、もうひとつ、夜半に南中するタットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)も見ることにしました。

それにしてもこの二つの彗星の名は長いですね。全く関係ないですが、10年ほど前からライトノベルやラノベ原作アニメのタイトルがとても長くなる傾向にあります。(今回の記事タイトルのような感じ。)なんだかそれを彷彿とさせるものが…

10日ほど前の1月25日に観察したときから計算上1.5等ほど明るくなっているはず。今回はカラーで撮りましたが、液晶ファインダーでも何となくそれらしい姿を確認できました。もう13等台前半ですね。短い尾も確認できます。どこまで明るくなってくれるでしょうか。(※左上画像は光軸調整中のため右側星像が肥大しています、ごめんなさい。)

20170204本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)
明け方に昇ってくる本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)は、昨日よりも20分ほど早めに準備しなくてはなりませんでした。日々どんどん早く顔を出すので、少しでも薄明の影響を避けたいからです。昨日と違って今朝は風も穏やかで助かりました。

右は5:17頃から5分間(15秒×20コマ)の恒星位置基準コンポジット。機材等は昨日の記事と同じですが、ひとまりわり大きく&明るく感じますね。尾は分かりませんが、なんとなく上やや左向きに伸びている気もします。光害地+薄明開始時間ではこれが限界。明日は天気が崩れそうですが、次に見たとき大化けしていることを期待して…。

参考:
タットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)に関係する記事(ブログ内)
本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)に関係する記事(ブログ内)

今日の太陽2017/02/04

20170204太陽
昨夜から今朝にかけて風もあまり吹かずよく晴れました。今日朝からもよく晴れていますが、若干風が強まりました。

20170204太陽リム
左は11:30過ぎの太陽。今日は大気がとても激しく揺らいでおり、像はボケボケです。中央上の活動領域12630、右寄りの12632、12633、12629、そして赤道付近右端の12631が周囲より少し明るく見える程度。プロミネンスは右下と左下にかろうじてぼんやり見えます。

台風になるかも知れない熱帯低気圧2017/02/04


20170204-1200熱帯低気圧
いちばん台風が少ないシーズンですが、昨日2月3日15時に「台風の卵」である熱帯低気圧が発表されました。近いうちに台風になる可能性があるとのことです。

左は今日4日12時の気象衛星画像(画像元:NICTサイエンスクラウド/経緯線などは筆者)。赤点円は熱帯低気圧中心の直径1000km円です。緩やかな渦ができつつあります。場所はフィリピンの東海上ですから今のところ日本に影響はありませんが、こんな時期なのにイヤになりますね。

20170203-1000穴あき雲
この熱帯低気圧の以前の状態を調べていたら、面白いものを見つけました。ちょうど沖縄のずっと西、中国の陸地から海岸にかけて「穴あき雲(hole punch cloud)」がたくさん出ていたのです(→参考記事)。穴あき雲と呼ぶにはちょっと大きい気もしますが、多分原理は同じことと推察します。中には線状に連なって、虫食い穴のように伸びた所もありました。右は3日10時の画像ですが、前後数時間を見てゆくと衰勢が見て取れます。沖縄付近にも独特の雲が発生してますね。

グレージング現象が見えました2017/02/04

20170204月
以前にもお知らせした通り、今夜はおひつじ座の6等星が月をかすめる「グレージング(接食)現象」がありました。今宵の月は「月面Xデー」でもあり、また上弦でもあります。選り取りみどりですね。

左はグレージングが始まる20分ほど前に撮影した月。正確には昼過ぎに上弦だったので、宵の月は半月よりも少しだけ膨らんでいます。X地形は中央南側に見えますが、これも日本で月の出を迎える前に日が当たっていますので、周囲は明るくなっています。でもまだXの形は分かりますね。

当地・茨城県南では19:26頃にグレージングが始まりました。対象は6等星なので決して見やすくはなく、冬の乱れた大気越しで揺らめいたり消えたりしていました。動画で撮影したのですが、部屋を真っ暗にしてモニターに顔を近づけないと分からないほどです。しかも欠け際の地形の一部が光っていて、恒星のように見えてしまいます(下左画像/動画キャプチャを見やすく加工)。これと混同しないように集計は困難を極めました。

ざっと時間を計り、グレージング予報にフィットさせてみたのが下右画像。私はゼロラインから2km近く離れた場所で観察しましたが、結果は黄色の線の通りでした。最初の潜入と2回目の潜入・出現はほぼ予報通りですが、1回目の出現が食い違いました。この谷間は予報より広いようですね。恒星のように光って見えていたのは、下側にいちばん突き出た山の先端だと思われます。(※予報図は標高が強調されて描かれていますので、実際は恒星のルートと大きな差が無い位置と考えられます。)ともかく、地上からの簡単な観察によって月の詳細地形が分かってしまう楽しい現象でした。

  • 20170204キャプチャ
  • 20170204グレージング集計