明け方に捕らえた本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星2017/02/03

20170203ジョンソン彗星(C/2015 V2)
昨夜は風も止んで良いお天気。これは彗星が撮れそうだと今日明け方に起き出しました。まずはジョンソン彗星(C/2015 V2)に望遠鏡を向けます。かなり早い時間に高くなるようになったので、とても撮影しやすいですね。むしろ朝が早くなっていますので、撮影終了を早めなくてはなりません。

左は約32分の露出で、彗星位置基準のコンポジット、上方向が天の北です。立派な尾、そして、ほのかに緑色のコマが見えます。彗星はあと一週間ほどうしかい座に留まり、その後はヘルクレス座に移ります。満月期を迎える前に撮影できて良かった…

さて、実は撮影時間が過ぎてゆくと共に風が強まってきました。幸いジョンソン彗星本体の撮影はギリギリ終了し、フラットやダーク撮影に移っていたので難を逃れましたが、この後に本命の本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)撮影が控えています。風速は昨日明け方以上に強くなり、見晴らしよい場所まで出掛けるのも気が引けました。

20170203本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)
勇気を出して近くの広い駐車場まで機材を抱えて歩きましたが、10m/sに届こうかという風では移動も撮影も大変です。彗星方向が開けて背後に壁があるような都合良い場所はあるはずもなく、小さなモニュメントの影に隠れながらの撮影となりました。

彗星位置はすぐ特定できましたが、撮影開始時点で高度9°弱。風で飛ぶほどの軽量機材のため、持ってきた傘を差してカメラを守りながらシャッターを切りました。3分間(10秒×18コマ)の撮影で星があまりぶれなかったのは6コマのみ。それをコンポジットしたのが右画像です。およそ5×7°の範囲で、上方向が天頂です。

昨日はよく分からなかった彗星像が、今朝は液晶モニター上でも分かりました。尾は分かりませんが、緑色のコマが想像よりも大きくてビックリ。地球に近づいている証拠です。明日、明後日とどんどん見やすくなるでしょう。夕方に見えた長い尾がどうなっているのか確かめたいですね。

参考:
本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)に関係する記事(ブログ内)
ジョンソン彗星(C/2015V2)に関係する記事(ブログ内)

今日の太陽2017/02/03

20170203太陽
節分の今日は朝からよく晴れています。でも相変わらず風が強く、近くのアメダスポイントでは11:00に最大風速11.8m/sを記録しました。うーむ、昨日より強い…。

20170203太陽リム
左は11:40頃の太陽。風を避けながらの撮影です。このHα波長での画像だとよく分かりませんが、活動領域12630と12632の間に12633ができており、小さな黒点が点線状に並んでいます。プロミネンスはやはり右リムが多いですね。

昨日もそうでしたが、今日は一段と「空が眩しい」です。「太陽が…」ではありません。空に舞い上がった砂埃などが太陽光を受けて、空自体が明るくなっています。このとき太陽は逆にホコリに邪魔されて暗くなっているんです。実際今日の観察でもゲインを上げなくてはなりませんでした。おそるべし、強風!